メモ:コロナがもたらす社会断絶へのささやかな抵抗

■新型コロナウィルスは怖い

 新型コロナウィルスは怖い。死ぬから怖い。苦しいから怖い。見えないから怖い。志村けんさんが死んでから新型コロナウィルスのフェーズが一気に変わった気がする。
 それまでは過剰な自粛にならないようにみんなで飲み食いしながら、笑って、免疫力を高めて乗り越えていきましょう、的な話だったのが、基本、家にこもる方向で楽しいことは二の次、まずは辛くても家の中にいよう、みたいなモードにスイッチしてしまった。

 更に拍車をかけているのが、テレビの報道。元のソースにあたるとあきらかに過剰編集、つまりソースの意図した内容と異なる意味を持たせようとしているということが分かるような、がなされた加工ソースが蔓延している。それらは、視聴者の不安をあおりストレスを高め恐怖心をより駆り立てるように作られているように見える。
 制作サイドとしてももちろん、意見があるだろう。これは必要な注意喚起だ、というスタンスである。何しろ脅かしておかないと国民はすぐに気が緩んで、人との接触を8割削減など達成できない。だから、思いっきり恐怖心を煽って煽って煽ることで、これらに寄与するのだ、という言い分だ。
 これは、よく考えてみると逆効果になる可能性もあるなと感じる。というのも、そもそも新型コロナウィルスに抗ウイルス剤が無い今、個々の免疫力を引き上げていくことが非常に大切である。これをあえて、ストレスをためるような情報を垂れ流してしまうことで、個々の免疫力低下につながる恐れがあるためだ。
 いずれにしても、一定の効果はあるだろうとテレビは煽り報道の手を緩めないであろうから、そういう「人々の恐怖心を煽ることで外出を抑制することにメディアが貢献したい」という意図があると知った上で見る、場合によってはテレビを消すということも選択肢ではないか、と感じる。

 まとめると、新型コロナウィルスの怖さは、以下の2つと考えられる。

 1. ウィルスそのものの怖さ(決定的な対抗策がなく死ぬ可能性あり)
 2. 現状把握・予防対策により起きる心理的・経済的ダメージ(二次被害)の怖さ

■新型コロナウィルスの更なる怖さ

 第3の怖さ、ではないが、結果として上記は何を引き起こすか。これは人と人との断絶である。全世界的に連帯をして物事を進めていく必要がある、というのに、その連帯を新型コロナウィルスは阻むのだ。これは厳しい。
 正直、新型コロナウィルスへの恐怖よりも、この対策を徹底することで、人と人との断絶が進んでいく事の方がよっぽど怖い。皆で集まって心のストレスをシェアしたり、一緒にご飯でも食べて皆で力を合わせてやっていこう、えい・えい・おーっ!などもっての他なのだ。

https://news.yahoo.co.jp/byline/usuimafumi/20200413-00172951/

 こちらの記事はソーシャル・ディスタンスの心理、ということで、当に上記で怖いと指摘した部分の話を紹介している。やはり世の中には、そういう観点で考えている人もいるのかとちょっと安心する。
 詳細についてはもちろん、この記事を参照頂きたいのだけれど、文中でこのソーシャル・ディスタンスを意識しなければならない現状を乗り切っていくために以下のようなポイントが必要とのこと。

○信頼できる情報を獲得しよう:情報との正しい付き合い方
○日々のルーティンを作り、それを守ろう
○他者とのバーチャルなつながりを保とう
○健康的なライフスタイルを維持しよう
○ストレスを管理し、前向きでいるために心理的方略を使おう

 全くだなと感じる。つまり自分が自分であるために、まずは基盤を整えつつ、これは時代だなーと思うけれどオンラインも上手に使って、現状を受け入れポジティブに生きよう、というもの。これは、一個一個は戦時中であるとか、震災の時であるとか、そういう時にも見た内容だ。
 唯一、これは特徴的だなと思うのは、バーチャルなつながり、という部分。何しろリアルに会うのはNG(ここがやっぱりウイルスとの闘いは特徴的な点)な訳だから、それをしないようにしつつ、それでも人と人とがつながり連帯できる代替手段を見つけて実践する必要がある、というのは本当に共感できるところだ。

■世界の各所で分断に対する抵抗は起きている

 昨日は飲食という観点で、この難局に抵抗し局面を打開しようと奮闘している人たちの活動をまとめてみたけれど、他にも様々な取り組みがある。せめて自分がまとめるメモはポジティブな話題を取り扱おう。

https://news.livedoor.com/article/detail/18112900/?fbclid=IwAR3Lv2xxFzYVtt-OVhleSLEpErZBcHJ5b0eUNJjq95kqNkDhkb5oQm6GfBc

 ヤマハではオンラインで合奏できるサービスを発表したとのこと。これまでもZoomやらなにやらを使って合奏を試みている映像は流れていたけれども、ヤマハが乗り出してきたのは面白い。YAMAHAは楽器はもちろんなのだけれど、ネットワーク技術にも定評があって、企業や組織向けのネットワーク機器は大きい信頼を得ている。弊社でもヤマハのネットワーク機器をご提案することが多い。
 このサービスのポイントは低遅延ということに尽きる。何でそこがポイントになるのか?と感じた方に。
 例えば合奏の状況を考える。自分が演奏者の1人だとして、合奏までは以下のようなステップを踏むことになる。(個人解釈です。)

 1. 楽器で音を出す
 2. マイク音を拾う
 3. デジタルに変換して飛ばす
 4. 各々から来たデータをまとめる
 5. 演奏者に一つの合奏の音として返す
 6. 合奏の音が演奏者に聞こえる

という具合である。実際はもっと細かいステップを踏むわけだから、これらの一つ一つに何ミリSecとはいえ時間を使うわけだから、遅延しない訳がない。この遅延をいかに少なくするのか、というのは、合奏する人たちにとっては死活問題なのだ。
 正直、使ってみたわけではないから分からないが、低遅延をヤマハが謳ったというのは注目だ。是非、音楽関係の方は注目頂ければと思う。

 それと、この前、IKEAからもらった会員レターにすごく言い文章が書いてあった。これは先ほどの分断へのささやかな抵抗の際の心持を地で行くものだが、家にいなければならない、ということを受け入れて、こんな大切な場所なんだからもっとポジティブに、むしろ、家にいないとできないことを楽しんでやろう、という呼びかけである。
 この心理的にストレスが溜まっているときに、それをポジティブに捉えて楽しもう、という提案は、それだけでエネルギーをもらった気分になる。

 そういう意味では、家庭、これが、新型コロナウィルスが人類に大きくしかけている分断という恐怖に対する、ささやかな抵抗の始まりの、そしてベースとなる場所なのだなと、改めて確認ができた気がする。

■参考リンク

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200413-00010002-yomidr-sctch&p=1&fbclid=IwAR1KRISqiDqWQyiD8x1VTEAnRlh45OGF6T588IY5Gfwz7rKKt48fvDGEdXo
当に上記の話を地で行くエピソード。必見です。

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