バスと尿素水
私は寒い日は最寄駅からバスを使って自宅まで帰る。いつも乗ってるバスが到着すると、そのバスの側面の一部に「尿素水」と書いてあるのに気づいた。なぜ今まで気づかなかったのか。そもそもバスになんで尿素水がロードされてるのか。
これは調べてみると、バスのディーゼルエンジンから排出されるガス中の有害物質を除去するためのシステムらしい。
ディーゼル車はガソリンではなく軽油を燃料にしている車で、ガソリン車とは様々な点で違う。それは軽油とガソリンの化学的性質の違いに起因するようである。違いは以下のサイトで簡単に触れられている。
かつてディーゼルエンジンは熱効率が良い、つまり燃費はいいのですが、排気ガスに窒素酸化物(NOx)が大量に含まれているのが問題になっていたみたいですが、これを減らす技術の一つが「尿素水」だったようである。
窒素酸化物は窒素と酸素が結びついた化合物だが、これにアンモニア(NH3)を反応させることで窒素酸化物を還元し、窒素ガス(N2)と水(H2O)に変える。これで水に溶けて酸性雨の原因になったりする窒素酸化物を除去できるわけである。
一方でアンモニアガスをそのままバスに入れたら体積がとんでもない。またアンモニア自体は引火性もある危険なガスであるためそのままバスに入れておくわけにはいかない。そこで尿素((NH2)2CO)水にして運んでいるわけである。
この尿素は一酸化炭素(CO)にアミノ基(-NH2)が二つついてる状態なので、これに高温状態で水(H2O)を加えるとちょうどCO2とアンモニア2分子ができる。このアンモニアを窒素酸化物の還元剤に利用しているのである。
このシステムは尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)と呼ばれているようだ。
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