ハートオブクラウンオンラインが最高になる要素を誠意を込めて考えた記事
はじめに:ハトクラが、面白いのに、流行ってない
成功の反対は、何もしないことである
どうも、ハトクラで一番好きな姫はベルガモットなSasakiです。その理由は、一番カードゲームっぽい特殊能力でカードと構築を駆使して戦ってる感があるからです。(手札を1枚ディスカードするところが好き)
ところでみなさん、「カール」というお菓子を知っていますか?株式会社明治が販売しているスナック菓子のことです。
2017年に競争激化や売り上げ低迷などを理由に関東などの東日本地域では販売されなくなったことで有名です。「おい!ハトクラと関係ないぞ!」と思われるかもしれませんが、いえ、関係があります。(断言)
売り上げ低迷による撤退なら消費者も受け入れることができるはずですが、ところがどっこいネットのあちらこちらでは悲しむ声が多数。製造工場がある愛媛県松山市のふるさと納税返礼品になった際は申し込みが殺到したとか。
まあ、たった一人の買い支えが規模縮小を止められたのかというとそうではないとも思いますが、ここから得られる教訓としては、「選ばれない物は消えていく」という事と「失って気付くかけがえの無さがある」という事です。その逆を実現するためには、消費者自らが意図して選んでいくしかないのです。
ハトクラはこんなにも面白いのに、現状とてもプレイ人口が少ないです。一方で、楽しくプレイしている人たちのハトクラ愛は計り知れないものがあるとも感じます。きっとめちゃくちゃ面白いのは事実なんです。
だからこそ、信心深いプレイヤーは自分たちだけで楽しみを享受するのではなく、模範的消費者として然るべき行動が求められるのではないかと考えています。つまり、ハトクラに対してそれ相応の誠意を見せるべきであって、それがこの記事なわけです。
僕は前回の記事↑で、やれ演出を強化しろだの戦術を学ぶエデュケーションコンテンツを追加しろだのナーフとかしろだの色々言ってたわけですが、口だけではなく実際にその内容をより詳細に考えてきましたので、みなさん一緒に考えていきましょう。
最高になるための要素を考える
オウカの能力調整について
前回の記事では、「強すぎるカードは調整してくれ」と言いました。そしてそれは現実となりました。具体的には「極東の算法姫 オウカ」に擁立時-4点が付くようになりました。ただし、これが最終決定案ではないということも明言されています。
実のところこの弱体化が良いのか悪いのかはよく分かってません。強い人たちの意見を見るにそんなに良くないという声がちらほらありますが…いいや、僕は褒めるね。
ハートオブクラウンオンラインを開発しているいるからぼさんはインディーズゲームスタジオです。少なくとも2019年末時点の記事によると、社員数は4人です。今はもっと増えていると思われますが絶対デバッガーとか足りてないと思います。
そしてなにより、借り物のIPに対して改変を加えるというのは、懇意にしている相手でも「すみませんが・・・」みたいな感じなんじゃないかと察せられます。時間のない中ゲーム体験の調整をしてくれてありがとうございますと申し上げたい🙇
「じゃあ、お前はこれで満足してるの?」と問われると、勿論そういうわけではないです。マイナス点をつけるという弱体化・・・もとい「均衡化」と言い換えましょう、それ以外にもパワーを均す均衡化案があると考えます。最終決定ではないという発表を頼りに、まずはどんな調整案が良いのか考える模範的消費者になろうと思います。
均衡化案1:カウンター制
レイン&シオンのように、カウンターを付けることで発動回数を抑制する案。現在ランクマッチの開催によって蓄積されたデータがあるという発表があったので、データをこねくり回せば平均何回以上オウカを使っていると戴冠率がだいたい何%〜みたいなスタッツが出せそうな気がします。勝つか勝たないか、ちょうど良いくらいの回数で止めさせる!という案。
一見筋の通った案に聞こえますが、結局見習い侍女を追い出せる3回かそれ以外かという議論になりそう。
回数を2回以下にするのはプレイ体験として味気なさそうだし、3回以上にすると強さはそこまで変わらなさそう。もう一捻りでカウンター数の増減がある条件を付ける必要がありそう。その条件はわからん!
均衡化案2:継承権を獲得できないようにするor購入と特殊能力を分ける
中の下くらいの実力の自分はオウカを敵にして一番絶望的だった事といえば、8コイン貯めて公爵買ったターンに5と4を追放して公爵をデッキトップに置かれることでした。実質16コインたまってますやん!あまりにも継承点の移動が速い。
仮にこのタブル公爵ムーブが強いと仮定して、これを出来なくするためには「特殊能力で継承権を獲得できなくする」か、「購入と効果起動を一緒にできないようにする」と、防止できるのかなと思いました。
ただ、たくさん行動したターンほどコインも溜まるし、カードいっぱいで効果起動もしやすくなる筈なので、それはそれはそれで使ってる側として気持ち良く無さそうとも感じます。難しいな。
均衡化案3:効果起動する場所・獲得する場所を変える
山札の一番上に置くのはやっぱりめちゃくちゃ強い気がする。だってフラマリアも擁立時にしか出来ない強力な効果なんですから。とすると後は捨て札か山札の一番下なんですが、オウカのデッキって基本薄いイメージがあるから、獲得位置が変わる事でどれくらい影響があるのかは浅学な僕ではわかりません!
そして効果起動をするためのカードの場所も気になります。旧版は手札から追放してたような気がするんですが、手札1枚・場1枚とかにすると結構変わるかな?と思ったりしました。なんかこの「効果の場所替え案」は選択の余地が増えていい感じに落ち着きそうな気がする。どんなパターンがいいかは分からないですが、デバッグをしてみて使用感を探ってもらうしかありませんね。
結局、どう調整すればいいのか?
先ほどのオウカの調整を讃えるとは言いましたが、実は腑に落ちない部分もあります。それは、
という部分。勿論、ゲームの世界観に合わせた設定や調整をしていくというのは大変素晴らしいことだと思います。作り手なら最も目指すべき部分だと感じます。
原作主導の調整と結果からの調整では意味合いが違うかも知れませんが、設定に則した調整を基調とするのなら、レイン&シオンのプレイエリアの枚数によるカウンター増減は設定に則しているのか?とも思うわけです。実際追加ターン要素は変わらなかったレイン&シオンは上記の調整で、ちょっと弱いという位置付けの姫になってしまっています。
・・・あの、全然貶してるとかではないですよ!ただ、こういった最善手を踏んでいくゲームにおいてより重視して欲しいのはゲーム体験(強すぎて困る・弱すぎて困るを均す)だという事です。時間はかかってもいいから、ユーザーの腑に落ちる効果になってほしいですね。
もう少し補足すると、ハトクラは過去なんどもエラッタ(カードの調整)をしてきた経験があります。第二版ではそうならないように配慮をしていたんだと思うし感じるんですが、やっぱりいるからぼさんFlipFlopsさん含め少人数で強弱の調整は難しいのかなとも実感しました。
じゃあこういう時ってどうやって調整していけばいいのかも知っていないんですが、「マジックザギャザリング」の開発チームとかは、用紙に書いたプロキシを使ってテストプレイしてたりしますよね。
紙を使って調整しろとは言いませんが、パラメータをすぐにいじれるデバッグ用のデジタル環境があったりするんですかね?そういったところで少しずつ進めてもらえてたら、嬉しいですね。
そして、模範的消費者は設定等の多少の誤差は受け入れる心構えはできているはずです。ドンと大胆に調整に着手していただいて、強くて新しいオウカの誕生を心より待っています。
戦術を学ぶコンテンツを考える
戦術は広めてなんぼやねん
僕は昔、ハートオブクラウンPCの対戦で、今は出来なくなった借金カウンターを双子カウンターに変える戦術を目の当たりにしてひどく衝撃を受けました。しかし、現状正直ハトクラのプレイ人口は比較すると少なく濃ゆいので、セオリーや戦術も凝り固まってる気がします。
だから、人が増えれば今は発掘されていない新しい戦術が出てきたり、色々なプレイヤーが入り乱れる事でセオリーも崩れる可能性が十分にあると考えています。そうなると、自分のような人間は古参の玄人ぶることしか出来なくなりますが・・・。
そうなるため(プレイ人口が増える)には、いざ入ってきてくれたプレイヤーが難しくて辞めてしまう前に、簡単に強くなれる学びのコンテンツがあるといいのかな・・・?というのは前回の記事でお話ししました。そして今回は、「じゃあどういうコンテンツがあれば良いのか?」という疑問を解消できる案を持ってきました!
その鍵はさっきも出てきた「ゲームの世界観」です!
ストーリー進行×戦術の学び=最高。
ご存知の通り、ハトクラの世界観にはストーリーがあります。アナログ版を持っている人はわかると思いますが、姫の設定カードとかが付いてきますよね。ハートオブクラウンPCでも、各キャラクターのノベルストーリーを楽しむことができました。
この「豊富な設定」を活かし、学びと掛け合わせることで、より感情移入と愛着の湧くゲームシステムが生まれるのではないかと考えます。
具体的な案としては、「各姫を主人公として、マップ進行のような形で徐々に戦術を学んでいける章仕立てのコンテンツ」を提案します。
各姫を主人公とすることで、その章では1人のプリンセスしか擁立できない「半縛りプレイ」状態にします。そうすることで「その姫を活かすしかない戦術を考えなければならない」状態を作り出すことができます。もちろん、その学びの中で使われるサプライは、主人公にとって有利なサプライであることは前提です。
ただ、現状フルセットの試合って結構長い気がするので、1試合1試合がっつりやる必要もないと思います。そして本チャンの試合は設定上「次の王になる継承権争い」なので、ちょっとルールを変えて「山札をひとしきり回す」とか「特殊能力でカードをN枚買う」など、試合のスポット的な一面を達成条件として、サクッとプレイできるようにするとかも良い気がします。
例として、「レイン&シオンは行動カードをキープした後に追加ターンを使うと、100%中の100%のフルパワーで戦えるんだよ」というような学びをスポットで知って、よくよくは呪い場や開墾場でレイン&シオンを上手く使うフルセットの試合をやっていくというような形を妄想しました。
そして、このような学びの間に「ハートオブクラウンPC」にあったようなノベルストーリーを挟むことで、より設定を愛せるようなゲームになるんじゃないかと思います。前作ではストーリーをランダムに引いていくという形だったので、正直誰をも主人公に設定していない感があったんですが、主人公を誰!と断定して描いていくことで見える面白さもある気がします。
自分はクラムクラム擁立時、直轄地にセットされがちな見習い侍女とクラムクラムの関係とか、気になっちゃいます。クラみなてぇてぇ。
学び×試合中=WINWINで最高。
ストーリーと学びを掛け合わせることで相乗効果があるのは確かなんですが、結局は本番で最高のパフォーマンスが出せることが重要です。そこで思いついたもう一つの「学び」の案として、「スタッツに基づいた数値化された選択肢の表示」も定案します。
これは何かというと「遊戯王マスターデュエル」というアプリに似たような機能があります。カードの使用率や採用枚数など、統計から出された数値が試合中にちょくちょく出てくる機能です。
マスターデュエルをやったことがある人は、この機能を見て大体こう思ってます。「だから何だ?」と。
遊戯王ってゲーム前に構築したデッキを使うカードゲームだから、試合中に「増殖するGの平均採用枚数は2.93枚だ!」とか言われても仕方ないんですよね。それで勝敗が変わることもほぼありません。
しかし、ハートオブクラウンはどうでしょうか?ゲームシステム上、試合の中で山札を強化して戦っていくので、ゲーム中に最善手のヒントがあれば負け一直線になることも少なくなる気がする。
例えば、フラマリアを擁立した時、(今獲得できるカードの中で)統計上の上位3枚くらいがハイライトされたとしたら・・・「セオリーはこれらのカードなんだな」ということがすぐに判ります。そして、そういう表示ができるような統計情報も内部にあると思っています。
先ほどセオリーが凝り固まってるとも言いましたが、逆にレールが敷かれていなければ外れることもできません。セオリーを知ることによってワイルドなプレイも可能になるし、初心者の助けにもなるんじゃないかと思います。
そして何より、セオリーを示したスタッツを表示することで全員のプレイ速度も若干上がるんじゃないかとも思ってます。
やっぱりハトクラって待ちの時間がまだまだ多い気がしてます。相手が初心者かそうでないかを抜きにしても、その待ち時間にイライラしているプレイヤーも実際にいました。個人的にはそんな些事なことでピキってんじゃねぇよと言いたいですが、確かに相手ターンはちょっと暇だ。
効率のいい最善手を見えるようにすることは、間接的に思考時間を減らすことの助けになるハズです。それはシステム的な改善にとどまらず、ハートオブクラウンをプレイしている最中に楽しいと感じる時間も増やしてくれる気がしています。
さいごに
デジタルの可能性は既に示されていた
この記事の最初の方に紹介した、2019年の製作者に対するインタビュー記事の中で、以下のようなことも述べられていました。
今のところ、アナログ版の販売は極東辺境領で止まっています。前作のハートオブクラウンPCも北限の魔女までで止まっています。アナログとデジタルの並行の難しさもさることながら、コロナ禍での状況の変化もあると感じます。
その現状と「第二版はエラッタが出ないように配慮しているように感じる」という予測を組み合わせると、「デジタルで調整してからアナログ版を出せる」という状況を容易に想像できます。
ただ、こういう調整をユーザーにやらせることって「有料デバッガー」という風に揶揄されることの方が多いです。しかし、それ以上に自分はハートオブクラウンが長く続いて欲しいと思う気持ちの方が強いです。せっかく面白いんだから、みんなでもっと面白くしていけばいいじゃない。僕はアナスタシアもエルルーンもエムシエレもルウェリーも、まだ見ぬあの子も見てみたいぜ。
そうなれるように、模範的消費者としていられるように今日もまたランクマに潜り、ブログの筆を走らせるのです。公式生放送もちゃんと見ようね!
PS.あとひとつ出来ること!
完全にゲームからは逸れるんですが。自分、実は少しだけ絵を描くことも好きなんです。でもまだハトクラのイラストを仕上げたことが一度も無かった!
なんか年末くらいまでに1枚くらいは仕上げてみたいなと思いました。二次創作もコンテンツの盛り上がりを補助してくれると思うし!もっとカッコよく世界観に則したイラストが描けるといいな。
ここまで読んでくれてありがとう、おわり。