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めんどくさいを乗り越えた先にある「充実感」

役員を務めている町内会での「夏祭り」、PTA会長を務めている高校での「文化祭」、「体育祭」と、3週連続で地域イベントがありました。

まず8月末の町内会夏祭り。長年やっているイベントですが、コロナ禍で3年間実施できておらず、昨年度4年ぶりに開催。過去の知見も継承されない中での再スタートであり、今年が実質的に2度目の開催という状況でした。
去年の経験を活かしつつも、当日にうまく運営できるのか、行事部長を仰せつかっている自分としては不安を感じながら準備にあたっていました。
ところが、、、台風10号が週末にかけて接近。特に準備日としていた前日の金曜日は暴風雨が100%予想されていたことから、あえなく木曜の段階で中止を決定しました。
残念に思いつつも、不安を抱えていた身としては正直なところホッとしたところもありました。
延期や規模を縮小しての開催などの案も採り得たのですが、役員の中でも中止を推す声が大半だったことに加え、1週間延期すると高校の文化祭と重なってしまい自分自身が対応できないこともあり、様々なことを調整することがめんどくさいという気持ちが先に出て、延期よりも中止を選択してしまいました。

一方、その翌週に行われた高校の文化祭、翌々週の体育祭では、同じように不安を抱えながらPTAとしての取組みを行いましたが、やり切った後の充実感は半端ないものがありました。
特に体育祭、、、例年、生徒たちは炎天下の中で競技を行いますが、高校には十分な数の日除けテントがないことから、他学年の競技中も生徒は直射日光を浴び続けています(本部と保護者のみテントあり)。
9月に入ってもこの日差し、、、熱中症リスクはもちろんですが、多くの女子高生にとって日焼けは天敵そのものです。
そんなリスクに対し、ある保護者から「近隣の小中学校からテントを借りたら良いのでは?」との声が上がりました。
これまでそのようなことはやったことがないですし、そもそもその発想すらなかった僕としては、何からどうしたら良いか分かりません。ですが、それがもしできたら、、、考えれば考えるほど、やってみたくなってしまいました笑

24クラス、960名ほどの生徒を日差しから守るために必要なテントは3m×3mのサイズで30張りほどです。
それだけのテントを近隣から借りることが出来るのか、借りられたとして運搬や設置は誰がやるのか。。。
しかもアイデアが出てから体育祭本番までたった3週間しか有りません。
やらなければならないことは多数あり、正直なところ「めんどくさい」という気持ちが何度も浮かびました。
しかし、せっかくもらった素晴らしいアイデアを動くことなくそのままにしては、アイデアをくれた人に申し訳ないですし、何よりも炎天下で体育祭に臨む生徒たちにとても顔向け出来ません。

迷っている時間ももったいないので、まずは保護者にメールで協力を求めてみました。
近隣から借りられるツテがある人、前日・当日の運搬や設営、撤去に協力してくれる人。
すると、ご自身が学校の先生という方や、近隣小学校のPTA会長をなさっている方、地元で顔の広い方、、、「どこどこで借りられました」という声が次々と上がり、1週間で計5箇所から40張りのテントの借用が決まります。
また、設営等に協力いただける保護者も30名ほど集まりました。

その情報を元に、高校に相談に行き承諾をいただき実行が決定しました。
後になって冷静に考えると、高校も新たなことを実施するにあたり、様々なリスクを抱えることになりますが、生徒のためによくご判断いただけたと思います。
いくらPTAが責任を取ると言っても、いざ何かトラブルが起きたら学校も無責任ではいられなくなりますからね。。

さて、無事にテントと人手は確保できましたが、運搬や設営は本当にうまく行くのか、、、ケガや破損、事故を起こすリスクもはらんでいます。
トラックの運転は大丈夫か、風が強かったらどうしよう、作業中に熱中症になってしまう保護者が出たら、、、
本番が近付くにつれて不安な気持ちがどんどん増していきました。

結果、生徒たちも力を貸してくれて、保護者の方々も皆さん協力的に活動してくださり、トラブルなく40張りという多くのテントを1時間足らずで設営することができました。
当日は9月中旬にも関わらず33度という猛暑でしたが、体調不良の生徒もほぼ出すことなく、競技も予定通り実施されました。
先生方、生徒たち、そして保護者からも多くの感謝をいただきました。
こんなに多くの人に感謝されたことは生まれて初めてです笑

でも一番嬉しかったのは、一緒に作業してくださった保護者の方々が、やり切った後にとても充実した表情をしていたことです。
多くの方から「また何かあったらぜひ協力させてください」とおっしゃってくださいました。
初めてのことに、お互いに不安を抱えながらも協力しあって乗り越え、さらにやったことが真に他者に喜ばれるという経験は、日常ではなかなか味わえないことだと思います。
生徒のために保護者が力を発揮する、というPTAの存在価値も多少は示せた気がします。
町内会の夏祭りに際して「めんどくさい」と思ってチャレンジしなかったことは、体育祭での経験を通じてより大きな後悔となりました。
来年こそは転んでもただでは起きない夏祭りを実現したいと思います。

この夏の経験により、目先の感情に流されることなく、むしろ「めんどくさい」を乗り越えてこそ心からの「充実感」が得られるということを実感しました。
そしてその充実感は、同じ気持ちの多くの仲間がいることでより強まりました。
アイデアをくださった保護者の方、それを僕に伝えてくれたPTA役員の方、テント借用にあちこちに働きかけてくださった方、自宅のテント提供を申し出てくださった方、設営や撤去に協力してくださった方、体育祭当日に残って手伝ってくださった方、、、まさにチームとしての成果であり、誰か一人が抜けても実現し得なかったことだと思います。

仕事においても、めんどくさいと思ってしまうことは多々あり、ついついそのめんどくささから逃げてしまうことがありますが、逃げずにチャレンジすることにより、仲間を呼び寄せ、結果として自分と仲間の充実感に繋がる、そしてその積み重ねが豊かな人生を送るということなのだろうなと思います。
めんどくさいと思うことがあったら、それはチャンスなのだと前向きに捉えてこれからの人生を生きていきたいと思います。

※イラストはChatGPTに描いてもらいました。

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