見出し画像

Tokyo2020オリンピック セルフポートレート③

Season1 〜Awayからのスタート〜

Episode2:

7月23日リハーサル2日目。

この日は7時入りで、開幕初日の第一試合時間の9時に合わせ、
選手入場、エキシビションマッチ、そして午後に表彰式のリハーサル予定。

ここである事に気づく。

日本語を統括する人がいなく言葉を扱う責任は重大。
各国出場選手の日本語明記のものはなく、予めネットで調べたもののみ。
やっと各国選手の背番号と詳細が前日にして日本語サイトに出て来たので、
日本人スタッフが急遽毎試合の選手リストの作成を引き受けてくれました。

しかしそれも束の間、毎試合両チームの国旗の入場と国歌があり、
ROCロシアオリンピック委員会は国旗ではないのでどう呼ぶのか?
国歌でなくチャイコフスキーの曲の演奏である為どう表現するのか、
確認に確認を重ね試合当日に頂いた答えは、

国旗→「ロシアオリンピック委員会旗」

国歌→「ロシアオリンピック委員会賛歌」とシンプルに落ち着きました。

さて、リハではエキシビションマッチがはじまり、

英語のアナウンスの後にゴールを決めた選手を日本語でアナウンスし、
時々前の英語に引っ張られて英語でもアナウンスしてしまい、考えれば考えるほど空回りする状態。
会場のスクリーンにはスピードガンなど色々と情報が出てるけど、そんな観る余裕もなし。

その時コンビを組んでいたDaveがシュートした選手の背番号と名前を間違え、
そこで思わず間髪を入れずに、「Correction, that was player’s #10 〇〇」と、コールした所、

モーリー「Hey Kaz そう言う事だよ。そのタイミング忘れるな! ビール持ってくるからもっとやって。」

「Thank you. じゃあ得点事にビールお願いします。」

デイブ「どんだけ飲むんだよ。喋れなくなるぞ。」

マーカス「俺もビール、そうすれば日本語も喋れるようになる。」

モーリー「いいか考えるな、感じろ、テーマはEnjoy Handballだ!」

ベストキットかよ!と心の中でツッコミをいれながらインカムでの談笑があり、
また少しお互いの壁が無くなってきたように感じた瞬間でした。

エキシビジョンマッチが終了。

デイブに「何回か選手と番号間違えていたよ。」と伝えると、
誰もが「気にするなリハーサルだから。」と気楽に答える。

開幕に向け少し安心したのも束の間、
本番ではこの言葉とは裏腹に彼らのプロフェッショナルな姿勢と向き合う事になる。
マーカスとは大会前半から中盤までご一緒させてもらう事が多く色々と教えてもらい、
デイブとは大会の中盤から締めまでがっつりコンビを組み、楽屋でも本番でも色々と積み上げる事になります。

このタイプの違う二人と共演出来た事は私の宝になる事は、まだこの段階では予想も出来ませんでした。

そして、最終リハーサルは表彰式のリハを残して終了。
モーリー「皆早く帰って休め。」と言い残し現場をあとにした。
日本人メンバー誰もが、まだ11時30分のお昼前と思い、誰が表彰式をアナウンスするのかも判らず終い。

この後、、
トライアンドエラーを重ね、まさか私が最終的にアリーナを先導し、演出を変えて行くとは思いもよらず、
このチームが控え室でも現場でも一丸となり表彰式を迎える事になります。
いよいよ競技開幕、いざ本番へ!

次回からSeason2 予選 〜トライ アンド エラー のRoad〜 がスローオフ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?