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へんしんがんぼう

少年になりたい。
誰もがふりかえる、うつくしい少年に。
まばたきすると、消えてしまうような
一瞬しかない時を生きる
儚い彼のように。

すべてのひとのこどものころは愛らしい。
けれど すべてのひとの若きころがうつくしくあることはない。

だからこそ なりたかったのだ、うつくしい少年に。
たとえ 過去に戻れても
なれないものだと わかっている。
どうしようもなく、ただ 焦がれている。
平凡なわたしの変身願望。



推しの少年時代を見たのと、

稲垣足穂の「A感覚とV感覚」を思い出した

まして人間社会にあって、若くしてしなやかなるもの、即ち、まことに束の間の話ではあるが、永遠的薄明とも喩えたい状態におかれた美少年をもって、プラトン派やスーフイ派が〈美しき理想ボウイデアル〉としたのは、頷かれることです。ですから、美少年はあっても美少女はない。

稲垣足穂『一千一秒物語』p.402

からこんな文ができました……。
稲垣足穂はまだまだわたしにはむずかしい。