鳥取旅行記
鳥取県に行きました。
正月休みも終わるということで、どこか旅行にでもと思ったんですが、遠くに行くほどの気力はなかったため、お隣の県へ。
島根県民は意外と鳥取市には行かないんですよね。
隣接する米子市には頻繁に行くくせに。
おそらくですが、鳥取県内において米子市は、裏切り者的な扱いがあるんじゃないかと思います。
ほぼ島根でしょ、みたいな。
予約した高速バスで2時間ちょいで着きました。
余談ですが、早朝の高速バスっていいですよね。
まだ暗いうちから眠い目を擦りながら発車を迎え、人気のない街を抜けて高速に入ると、山々の合間が徐々に赤みを帯びてくるんです。
僕がイヤホンで聴くBGMはこれです。
浮遊感。
この時点で僕の旅は既にピークを迎えているといってもいいですね。
冬の朝の冷たい風と、運転手さんのロートーンのボイスでお送りするちょっと何言ってるかわかりずらいアナウンス。
最高です。もう帰ってもいい。
で、鳥取駅に着いたわけです。
逆光すごい。
駅構内もまさに「まばら」という感じです。
因みに里帰りっぽい若い女性が、改札前で待っていた母親らしき人物に「今日人多いね」と言っていました。
ディスっているわけじゃないんです。
島根も大概です。
まずは因幡国一宮の宇倍神社へ初詣に向かうことにします。
ここで何を思ったか、徒歩で行くことに。
特に寄れそうなところもなく歩くこと1時間。
到着です。
途中徒歩で向かっている人間は僕以外只の一人もいなかったように思いますが、駐車場は割と混んでいました。
なんかよかったです。
語彙力がないのでそれしか言えません。
でも逆にこういう所で考えすぎるのもどうなのかなって思うので、感覚でいいじゃないですか。新年だし。
帰りは流石にバスを使いました。
普段バスに乗らないので、少しだけ緊張します。
バスって地域でルール違ったりするじゃないですか。
駅に戻り昼食をとることに。
大通りに面したお店は混んでおり、今日は予約でいっぱいだと断られている団体さんを横目に、僕はひっそりとした喫茶店へ。
ガラスのショウウィンドウにパフェなんかの食品サンプルが飾られている、昔ながらの雰囲気のお店です。
席につき頼んだのは、表のメニューで推されていた特性のカレーライス。
一番上の画像がそれです。
分かりやすく言えば、肉と玉ねぎだけフライパンで焼き、業務用のカレールウを混ぜたみたいなそんな味です。
まぁ、お腹が空いていればなんでも美味しいんですけどね。
午後は書店へ。
ふらっと入った書店でしたが、お店の色が出た愛のある書店で驚きました。
以前から欲しかった本が何冊かあったので買い、近くの川沿いのベンチへ。
膝の痛みもあり、じっくり読むこと3時間。
僕のことを知っている人が誰もいない街だからできる贅沢。
肌寒くなってきたので、ホテルへチェックインします。
今日は人が少ないので、いいお部屋にしておきましたと案内されたのはシングルベッドが二つ並んだいいお部屋。
夜7時ごろまで仮眠をとり、夜の街へ。
謎の意地が口コミサイトに頼ることを許さず、30分程歩き回った挙句六感に任せて入ったのは、「どなたでもお気軽に」と達筆で書かれた暖簾の掛かる小さな小料理屋。
カウンターのみの店内では、L字の奥に常連さんらしき人物が一人。
「いらっしゃい」
一言そう呟いた強面の亭主はそれ以上何かを話す気はないらしく、響くのは店内に2か所設置されたテレビから流れるNHKのニュース。
不謹慎な話題に声を殺し気味に失笑する常連さんと大将。
「とりあえず生を下さい。」
怯えた小鳥のようにそう囀ると、すれ違いざまに出される突き出し。
朝とは違う浮遊感を感じ黙々と食べていると、もう一人男性が入ってきました。
「大将、今年もよろしくお願いします!」
囲まれた。
これはしょうがないと酔いに任せ、あとから入って来たお客さんに話しかける。
他愛のない話を経て、地酒の話になると大将も乗ってくる。
腹ごしらえと事なきを得た僕は、次に地元のバーを紹介してもらうことに。
入ってきた時とは打って変わったテンションで送り出される僕。
この達成感に勝る酒の肴はないと思いながら、スマホのマップで紹介されたバーへ向かう。
緊張感出すためにちょっと文体変えました。
知らなければ通り過ぎてしまいそうな、小さな扉のバーでした。
中に入ると今度はお客は僕一人。
奥から出てきたマスターらしき人が素敵な笑顔で「こんばんは。」と挨拶をしてくれます。
お客の好みや状態をそれとなく聞き出し、満足の一杯を作ってくれます。
語尾に「~でございます。」と付けて話す姿に全く嫌味がない、まさしくプロフェッショナル。
因みに、こちらのお店で珍しいウイスキーを飲ませていただいたのですが、ボトルを写真に撮ったところ、後から「撮られる前に一言いただけると有難いです。」とお叱りを受けたので、その時の写真は載せません。
その通りだなと思ったので。
地元で飲んでいると、マスターとも顔なじみになっているからか、そういうことって言ってもらえなくなるんですよね。
バーって大人を育てる場所です。
そして最後、そのマスター紹介していただいたバーへ。
こちらは割と新しめのバーで、バーテンさんも若い方でした。
といっても同世代くらいでしょうが。
正直この時点ですでに10杯弱チャンポンしていたので、あまり覚えていません。
でもなんかすごく楽しかった気がします。
それがすべて。
それがお酒。
でももし僕がこの付近に住んでいたら、このお店通っちゃうだろうなって思ったのは覚えています。
そんでホテルに帰ってぐっすり寝て、明朝のバスに乗って帰りました。
おわり。
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