見出し画像

否定のモチーフ

鏡を介して目と目が合い、自分とじっくり対峙して描くことができるからだ、というような理由で自画像を描いたことは僕はなかった。ただモチーフによって対峙する姿勢がなぜか違うのはわかっていた。
すべての対象は否定するためのモチーフだ。絵で自分の見たものを肯定しようと思ってはいけない。絵は否定するためにとても効果的な機能を持った方法だ。
だから、しばらく絵を描かず魂が堕ちていて、自然的な美しさやその情性に同調し始めている時に、絵を描けば一発で魂が高みに昇る。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?