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ウェブブラウザで動作するCADアプリ「CADmium」

Cadmium入門:線形メモリでx86アセンブリを始めよう

こんにちは、皆さん!今回は、Matt Ferraro氏が開発したCadmiumという新しいアセンブリ言語ツールについて紹介します。Cadmiumは、線形メモリモデルを使用してx86アセンブリを書くことができるツールで、特にWebAssembly(WASM)への移行を視野に入れた開発者にとって有用です。

Cadmiumとは?

従来のx86アセンブリは、セグメント化されたメモリモデルを使用しています。これは柔軟性がある一方で、コードの可搬性や理解のしやすさにおいて制約となる場合があります。Cadmiumは、この問題を解決するために線形メモリモデルを導入し、より直感的で管理しやすい形でアセンブリコードを書くことを可能にします。

なぜCadmiumを使うのか?

  • 簡素化されたメモリ管理:線形メモリモデルにより、複雑なセグメントやオフセットを気にする必要がなくなります。

  • WebAssemblyとの親和性:WASMは線形メモリモデルを使用しているため、Cadmiumで書かれたコードはWASMへの移行が容易です。

  • 学習コストの低減:従来のx86アセンブリよりも理解しやすく、初心者にも優しい設計となっています。

Cadmiumの始め方

1. ツールのインストール

まず、Cadmiumのリポジトリからツールをダウンロードします。GitHubからクローンするか、バイナリを直接ダウンロードしてください。

git clone https://github.com/yourusername/cadmium.git

2. 環境のセットアップ

CadmiumはPythonで書かれているため、Pythonの環境が必要です。必要なパッケージをインストールします。

cd cadmium
pip install -r requirements.txt

3. 最初のプログラムを書いてみる

`hello.cdm`というファイルを作成し、以下のコードを入力します。

section .text
    global _start

_start:
    mov eax, 1        ; システムコール番号(sys_exit)
    mov ebx, 0        ; ステータスコード
    int 0x80          ; カーネルに制御を渡す

4. コンパイルと実行

Cadmiumコンパイラを使用して、アセンブリコードをバイナリにコンパイルします。

python cadmium.py hello.cdm -o hello

コンパイルが成功すると、実行可能な`hello`ファイルが生成されます。これを実行します。

./hello

このプログラムは何も表示しませんが、正常に終了します。

Cadmiumの主な機能

線形メモリモデル

Cadmiumでは、メモリが一続きのバイト列として扱われます。これにより、ポインタ演算やメモリアクセスがシンプルになります。

シンプルなシンタックス

従来のアセンブリ言語の複雑なシンタックスを排除し、必要最小限のキーワードと命令でコードを書くことができます。

拡張性

Cadmiumはオープンソースであり、必要に応じて自分で機能を拡張することが可能です。

まとめ

Cadmiumは、線形メモリモデルを採用した新しいx86アセンブリ言語ツールで、特にWebAssemblyとの互換性を重視しています。従来のアセンブリ言語に比べて学習しやすく、効率的にコードを書くことができます。ぜひ一度試してみてください。

参考資料


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