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ウェブブラウザで動作するCADアプリ「CADmium」
Cadmium入門:線形メモリでx86アセンブリを始めよう
こんにちは、皆さん!今回は、Matt Ferraro氏が開発したCadmiumという新しいアセンブリ言語ツールについて紹介します。Cadmiumは、線形メモリモデルを使用してx86アセンブリを書くことができるツールで、特にWebAssembly(WASM)への移行を視野に入れた開発者にとって有用です。
![](https://assets.st-note.com/img/1731292105-2RAMkQFo0rWjy1z3bISDqThf.png)
Cadmiumとは?
従来のx86アセンブリは、セグメント化されたメモリモデルを使用しています。これは柔軟性がある一方で、コードの可搬性や理解のしやすさにおいて制約となる場合があります。Cadmiumは、この問題を解決するために線形メモリモデルを導入し、より直感的で管理しやすい形でアセンブリコードを書くことを可能にします。
なぜCadmiumを使うのか?
簡素化されたメモリ管理:線形メモリモデルにより、複雑なセグメントやオフセットを気にする必要がなくなります。
WebAssemblyとの親和性:WASMは線形メモリモデルを使用しているため、Cadmiumで書かれたコードはWASMへの移行が容易です。
学習コストの低減:従来のx86アセンブリよりも理解しやすく、初心者にも優しい設計となっています。
Cadmiumの始め方
1. ツールのインストール
まず、Cadmiumのリポジトリからツールをダウンロードします。GitHubからクローンするか、バイナリを直接ダウンロードしてください。
git clone https://github.com/yourusername/cadmium.git
2. 環境のセットアップ
CadmiumはPythonで書かれているため、Pythonの環境が必要です。必要なパッケージをインストールします。
cd cadmium
pip install -r requirements.txt
3. 最初のプログラムを書いてみる
`hello.cdm`というファイルを作成し、以下のコードを入力します。
section .text
global _start
_start:
mov eax, 1 ; システムコール番号(sys_exit)
mov ebx, 0 ; ステータスコード
int 0x80 ; カーネルに制御を渡す
4. コンパイルと実行
Cadmiumコンパイラを使用して、アセンブリコードをバイナリにコンパイルします。
python cadmium.py hello.cdm -o hello
コンパイルが成功すると、実行可能な`hello`ファイルが生成されます。これを実行します。
./hello
このプログラムは何も表示しませんが、正常に終了します。
![](https://assets.st-note.com/img/1731292209-7eDF0xE4onhtJwQHuapBlPKy.png)
Cadmiumの主な機能
線形メモリモデル
Cadmiumでは、メモリが一続きのバイト列として扱われます。これにより、ポインタ演算やメモリアクセスがシンプルになります。
シンプルなシンタックス
従来のアセンブリ言語の複雑なシンタックスを排除し、必要最小限のキーワードと命令でコードを書くことができます。
拡張性
Cadmiumはオープンソースであり、必要に応じて自分で機能を拡張することが可能です。
まとめ
Cadmiumは、線形メモリモデルを採用した新しいx86アセンブリ言語ツールで、特にWebAssemblyとの互換性を重視しています。従来のアセンブリ言語に比べて学習しやすく、効率的にコードを書くことができます。ぜひ一度試してみてください。
参考資料
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