甲子園という夢の一区切り
今日、春に続き今年の夏の甲子園中止が発表された。
すでにインターハイの中止は決まっていたが、甲子園もとなると
何にも知らない私さえ、「可哀そうだな...」とついつい思ってしまう。
私の通っていた高校は、公立ながらそこそこの野球の強豪校だった。
毎日朝は私が登校する前から、
日が暮れるまで練習していて、テスト期間くらいしか明るいうちに帰る姿を見たことがない。
本当に毎日、土日も練習していた。
グラウンドに対して、部員が多すぎるので、
高校の周りを走る姿を何度も見た。
マネージャーは、部員のためにいつも汗水流していた。
試合の応援にも行ったことがあるが、
しかし在学中に、甲子園に出れるということはまさかなかった。
甲子園に出れるのは本当に一握りの人だけなのだと、負けてしまった時に私も実感した。
「夏の甲子園」って何が人を惹きつけるんだろう。
春の選抜ともなんとなく格が違う。
私は野球の経験がないので、想像でしかものが言えないのだけど、
たぶん高校球児の誰もが小さい頃から甲子園を夢見て一生懸命練習してる。
そんな夢見てきた舞台が中止って言われるなんてどういう気分なんだろう。
正直、「甲子園に行きたい」だなんて誰でも思うことはできるし、
目指すこともできる。
だけど、本当に行くことはできるのは、ほんの一部しかいない。
思っていた人のほとんどは、地方大会で負けることになる。
それがわかってても、野球人生の一区切りとして、「負ける」っていうことが必要なんじゃないかな。
挑戦もせずに、「今日で引退です」なんて言われたところで、諦められるわけがない。
こんなことなんの救いにもならないのかもしれないが、
本気で甲子園を目指してきた高校球児に
せめて、
「野球を全力でやりきった!」と
胸を張れる区切りがあることを願う。