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中学校ストレス社会

中学校を訪れる。授業風景も見る。生徒の姿勢が気になる。以下、気になっていることを述べる。
①背もたれに寄りかかり、脚を放り投げている。
②脚を組んで貧乏ゆすりをしている。
③机に伏して寝ている。
④爪の周りの皮膚をむしっている。
⑤ノートの余白に絵を描いている。
⑥腕の産毛を抜いている。

これらの姿から何が言えるのだろう。

中学校の授業がつまらないのかもしれない。スマホやYouTubeのない時代は英語の授業を聴かないと損だというイメージがあった。が、中学校の先生の授業を聴かなくとも、他の方法で学ぶ機会がたくさんある。今風な言葉で言えば、学習の多様性を選べる時代なのである。学校に行きたくなければ、行かないという選択肢もあることをコロナを乗り切った親たちは感じ始めている。かくして、不登校のハードルはに低くなり、不登校児童生徒数は34万人を超えた。これを憂慮する向きもあるが、学びの選択肢を選ぶ時代に突入した、と見る識者もいる。こういう私も、「多様性の波が押し寄せている」と感じる。

狭い教室に35人ほどが座って、先生の講義を聴くことに苦痛を感じる生徒もいるだろう。よほどの噺家的技と魅力的な知識技能を提示しない限り、寝ている子を起こすことはできない。

そうは言っても、上の中学生の態度にも問題はある。

①椅子に浅く座り腰を立てることができない生徒が少なくない。体幹が出来ていない。いや、体幹が育つような生活をしていない可能性が高い。
②イライラを収めるために脚を揺すっているのだろうか。
③夜遅くまでゲームをしているのだろう。昼夜逆転しているのかもしれない。
④皮膚をむしる。毛を抜く。これはストレスを安全に処理できないままの状態で登校している可能性が高い。ストレス閾値を超えればリストカットにつながるかもしれない。

このように見立ててみると、現代の中学生がいかに苦戦しているかが見えてくる。

朝ごはんをちゃんと食べて登校しているのだろうか。気になって仕方がない。そう思って、養護の先生に尋ねた。

「朝ごはんを食べてこない子供が少なくありません。そういう子供ほど、保健室に来て身体症状を訴えます。」

朝ごはんを楽しんていられないほど苦しんでいるのだ。

睡眠や朝ごはんを犠牲にして、何をしたいのだろう。そう思って、私は少し暗い気持ちになった。



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フンボルト
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