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Aプロデューサーを庇うフジTV局
1 Aプロデューサーのコンプライアンス違反
コンプライアンスとは、社内法令・規則を守ればいいというだけのものではない。倫理道徳・公序良俗に自ら従って業務を公正に行うことである。が、同プロデューサーには、このコンプライアンス感覚・意識が欠如していた。どうしてか。フジテレビ局には、法律規則に違反しないことがコンプライアンスぐらいにしか思っていない社風だったからである。50過ぎのAプロデューサーの素行の悪さは社内でも有名であったにもかかわらず、彼のパワハラ・セクハラを中心としたコンプライアンス違反を誰一人として注意する者はいなかった。さらに言えば、Aプロデューサーを直接に監督する上司は監督責任を放棄していたと言っていい。
2 Aプロデューサー上司の監督責任
①女性アナウンサーを上司の許可なく中居マンション私邸に、「中居さんと会食して損することは、ないから」と誘い出していることを監督者は黙認していたのか。
②Aプロデューサーの上司は、アナウンサー業務の職務範囲を文書及び口頭でAプロデューサーに告げ、コンプライアンス違反がないよう研修を義務づけていたか。
③タレントの私的要請を受ける際の社内規則は作られていたか。
④男性タレントの私的要請には、性的搾取を狙った意図がある場合があることを社内研修で周知していたか。
⑤タレントに性上納と疑われる事例について事例検討会型研修を行っていたか。
⑥コンプライアンス(倫理・道徳・公共性を含む概念及びセンス)とは何かについて、外部専門家による悉皆研修を行っていたか。
⑦人権意識を高める研修を行っていたか。
監督者が以上の7点を放棄し、ないしは等閑に付していたではないか。いや、フジテレビ局の伝統的社風として昭和パワハラ・セクハラ体質が組織の隅々まで蔓延し、コンプライアンスという名前だけで、米俵のように積み上げられていたのではないか。中身のない米俵は萎みカビが生えていたのではないか。
3 Aプロデューサーと港社長
港社長は、「女性に刺激を与えるのではないかと思い、中居氏を使い続けました。」と弁明した。また、中居担当Aプロデューサーも引き続き担当させたのである。自社社員が性被害を受ける事件であるにもかかわらず、コンプライアンス部署にAプロデューサーへの聞き取り調査を命じていないのである。つまり、港社長は、自社社員の性被害よりも、中居正広氏のテレビ出演を優先したということである。これを優先することが、被害者を絶望の淵に落とす刺激行為であるとは微塵も思わなかったようである。加害者・中居正広がテレビに平然と出ている(隠蔽が成功して1年半も出演させていた)ことを知った被害者X子さんは心的外傷ストレス障害に陥って様々な身体症状が出ていたに違いない。いや、中居放映によりPTSDが悪化していたと見るのが常識的な見方である。が、港社長は2回目やり直し会見で、繰り返し「女性への刺激になってはいけない」と思って、放映を続けたと苦しい言い訳をしたのだった。
これを見たトヨタをはじめとしたスポンサーは、怒りを超えて呆れ返ったに違いない。
4 処分をしなかった港社長
Aプロデューサーのコンプライアンス違反がありながら、それに目をつぶり、処分をしなかったのはなぜか。悪しき昭和スタイルのパワハラ・セクハラがフジテレビの組織の隅々に蔓延していたからである。Aプロデューサーを監督する上司は監督を怠っていた。いや、怠っていたという感覚さえなかった。アナウンサー室佐々木恭子氏の被害女性に対する「Aプロデューサーにチクっていないからね。」と言う言葉の暴力、かつコンプライアンス部への通報をしないで、事件をもみ消そうとした初期対応の杜撰さ。これら見れば、このフジテレビという会社には、本来の意味でのコンプライアンスはないのである。コンプライアンスとは、コンプライアンス部署に通報すればそれでいいというものではない。社員一人一人が日ごろから人権意識を高め合う人間関係になってるかが問われる。フジテレビ局の人間関係は上の者が下の者を利用し、時に虐待するという関係にあったのではないか。
「Aプロデューサーにチクっていないから」
なんと薄汚い言葉であろう。言葉は、その組織に伝染し、組織を腐らせるのである。
5 適切に処分しなければ、組織は腐敗する。
Aプロデューサーは、現在、人事部付きになっている。つまり、異動である。服務違反処分はしていない。このことから、Aプロデューサー、佐々木恭子次長に対する処分がないのは、港社長以下取締役のガバナンスが機能していないことを意味している。どうして機能しないのか。理由は明白である。港社長自身がコンプライアンス感覚、コンプライアンス意識を身に付けていない人であるからだ。
港社長が、Aプロデューサーを庇う所以である。
参考資料
①2025年1月27日フジテレビやり直し会見10時間半
②男女平等機会均等法
③コンプライアンスの定義(フンボルト版)
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![フンボルト](https://assets.st-note.com/poc-image/manual/preset_user_image/production/i31e351503487.jpg?width=600&crop=1:1,smart)