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フランスパンは怖い

ずっと昔、ストラスブールを旅した。早朝からパン屋は開いていでて、香りを振りまいていた。。ホテルのフランスパンも焼き立てで香りがよかった。

旅から戻り、サンメリーのフランスパンを買って食べた。味がまったく違う。そりゃそうだろう。フランスは農業国で、小麦自給率100%なのである。対して日本の小麦はアメリカから運ばれてきたものが殆んどだ。

本場フランス小麦を使っているパン屋は皆無である。どうしてか。政治的理由とアメリカ小麦が安いからだ。

ある日、そのサンメリーのパンを焼かずに食べた時、上前歯1番右が折れた。音はしないで、異物のようなものが口の入口に残った。この時のショックはパニックに近かった。早速、近くの歯医者に診てもらった。

「残念ですが繋がりません。フランスパンは硬くて粘着力があるから骨折事故が少なくないのです。」

歯医者の言葉を聞きながら、フランスパンが憎らしくなった。

治療を重ねている。差し歯のための基礎の型どりが終わったので、来年1月中旬には差し歯が嵌められる。それまではプラスチック仮歯が嵌っている。

「差し歯はプラスチックとセラミックがあります。プラスチックは保険がききますが、セラミックは保険がききません。セラミックだと10万円ほどです。」

セラミックを選んだ。プラスチックを口の中に入れたくなかったからだ。

差し歯がはまっても、ゆめゆめフランスパンを食べてはならない。そう誓っている。

注 フランスパンを食べている時の前歯にかかる力は30キログラムの重い力である。粘着力が強ければば、40キロを超える。フランス人は、焼いて小さく切ってから食べる人が多いそうだ。

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フンボルト
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