ギンナンご飯にしようかしら
朝6時前、朝焼けがバラ色から橙に変わろうとしていた。それを横目に自転車を走らせる。公園のど真ん中を突っ切り、銀杏の大木をめがける。その大木が見えたかと思うと、そのすぐ側に小袋をもった男の人が腰をかがめている。
(あっ、やられた。)
と心の中でつぶやきながら、ペダルの回転を上げた。
銀杏の大木の裾周辺から、ギンナンの実を潰したあの独特な人糞のような匂いが立ち込める。自転車を停めると、少しい急いで3本の大木の裾を歩きながら探した。
先客のおじさんは、既に2袋ギンナンを集めていた。ビニル袋はパンパンに膨れている。
私は、残り物を探しながら、諦めることなく歩いた。腰をかがめながらギンナンをつまみ上げるので、腰痛持ちの私にはこたえる。20分ほど集めただろうか、立ち上がって振り向くと、先客は消えていた。
自転車を踵返しをして、自宅に急ぐ。早速、ギンナン実の皮から押し出して、白い実を取り出す。50個ほど取り出しただろうか。それを、ステンレスザルに入れて水洗いする。外水栓の水は、かなり冷たい。
水切りをして天日干しにする。
明日はギンナンご飯にしようかしら。