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長所と短所

中学生の時のことです。先生から、「長所と短所を含めて自己紹介を書きなさい。」と言われ、画用紙半裁を見つめていました。当時、長所は優れているところ、短所は劣っているところ、と言い換えていました。しかも、短所は何とか修正すべきものと思っていましたから、それを書く時、躊躇したものです。

時々、親や先生から褒められると、これが長所かもしれない、と思ったものです。しばしば注意を受けると、その注意を受けたことから、「俺は無鉄砲なんだな」と自己評価したものです。

あらゆるものには正と負があり、長所を正とすれば短所は負になります。行動的と言えば、長所の感じがします。が、無鉄砲と言えば短所の感じがするでしょう。ある時は正になり、ある時は負に反転する。ですから、長所は短所の裏返しかもしれないし、短所は長所の裏返しかもしれません。

長所を褒められたからと言って、有頂天になってはいけません。と言って、短所を指摘されたからと言って落ち込むこともありません。

他者からの評価は気にしないわけではありませんが、気にしすぎると、自己評価が歪んでくるかもしれません。褒められれば自己肯定感が上がるという人がいます。そういう人は、貶されれば自己肯定感が下がることになりそうです。他者の評価を参考にしながらも、自己評価は自分でするという自分軸をもっていた方がいいように思います。

私は、無鉄砲な自分が好きです。新奇追求性が高い感じがするからです。もちろん、石橋を叩いて渡った方が良かった、と反省することもしばしばあります。が、「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。」と漱石風に笑ってみると、そんな自分が好きになります。

自己肯定感とは、誰からも褒められもせず、拍手もされず、されど自分のことが丸ごと好きだ、ということではないでしょうか。

高校のH先生は言いました。「君の短所は面白いね。その短所も好きですよ。」と。

この先生の言葉を忘れません。


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フンボルト
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