兵庫県議会百条委秘密会の危険性
百条委は、出来るだけ速やかに調査を行い、県民に正確な情報を提供するために開くのである。したがって、原則公開である。
裁判に秘密会はあるのだろうか。ない。
裁判所には必ず傍聴席が用意されている。どうしてか。公開して透明性を確保するためである。秘密会にすると、裁判官、検察官が恣意的に取り調べをする危険性があるので、それを予防している。また、弁護士が規則に外れた言動をしないよう国民が監視しているのである。
兵庫県議会は、11月24日、25日の2日間、百条委を秘密会にした。秘密会にした理由が不可解である。
「選挙期間中なので、投票行動に影響があるから」らしい。
もっともらしい理由をつけているが、要は秘密にして恣意的に取り調べをしたと思われてもしかたがないだろう。皮肉なことに、その秘密会の傍聴録音が後日流出している。
私は、その録音をYouTubeで聴いて驚愕した。
委員長が高圧的に副知事の発言を制止しているのである。副知事が県民局長のパコソンの中に不倫日記などの保存資料があること話し出すと、それを遮り、話さなくていいと制止し暫時休憩を宣言した。
裁判官には、暴言を働く被告人に退廷を命ずることはあるが、聴きたくない話を制止し、暫時休憩を命じることはない。
恣意的に制止し、恣意的な暫時休憩を宣言した委員長に情報操作の意図を感じたのは、私一人ではないだろう。
秘密会にするには、秘密会にした理由があるだろう。決して選挙に影響があるからではない。選挙に影響があろうが、なかろうが、正確な情報、公正な情報を県民に提供するのが百条委の本来の目的である。
私は、あらゆる秘密を公開せよ、と言っているのではない。守るべき秘密は必ずある。が、公用パソコンは個人のものではない。にもかかわらず、個人の不倫日記、不同意性交が疑われる動画があったとすれば、それは犯罪なのである。それを個人のプライバシーだから公開しない、というのは犯罪隠しと言われてもしかたがないだろう。
兵庫県議会百条委の議員の中には、その犯罪証拠を個人のプライバシーにしたい人があまたいるようである。
秘密会にして、県民局長の秘密を守ろうとする。これは、県民を愚弄した行為ではなかろうか。