RTA in Japan Summer 2022にアンシャントロマン(走者)とアトランチスの謎(解説)で参加した話
・まえがき
記事タイトルが示す通り、2022年8月に参加した『RTA in Japan Summer 2022』の参加レポートです。
できることならイベント直後に書き上げたほうがよかったとは思うのですが、当時はイベント期間中にまるまる家を空けていた影響もあって仕事が忙しく、そうこうしているうちに機を逸して今に至っていました。
月日が経つのは早いもので、気づけばもうすぐ次のRiJ Summerが始まる時期となりました。このタイミングで1年前のことを振り返るのも良いのではないかと思い、当時のことを思い出しながら記事を作成しました。
イベント当時に参加者の皆様が執筆された記事に比べると時事性は大きく劣ってしまいますが、文字通り「枯れ木も山の賑わい」ということで、少しでもお楽しみいただければ幸いです。
・採用発表まで
RiJにアンシャントロマンを出したい!という野望は以前から持っておりまして、2021年の夏から3回連続で応募を続けていました。
とはいえ、過去2回はまだ自己流でチャートを改良していた段階だったこともあり、応募の際に設定していたESTは4時間。いくらなんでも長時間すぎますし、それだけ採用へのハードルも高くなっていたことは容易に想像できます。
しかし、2022年の元旦にレイドRTAマラソンでアンシャントロマンをプレーしたところ、このゲームに興味を持ってくださった視聴者の方が、ゲーム内データの解析を行ってくれました。
その方の研究はそれだけにとどまらず、やがてはデータを基にした独自のRTAチャートを提供してくださるようになりました。
革命の始まりです。
「○ボタンを押しっぱなしにしながら移動すれば敵が出ない」「隊列を変えるだけで魔法の威力が大きく変化する」といった謎の仕様が次々と発見され、その都度チャートも大きく変化。
動きの洗練に伴ってタイムもぐんぐんと縮まっていき、気づけば世界記録を26回ほど更新していました。
かつては4時間だったESTも、2022年夏の応募時点では3時間と、ちょうど1時間の短縮に成功。
もともと「披露さえできれば面白いものを見せられる」という手応えはあったので、「今回こそは採用されるのではないか?」という、漠然とした期待感はありました。
そして、とうとう三度目の正直でめでたく初採用。自分の中でも一番自信のあるタイトルでしたが、前年のメジャーの時と同様に、採用された直後はあまり実感が沸かずにフワフワした心境だったことを今でも覚えています。
・採用を受けて
元々アンシャントロマンという作品自体が「やばいゲーム」として高い知名度を得ていたこともあってか、採用いただけた時点でかなりの反響をいただけておりました。誠にありがたいことです。
そうした反響も踏まえて、アンシャントロマンのことを知らないorなんかやばいゲームであることしか知らない人たちに対して、いかに「このゲームの面白さ」を伝えられるか?という点に最もフォーカスしました。
自分がRTAをやっている作品に関してはどれもそうですが、「面白い」「走りやすい」と感じているからこそ、RTAを続けられている面はあります。
そうでなければ、毎週月曜日にライフワークとしてアンシャントロマンを欠かさずプレーする習慣が続くこともなかったでしょう。
アンシャントロマンというゲームを弄り倒して終わりにはしたくなかったんです。
本当に面白いんで、このゲーム。
・本番に向けた準備(アンロマ)
記録狙いで使うチャートは乱数に左右される部分がどうしても大きくなってしまうので、まずはイベント用の安定チャートを組む必要がありました。
当初はバグで上げるパラメーターを従来よりも大きく増加させ、ほぼ全ての敵から先手を取る形を考えていましたが、実際に試走したところ、バグを起こす区間(やることはボタンを連打するだけ)があまりにも虚無だったのでやめました。
最終的には、先述のチャートを組んでくださった協力者の方には申し訳ないと思いながらも、相談のうえで以前のチャートに近い形に戻し、バグを行う時間を許容範囲内に収める方向性でチャートを覚え込んでいきました。
ちなみに、「せっかくだから有名なサナトリ村のBGMを流しながらバグを起こしたい」という考えのもと、サナトリでちょうどバグに必要な19個のアイテムが揃うようにしたのはご愛敬です。ロスが出るので記録狙いではやりません。
ここまでバグを起こす時間の調整に拘ったことには、当然ながら理由があります。
このゲームは基本的に操作が忙しいわけではなく、大半の時間帯においてトークに注力することが可能です。しかし、バグを起こす局面では、ボタンを押す回数が規定より1度でも多くなってしまうとアイテム欄が破壊されてしまい、RTAとしては事実上の「詰み」に陥ります。
もちろん直前にセーブは挟むのですが、基本的に普段の配信ではロスを防ぐためにこの区間は一切喋らず、ボタン連打だけに注力しています。
しかし、RiJの舞台でプレイヤーが何も言わずにアンシャントロマンの画面を数分間見せ続けるだけの光景が繰り広げられたとしたら、もはや放送事故寸前と言わざるを得ないでしょう。
元々自分はイベントでプレーと解説を同時に行うことを好むタイプの人間で、並走や操作が極めて煩雑なゲームでなければ、解説の方を呼ぶことは基本的に考えていません。
それもあって、この区間のためだけに解説の方を呼ぶことは考えておらず、最初から最後まで自分で喋りきろうと考えていました。
このゲームをお出しした責任は全部自分で取ります。
そのために必要となる、「ボタン連打をミスせずにこなしながら、並行して違和感なくトークを行う」というスキルを修得するための練習は、本番までの期間においてとりわけ重点的に行っていきました。
それ以外の点に関しては、普段から毎週プレーを続けていたこともあり、チャートを覚えて普段通りやれば大丈夫でしょ、といった感じで、心配らしい心配はありませんでした。
ただし、イベントでは普段は全て飛ばしているムービーの中で面白いものを厳選し、いくつか飛ばさずにお見せするようにしています。
ムービーそのものの面白さと所要時間を勘案した結果、「このムービーはコスパが良い(悪い)」という謎のワードが誕生したのも良い思い出です。こんな言葉使うのこのゲームくらいだろ…
ですが、私はこのゲームをプレーしすぎたせいでだいぶ感覚が麻痺しており、見せるムービーを厳選する段階において「初見の人にとってはどのムービーが面白いんだ…?」という根本的な部分がわからなくなっていました。
基本的には視聴者からの人気が高いムービーを選出しましたが、本番で走っている最中に「魔王クッパの谷」や「悪の曼陀羅」を急遽採用したりと、割とノリで決めたところもありました。
ちなみに、本番後に視聴者の方の意見をお聞きした結果、最終的には「初見の視聴者さんにとっては、アンシャントロマンに搭載されているムービーは全て面白い」という身も蓋もない結論に至りました。やっぱこのゲームすごいわ。
また、イベントにおいては、普段からそのゲームのRTAを見てくださっている方に対しては自然と省いてしまうような、作品に関する基礎知識も含めた詳細な説明を行う必要も出てきます。
自分は基本的にプレー前後の部分を除いて台本は作成しないスタンスを取っているのですが、どのタイミングでどの話を行うべきか、という大まかなトークの全体像は事前に構築してからイベントに臨んでいます。
今回は長時間のランということもあり、無言になってしまう区間を限りなくゼロに近づけるためにも、それぞれの場面で取れる尺に応じた適切な話題の選択が必須となっていました。
そのため、通常の配信においてコメントなどを一切読み上げず、イベント本番を想定した形で喋る、文字通りのリハーサルを事前に2回行いました。
イベントを想定したこの手のリハーサルは基本的に配信外で行うのですが、アンシャントロマンの場合は1周が2時間30分以上(当時)と長時間にわたることもあり、せっかくだからフィードバックをもらえる配信で人に見せながらやったほうがいいかなあと思いまして…
おかげで本番に向けて良い手応えを得られたことに加えて、「本番のパフォーマンスが楽しみなので、リハーサルはあえて見ないようにしてます!」と仰ってくれた方もいて、自分としてもあらためて身が引き締まる思いになりました。
しかし、本番直前には得てしてトラブルが起こるもの。長年にわたって使用してきた厚型のPS2本体が、本番の数日前になって急に不調をきたし、ムービー中に不自然な読み込みや遅延が発生するようになりました。
幸い、予備として薄型のPS2(型番は90000台)を用意していたので、このタイミングで急遽試運転を行うことになりました。
ただし、薄型のPS2はロードが速い反面、ディスクとの相性によってはディスクに傷をつけてしまうケースも存在するため(自分はそのせいでプロスピ5完全版を3度買い直しました)、現在はかなり高額になってしまったアンシャントロマンのディスクを入れるのは正直怖くもありました。
幸いなことに、今回使用したPS2とアンシャントロマンの相性はすこぶる良好であったようで、特に問題なく動作。
おそらくこれなら大丈夫だろうと思い、この本体を使用して本番に臨むことにしました。備えあれば憂いなし、という言葉が身に沁みますね…
・会場入り~本番直前(アンロマ)
自分なりにやれることはやったうえでRiJ期間を迎えたので、本番直前まではほぼ緊張もなく、イベントを楽しめるくらいの余裕はありました。
本番直前までは。
当日に会場入りして以降は、自分の前にプレーされた『エストポリス伝記II』のESTが3時間30分と長めだったこともあり、比較的早めのタイミングから練習部屋に入って最後の練習を行いました。
とはいえ、チャート自体はすべて頭に入っている状態だったことに加え、このゲームで難しいのは先述したバグを起こす区間くらい。
プレー環境の確認とバグ技の練習が終わった後は、会場内に持ち込んだ複数のメモリーカードに保存したバックアップ用のデータを使って、疲弊しすぎない程度に区間練習をこなすことにしました。
バックアップといえば、先述した通りアンシャントロマンのディスクは非常に高価であり、ディスクの予備を用意することは極めて困難でした。
そのため、配信中に「もしアンシャントロマンを持っていて、会場に来られる方がいたら、念のためディスクを持ってきてくださると嬉しいです!」と事前に呼びかけました。
そうしたところ、なんと実際に貴重なアンシャントロマンのディスクを会場まで持ってきてくださった方がいらっしゃいました!
幸い使用するような事態にはならなかったとはいえ、お心遣いに感謝の限りでしたね…
ちなみに、自分はアンシャントロマンのケースを持ち運ぶ際には厳重な梱包を行うのですが、ディスクを持参してくれた方も自分と同じくらい丁寧な梱包を施していて笑ってしまいました。考えることは同じ。
練習部屋においてもゲーム画面とBGMのインパクトが強烈なインパクトを放っていたのか、ありがたいことに多くの方にお声掛けをいただけました。
特にSuさんには長時間隣でプレーを見守っていただけて心強かったのと同時に、ゲームがゲームなのでなんというか申し訳ない心境にもなりました。
このご恩があったので冬は積極的にコミュニケーションを取らせていただきましたし、こうした交流もオフイベの醍醐味の一つかもしれませんね。
また、ゆとりんさんに対して「このゲームはヘンな仕様はけっこう多いですけど、クリアするだけなら致命的なバグはないのが長所でして…」という話をした後に、各種の謎仕様について詳細な説明を行ったところ、
「〇ボタンを押しっぱなしにしたまま動くことで、敵とのエンカウントがなくなるんですよ」
「…それは致命的ではない?」
「まあクリアできるんで…」
「敵が1体だけの場合は参照先がおかしくなって、魔法で受けるダメージが1で固定されるんですよね」
「…それは致命的ではない?」
「まあクリアできるんで…」
みたいなやり取りが5回くらい起こったのが面白かったです。
冷静に考えたら致命的と言えなくもない気がしてきたけれど、とりあえずクリアできるのでヨシ!たぶん!
ただ、本番まで残り30分を切ったあたりから緊張が高まってきて、備え付けの大型スクリーンに映し出されていたエストポリス伝記IIの内容が頭に入らなくなってきました。
ちょうどそのあたりが乱数調整からガチ戦闘に切り替わったことで大きな盛り上がりを見せたタイミングだったそうですが、練習部屋ではスクリーンから音が出ないのもあって、自分は気づく余裕すらありませんでしたね…
余談ですが、アンシャントロマンの序盤における感想の中には、「エストポリスの余韻が吹き飛んだ」「感動の涙が引っ込んだ」というものも散見されました。
その節は大変申し訳ございませんでした。
・本番(アンロマ)
喉元過ぎれば熱さを忘れるとはよく言ったもので、いったん本番が始まってしまえばほぼ緊張も感じることなく、自然体でプレーできました。
アドリブを挟んだ箇所も少なくなかったとはいえ、プレーとトークのどちらにおいても概ね想定通りに進められましたし、ミスらしいミスは以下の2つだけでした。
・ソードマン戦でせっかくドロップ(20%)を引けたのに、換金するのを忘れてしまった
・最終戦でミシリアのMPを回復させるはずが、間違えてHPを回復してしまった
とはいえ、どちらも未経験者にとっては言われなければわからないような類のミスであり、それ以外はほぼ満足のいくランができたかなと思います。
運悪くゲームオーバーになってタイムが押してしまったらいくつかのムービーを省く必要が生じる可能性もありましたが、一度もゲームオーバーにならずに見せたいムービーを全て見せられたのも嬉しかったですね。
また、冥界におけるムービー(通称:悪の曼陀羅)は、時間に余裕があったのでムービーが始まる直前になって勢いで流しました。
最後のおもしろポーズだけ見せたいな~くらいのノリでしたが、それ以外の部分も存外に面白かったので採用してよかったです。
おかげでバロアさんの仲間たちのグラフィックが後にエンディングで使い回されているという、開発のエコさを示すエピソードも紹介できましたし。
何はともあれ、当初の目標通りにアンシャントロマンへの「好き」を詰め込めたのが一番よかったというか、ほっとした部分でしたね。
なにぶんアクが強すぎる作品なのと、喋りたいことが多すぎて解説を詰め込みすぎた結果、普段以上に早口を制御できなかった部分が多かったことも重なり、終わった直後は視聴してくださった方の反応を見るのが怖くもありました。
実際にはありがたいことにさまざまな場所でたくさんの好評の声をいただいており、本当に嬉しい限りです…
感想をくださった皆様、誠にありがとうございました!
今回のプレーを通じて、アンシャントロマンは愛するに足るゲームなんだ、ということを一人でも多くの方に伝えられたのであれば、自分としてはそれ以上の喜びはございません。
・アトランチスの謎 解説編
本番に向けてアンシャントロマンの準備を進めていた8月1日に、Discordにて1件のDMが届きました。
アトランチスの謎の3人並走において、当初解説として呼ぼうとしていた方の話が諸事情で頓挫したことにより、急遽自分に解説の依頼が舞い込んできたのです。
元々ぬこいぬさんのアトランチスを普段の配信で何度も見ていたこと、前年のブラステで3人並走の解説を(走者の皆様のご協力があって)成功させられたこともあり、個人的にはやれるだろうという感覚はありました。
ゲームスピードと並走の特性もあって早いテンポでの解説が求められそうでしたが、個人的には自分の解説としての最大の取り柄はそこにあると考えているため、「向いてそうだな」と感じたのもありますし。
ただし、アトランチスは多少のプレー経験こそあったものの、RTAに関しては全くの未経験。
とはいえ、前年のブラステも同じ状況から実際に検証プレーを行ったうえで解説を完遂できたので、その点に関しても経験上なんとかなるだろうと考え、解説のご依頼を受諾させていただきました。
・本番に向けた準備(アトランチス)
アトランチスの解説にあたって最も意識したのは、「ちょっとでも言葉に詰まったら終わる」という点です。
というのも、1面から100面の権べ救出までほぼノンストップで突っ走る都合上、少しでも解説が遅れてしまうだけで想定通りの内容を喋ることができなくなり、なし崩し的にアドリブで乗り切るしかなくなってしまうからです。
また、プレー時間そのものがあまりにも短いこともあり、解説が追いつかなくなるとゲーム自体の理解にも支障をきたすことが容易に想像できました。
走者が1人であれば想定外のミスが起こる可能性もありますが、世界トップクラスの走者が3人揃っている今回のランでは、最終面までの間に全員がミスをしてしまう可能性は非常に低いと考えていました。
それもあって、「誰か1人は想定通りのルートで最終面までたどり着く」と踏んだうえで、先行している人に沿ってルート通りの解説を当てはめていく方式を採用することにしました。
非常に短く、かつ難しいゲームであるからこそ、技の説明や難しいポイントはきっちりと伝えきりたい。
解説者として呼んでいただけた以上はそれがノルマだと思っていましたし、そのためにも決してミスは許されないという重圧はありました。
本番前にはDiscordでの打ち合わせに加え、前後の挨拶も含めた流れの確認を行い、実際に走者の方に走っていただきながら何度も解説を合わせました。
自分の中でも「想定通りの形で通せるな」という手応えは得られましたし、走者の方にも「もう今の内容で大丈夫です!」とお墨付きをいただけたので、こちらもアンシャントロマンと同様、ミスさえなければなんとかなるだろう、という自信を持って本番に臨みました。
・アンシャントロマン終了~アトランチス本番まで
アンシャントロマンが終わったのが13日、アトランチスが行われるのは15日(最終日)。走者としての出番が終わったとはいえ、まだまだ気は休まりません。
beerさんとまんまるさんは初日から会場にいらっしゃったこともあり、練習部屋にて実際にプレーと解説の合わせを行わせていただき、好感触を得ました。
そうした事前の準備もあって、不測の事態がなければ大丈夫だろうと思っていたのですが…
本番では得てして不測の事態は起こるものです。今回もありました。
体調不良です。
アンシャントロマンの前日(念を入れて休養日にしました)を除くすべての日程で会場に足を運んでいたこともあってか、最終日の1日前になってから露骨に体調の悪化を感じ始めました。
その日に行ったプレーと解説を合わせたリハーサルでも初日に比べて明らかに出来が悪く、「あっこれ頭回ってないな」という感覚がありました。
最初は「疲労かな?」と思ったのですが、念のため早めに帰宅して熱を測ってみると、平熱より少し高い。
当時の情勢もあり、「これは最悪流行り病なのでは?解説ができないほどではなさそうだけど、オンライン解説に切り替えざるを得ないのでは?」という最悪の可能性が頭をよぎり、暗澹たる心持ちになっていました。
しかし、高熱を出したものの実は流行り病ではなく熱中症だった、という経験を1年前にしていたこともあり、ひょっとして今回もそれでは?という可能性に思い至り、一縷の望みをかけて、家にあった塩タブレットを口にしてから休養に努めました。
その甲斐もあってか、就寝前の時点では無事平熱以下まで回復していました。
今までの人生において、塩タブレットに対してこれほどまでに感謝したことはなかったですね…
翌日に家を出る前にも(怖かったので)3度ほど熱を測りましたが、いずれも平熱。依然として疲労はありましたが、それでも病気ではないとわかれば急に元気が湧いてくるから人間の身体は不思議です。
会場で最後のリハーサルを行った際にはパフォーマンスも回復しており、ぬこいぬさんからも「ばっちりです!」というお言葉をいただけたので、本番に挑む頃には再び自信を取り戻すことができました。
また、当初は走者の隣の席にあるスクリーンを見ながら解説を行おうと思っていたのですが、本番では方針を変え、走者の皆様の後ろに立ちながら解説を行いました。
というのも、アンシャントロマンと同じ日(要するにユニークゲームゾーン)に行われた、『ごく普通の鹿のゲーム DEEEER Simulator』で解説を行っていたぼぶそんさんのスタイルが非常に面白く、かつアトランチスにも向いていると感じまして。
アトランチスの解説は一にも二にも勢いが重要なので、そういう意味でも後ろに立って盛り上げていく方針を取った方が、雰囲気づくりの面でも良い効果が期待できると考えました。
さらに、2022年のRiJでは関係者に対して無敵時間さんからTシャツの供与がありましたので、そのTシャツに入っている無敵時間さんのロゴ等を、会場も含めた視聴者の皆様に対してアピールしたいという気持ちもありました。
最後の挨拶の時に、会場に振り返って手を振りながら挨拶を行ったのも、それが大きな理由だったりします。
・本番(アトランチス)
「自己紹介をいかに短くするか?」という点は、自分が解説を担当する際に特に気を配っている部分の一つです。
自分のことよりも走者さんにより大きなフォーカスを当てたいけれど、手短に「この解説はこんな人間」というパーソナリティを伝える必要はある。
なんとかして簡潔に、かつわかりやすい自己紹介を行おうと思った結果、「今回のRiJでアンシャントロマンを走りました。以上です。」という文言が生まれました。
短いうえにわかりやすいという意味では100点満点に近いと思いますし、これを思いついたのは我ながらファインプレーだったと思います。
解説の内容自体は致命的な遅れが発生することもなく、先行していたプレイヤーの方に合わせてほぼ想定通りの内容を話せたと思います。
少しでもミスをしたら一気にグダグダになってしまう危険と隣り合わせだったので緊張はしましたが、解説の立場としては非常に満足のいくパフォーマンスが出せました。
事前に用意していたぬこいぬさんとの掛け合いも含め、走者の皆さんに迷惑をかけずに終えることができて本当によかったです…
ちなみに、最後に「アトランチス」と間違えて「アンシャントロマンの謎」と言ってしまったのは素です。アンシャントロマンに毒されすぎている。
ちなみに、走者の皆様と一緒にアトランチスの振り返りをやった配信もありますので、お時間のある方はぜひ!
本当にいろいろありましたが、心から楽しい時間を過ごせましたね…
・振り返り
事前の注目度と期待が大きかったアンシャントロマン、走者3名にとってのイベントの成否を託されたアトランチスの謎と、いずれも自分にかかる責任は重大だったと捉えています。
どちらも本番直前のトラブルこそありましたが、最終的には走者としても解説としても満足できる形で終えることができました。
だからこそ、自分としては本当に嬉しかったですし、終了後の達成感も非常に大きかったです。イベントに出る直後の高揚感と、出番を終えた後の全てを出し切った感覚がたまらないんですよね…
ありがたいことに、RiJでのプレーを見たことをきっかけにして、毎週月曜日のアンシャントロマン配信に来て下さるようになった方も多くいらっしゃいます。
より多くの方にアンシャントロマンの面白さを伝えられたことも含めて、本当にRiJで走れてよかったなあと…
決して大袈裟な表現ではなく、一生の思い出になりました。
アトランチスの謎の解説も非常にやりがいがあって楽しかったですし、走者の皆様から感謝の言葉をいただけたのが一番嬉しかったですね。
ブラステの時もそうでしたが、走者の方々と一緒に良いものを作り上げられた時の喜びは格別ですね…
素晴らしいレースに関わらせていただけて、感謝の限りです。
最後になりますが、たくさんの候補者の中から自分を選んでお声掛けくださいました走者の皆様に、この場をお借りしてあらためて感謝申し上げます。
ぬこいぬさん、まんまるさん、beerさん、本当にありがとうございました!
・あとがき・宣伝
あの夏からもうすぐ1年が経つのかと思うと感慨深いものがありますが、ありがたいことに再びRiJの舞台に立つ機会をいただいております。
8月10~15日に行われる『RTA in Japan Summer 2023』に、「プロゴルファー猿」Any%のレースで採用していただけました。
第1回のRTA in Japanに同カテゴリーで出場された経験を持つ、先駆者のバカンダさんとの並走となります。
また、黒井炭酸さんがプレーされる、『東方剛欲異聞 ~ 水没した沈愁地獄』剛欲な挑戦(ノーアイテム)の解説も担当する予定です。
SRCのモデレーターを務めているゲームでもありますので、視聴者の方の理解の一助となれるように精一杯頑張ります。
前回と同じようにプレーも解説も自分なりにベストを尽くすつもりですので、もしよければご視聴いただけると嬉しいです!
今年こそはもっと早めのタイミングで振り返りを書けるように頑張ります…