Wizardry Variants Daphne プレイ日記 ~ダフ男の奈落探索日誌~ #1
~とある場所から発見された探索日誌より~
あの日、気が付くと俺は いしのなかに……
いや違った。
あの日、気が付くと俺は奈落の冷たい石の床で倒れていた。
随分と長い間、悪い夢を見ていたような気がする。
ふらつく体をなんとか引きずり、水たまりで自分の顔を見た俺は驚いた。
詳しく書けないが、なんというかその、ホントにひどい有様だったんだ。
体はどこもかしこもボロボロで、自分が何処に居るのかも分からない。
オマケに、倒れる前のことは自分でもよく分からないときたもんだ。
必死に頭を巡らせてなんとか思い出せたのは、なんの役にも立たない断片的な記憶だけだった。
何かから必死に逃げていたような、恐ろしくヤツと戦ってアッサリやられてしまったような、そんで、目が覚める前には誰かにイロイロよく分からない質問をされていたような……
「この器でよいな?」なんて確認された気もする。
器、ってのは何のことなんだろうか?
まあとにかくだ。
とびきり危険な奈落の中で、一人寂しく目覚めた俺は当てもなく歩き出した。
出口を探してというよりも、とにかく誰かいないか、なんて思ってな。
しばらく誰もいない石造りのダンジョンを進んで行くと、前方から誰かが近づいてきた。
そいつは人の形をしていて、ああこれで俺は助かったんだ、と思ったね。
フワフワと漂うように近づいてきたのは、金髪の少女だった。
そしてそいつは、俺のことを胡散臭そうに眺めてこう言ったんだ。よく通る声で。
「人の気配がしたと思ったのに。屍人だ」
てな。
#1終わり