Wizardry Variants Daphneプレイ日記 ~ダフ男の奈落探索日誌~ 前書き
~とある場所から見つかった探索記録より~
日誌を書く、なんて何年ぶりのことだろう?
ずいぶんと昔、それこそガキの頃、学校で強制的に書かされて以来じゃないだろうか。
……いや、昔のことはよく思い出せないんだけどな。
「奈落」は恐ろしい場所だ。
人も、人でないものも、その欲望のすべてを飲み込んでいく、深くて暗い大穴だ。
何が起きてもおかしくないし、俺の命だって、いつどうなるか分かったもんじゃない。
それでも俺は、これからも奈落に挑み続けなきゃならない。
一緒に戦ってきた仲間のため、ルルナのため、なにより自分自身のために。
だからこの日誌を書こうと思った。
日々の探索の記録や情報は、冒険者にとって何よりの財産だ。
それにこの先、俺や仲間たちに何があったとしても……
そう、仮に俺たちが、ある時なんの前触れもなく、塵のように消え去ってしまったとしても……
それでもこの日誌があれば、証になると思ったんだ。
俺たちが、確かに生きていたという証に。
……少し感情的になりすぎたかもしれない。
仲間にもよく言われるが、俺はもっと冷静になるべきだ。
今日の日誌はここまでにしよう。
いや、まだ冒険の始まりすら記録していないんだけどさ。
明日からは、俺の探索の始まりからを振り返って記録していくつもりだ。
……うん、あくまで冷静に、な。
※日誌を書くにあたってだが、万一、この日誌を紛失して誰かに読まれてしまっても良いように、いくつかの事については、それなりにボカして書くつもりだ。
人に知られて困るような秘密なんて俺にも仲間たちにも「なにひとつありはしない」のは当たり前だが。ま、念のためってやつさ。
だからまあ、もしも、この日誌を読んでいる俺以外の誰かがいるのなら、よく覚えておくんだな。
いいか? 人生は一度きりだ。
死んだらそこで終わりだし、幽霊になんてなれないし、蘇ったりなんてできるハズがない。
そんなことは分かってるって? ははは、そうか、それならいいんだ。
お互い貴重な人生なんだ、せいぜい危険(リスク)を味わい尽くそうぜ?