SteamNextフェス2024年2月遊んだ感想
Steamで定期的に開催されている「Nextフェス」。
これは今後Steamで発売予定のゲームの体験版を、期間限定で(限定じゃないのもあるけど)遊べるようにして、新しいゲームを探す/見つけてもらうためのイベントです。
毎日大量にゲームがリリースされるSteamで、自分好みのゲームを見つけるのは至難の業。広告で宣伝ができる大手ならともかく、インディーはSNSでバズるかフレンドに教えてもらうか、Steamディスカバリーキューをひたすら見ていくか……。
とにかく見つけるのが難しいわけで、Steam側でこういったイベントを開いてくれるのはかなり助かります。
ということで今回は遊んでみて良かった/悪かったタイトルを紹介していきます。
※一部タイトルはX(Twitter)に書いたことと同じことが書いてあります。
良かったタイトル
まずは遊んでみて面白かった作品から。
Pacific Drive
車で山奥を運転中、「ゾーン」と呼ばれる謎の空間に取り込まれてしまい、そこから脱出するため唯一の相棒である車に乗りながらサバイバルするアドベンチャーゲーム。
一人称のドライブサバイバルゲームという他にないゲーム性で面白かったです。
車なのでガソリンの補給は必須だし、パーツが壊れたら修理する必要もある。
また、一人称視点なので車の運転も少し難しく、癖があるのが新鮮で良かったです。『GTA5』とか『ウォッチドッグス』のような運転できるオープンワールドゲームで一人称視点で遊んだことある人なら感覚わかるかも。
デモ版では車を修理したあとにバグってメニュー画面から戻らなくなったので、製品版に期待。
ただ発売日が2月22日で『Nightingale』と被っているので遊ぶのはちょいと遅くなる予定。
インディカ
主人公の修道女となり、厳しい冬のロシアで悪魔が語りかけてくる超常的な空間を進みながら自分探しの旅に出るアドベンチャーゲーム。
デモ版では片腕をやられた元兵士と一緒に行動を共にするので、そういうバディものかと思っていたけれど、Steamのストアページを見ると「若き修道女が悪魔サタンという一風変わった仲間とともに自分探しの旅に出る物語」と書いてあるので、実際は途中で脳内に語り掛けてくるサタンとのバディものらしい。新しいなそれは。
マップの動線がちょっと微妙で最初迷ってしまったのが気になるけれど、ビジュアルの雰囲気が良くてストーリーが気になるので遊びたい。
2024年の第2四半期に発売予定。
ライトイヤー フロンティア
採掘・栽培・収穫・建築となんでもござれな万能ロボに乗って農業をするほのぼのクラフトゲーム。
新しい星への不時着という結構シリアスな状況のはずなのに、雰囲気は明るく、敵性生物と戦ったり怪我や病気に怯えるサバイバル要素が無いので終始のびのびとクラフトに集中できます。
ほかのクラフトゲームだと採掘や伐採でのレベルアップには装備をランクアップさせる必要がありますが、本作だとロボのパーツ強化になるのも面白い。
Steamだと3月20日発売予定ですが、3月19日にGame Passでも早期アクセス開始らしいのでそっちで遊ぼうと思います。
Magical Delicacy
駆け出し魔女のフローラとなって、自分の店を持ち街の住人の望む料理を振る舞うアクションアドベンチャー。
街を探索したり食材を探したりといった部分はメトロイドヴァニア風となっていて、歩き回るだけでも楽しそう。(デモ版では歩ける範囲が狭かった)
言ってしまうと「おつかいゲー」なのですが、ドット絵のクオリティが高くて見てるだけで楽しい。
美麗3Dも良いけど書き込まれたドットってやっぱいいよね。
2024年のどこかで発売予定。この作品もGame Passに対応予定みたいなので、それで遊びたいと思います。
EVOTINCTION
「RED」と呼ばれる未知のウイルスに侵されたロボットたちの目を搔い潜り、生存者を探しつつ原因究明のため巨大研究施設「HERE」を探索するステルスアドベンチャー。
主人公は攻撃手段を持っておらず、敵ロボットをハッキングして無力化し進めていくのは面白かったけど、ステルスゲー好きには簡単すぎたので製品版ではもっと歯応えがあると嬉しい。
たとえ見つかってもちょっと視線から外れれば敵は見失うし、そもそも敵が見てる方向を変えるハッキング能力が万能すぎて……。
でもステルスゲーに飢えてるのでぜひ製品版遊びたい。
実は結構開発期間が長いゲームだったらしく、デビューティザートレーラーは2019年公開、そして2023年春発売予定だったのに延期して今はいつ出るか分からない状態。
とはいえ発売までそんなに長くかからないと思っています。
Ereban: Shadow Legacy
影に潜る能力を持つ主人公・アヤナが、自身のルーツや世界を救う鍵を探す旅に出るSFステルスアクション。
影に紛れるステルスとしての王道にプラスアルファとして潜れるようにすることで、影があるならば壁も登れる仕様となっており、立体的に動けるのが特徴となっています。
ほかにも周りの敵の位置を把握するエコーのような能力や、ステルスキルなら一撃で敵を殺せる剣など強力な力も有しています。
ストアページには”神秘的な影の力とハイテクガジェットを駆使して敵を殲滅またはかわして進んでゆく。”とあるので、この辺りはハイテクガジェットの恩恵なのかも。
敵の察知能力は高く、影移動やしゃがみ移動をしていなければ後ろを通っても音に反応しますし、少し離れていても視線の先を移動すればバレます。そしてバレたら素早く捕まえに来るのでほぼゲームオーバー。
エコーで敵の位置を把握できるとはいえ、緊張感あるステルスが楽しめました。
かなり面白かったタイトルなのですが、不思議なことに日本では話題になっていないっぽい?
2022年のXbox & Bethesda Games Showcaseでの発表時はツイートしてる人もそこそこいたみたいですが……。
日本語翻訳もしっかりされているので、もっと広まってほしいです。
製品版はまだ未定みたいですが、出たらすぐ遊びますこれは。
MULLET MAD JACK ※イチオシ
『DOOM』のようなそこそこガバいAIMでも敵を倒せるFPSとしての爽快感と、敵を効率よく連続で殺し続けてポイントを稼ぐ『Hotline Miami』のようなスピード感が合わさった、80年代SFアニメ風ビジュアルが特徴の高速FPS。
これ、今回イチオシのゲームです。
主人公は10秒以内にドーパミンを摂取しないと死ぬ身体となっていて、生き延びるにはロボットを倒してるところを生配信して「いいね」を貰わなくてはいけないという設定。
この設定のおかげでいかに効率良く敵を倒すか(Hotline Miami要素)、いかに敵を素早く見つけて撃つか(DOOM要素)が両立していて楽しいんですよ。
まぁ最初はロボットとの殺し合いが配信されている点で『スマッシュT.V.』っぽいなと思いましたが。
この「敵を殺し続けなければ死ぬ高速FPS」というのがSNSを見てると『Post Void』に似てるらしく、調べてみたら確かにそっくり。
右手に武器持って左手にHPの残り時間が表示されてるのは明らかに意識してますね。
マップクリアごとにランダムで成長要素を選べるローグライト部分も同じ。
ビジュアルは圧倒的に『MULLET MAD JACK』の方が好きなのですが、いつ発売なのか分からないため本作が出るまでに『Post Void』も触ってみたいと思います。
悪かったタイトル
遊んだタイトル全部が面白い!なんてことはもちろん無くて、今回触ってみて微妙だったタイトルも載せていきたいと思います。
Chasmal Fear
モンスターが蔓延る海底施設を探索するボディカム風ホラーFPS。
ボディカム風FPSといえば、発表当時あまりのリアルさに「これ実写じゃないの?」と疑われた『Unrecord』があり、それに触発されて色々なタイトルが出てきました。
ただ、新ジャンルということもあってか自分が触ったタイトルすべてが視点操作が洗練されておらず、もっさりな動きと意味わからん慣性が働くので動かしてて楽しくないです。
本作に関しては視点を動かすとき、銃が先に動いてからそっちに視点が向くのですが、普通に考えたら逆ですよね。目で追ったあとに銃口をそちらに向けますよね。
この挙動が気持ち悪くて、ボディカム風FPSの悪いところが出ているなーという感じでした。
雰囲気は良さそうだっただけに残念。
Incursion Red River
ベトナム戦争を題材とした硬派なFPS…という触れ込みだけれどPvEのみの劣化タルコフ。
タルコフ風のハードコアな感じなのに敵が変に硬かったり(バグで弾が当たっていない可能性もある)、何も無いのにいきなり無駄にBGM鳴ったりしてうるさい。
ハードコアに見せたいはずなのにやってることがちぐはぐで戦闘が面白くないんですよね。
バグで全く動かない敵に遭遇し、目の前を通っても完全スルー。これはまだデモということで許すべきなのかもしれないけど……。
15分くらい触って即アンインストール。
わざわざこれを選んで遊ぶ必要はないと思います。
Outcast - A New Beginning(アウトキャスト 新たなる始まり)
オープンワールドアクションアドベンチャーの先駆けである『Outcast』の続編。
前作は1999年発売、HDリメイク版が2017年に出ているようですが、どちらも日本語が無いので日本では知名度が低いですね。自分も遊んだことはありません。
本作はアクションアドベンチャーということで未知の惑星アデルファを探索するのは楽しそうではあったのですが、ジャンプは絶対にジェットパックで飛ぶので街中だと引っかかりやすく、戦闘もカバーなどなく正面からただただ撃ち合うだけで前時代的。
前作が出た当初は凄かったのだろうし、せめてこれが『MassEffect』が出た時代に出てればまだ遊べたかもしれないけど、今の時代にこのクオリティは厳しい。
前作を開発したオリジナルチームが再結集して制作されたらしいのですが、それが悪い方向に働いたのだと思います……。
Deathbound
Steamでの紹介文を見るに架空の中世風世界が舞台らしいのですが、マップはコンクリ打ちっ放しの建物に蛍光緑のラインが走っていてSFっぽいちぐはぐ感。
戦闘もソウルライクに憧れるのは分かりますが、モーションに重みが無くて動きが硬いので面白くなかったです。
『エルデンリング』などで遅延攻撃に慣れていると、敵の攻撃モーションを見ても「もっとギリギリに避けなきゃ!」となってしまうのですが、本作は避けるためのステップの出が遅いのでその感覚でいるとちょくちょく攻撃が当たります。
ただ、トレーラーを見るとみんな軽快に動いているのでデモ版だとキャラのステータスが初期状態に近くもっさりだったのかもしれません。
本作の特徴として好きなタイミングで戦闘スタイルの違うキャラの切り替えが出来て、全キャラ特徴があって戦法が変わるので良かったのですが、逆に良いのはそこくらいでした。
フロムが作るソウルライクの原点かつ頂点を知っているだけあって本作の戦闘は面白くなく、マップデザインも微妙なので探索したい気持ちが湧かず……。
凄い悪いというわけではなかったのですが、どの要素も「なんか惜しい」という感じで、「ソウルライク大好きで色んなタイトルを遊びたい!」という人にしかおすすめ出来ないです。
製品版が楽しみ
元々気になっていたタイトルだったり、今回初めて知るタイトルだったり、毎回興味を持ったゲームを触れる良いイベントのSteamNextフェス。
面白いと思ったタイトルはやっぱり製品版も遊びたいですね。
今回は特に『EREBAN: Shadow Legacy』と『MULLET MAD JACK』が良かった。どっちも製品版出たら即買っちゃうかなー!
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