凪の人生にさざなみが立った日
昨年7月18日、凪のような私の人生に一石が投じられた。いや、結石が投じられた。
その日、日付が変わったころ、推している韓国アイドルの誕生日ライブ配信を見ていた。
約12時間後に天変地異ともいえる出来事が控えているとも思わずに。
あの時はまだ何も知らかったな~とその後何度も思い返すことになる。
実家子供部屋でのテレワークのお昼前、ちょうど月の中日で仕事量も少なく、すこし早めにお昼を取ろうか
それともいっそ午後半休を取ってしまおうかとツラツラ考えながら仕事をしていたとき
腹部に軽い痛みを感じた。ん?病は気から大権現、ほんとにそのつもりになっちゃうなぁなどと思っていたら
ん?ちょっと痛みが強くなってきたぞ、痛い、痛いぞ、、、いーーーたーーーーいーーーーー!
勢い一階に降り母に痛みを訴える。かといって救急車を呼ぶほどではない、しばらくお腹を抱えていたら
引く痛みなのだろうか、しかし痛い。自分で運転するのは難しいので、近くに住む親戚に乗せられ
子供のころからのかかりつけ医院の、すでに老境に入った2代目先生に診てもらうことになった。
初代先生に飲まされた子供用シロップ薬の味はまだ覚えている。
病院に行くならちゃんとした服を着ないと、と母。その日これ以上雑には出来ない、といったアッパッパドレスを着ていた私。
いーだーいーがーらーにーがーいーにーいーーーげーーーなーーーーい(痛いから2階に行けない)!!!と母に
キレる程度には痛かった。しかし母の金言、混んでいる医院の待合室にて、普通の服で来たことを感謝した。
医院は混んでいたが痛がる私に受診の優先度は上がり、待つ間点滴のおじいさんが終わった後の簡易ベッドにも
横にならせてくれた。そのまえにトイレは友達、と言えるぐらいにトイレにこもって吐き気と闘った、ような記憶が残っている。
とにかくいてもたってもいられず数分刻みにトイレに行った。
うっとおしそうに私を見た、お子さんを連れた30代とおぼしきお父さんの目が今もよみがえる。
医院にいって小一時間ほど経過したのか、待ちに待った診察の時間。
ベッドに寝てるわたしのお腹に手を当てつつ、ふんふん左のここが痛いのね、ふんふんふんと手を右側に
動かす。ん?んんん? ??あのね、痛いのは左側なんだけどね、右側にちょっとなにかあるから大きな
病院にいってみて。すぐ紹介状書くから、市内ならXX病院がいいから午後からでも行っちゃうといいよ。
この段階で意識の中心は左側から右側に移動した。痛みはいずこ。
それが後腹膜腫瘍、脂肪肉腫と私の出会いだった。