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宮﨑小雪 VS 小林愛理奈
女子キックボクシングで現在最高峰の試合、2022年5月29日水道橋後楽園ホールの近くを歩いていて、観戦しようかどうか迷ったが新コロどうのこうのが面倒なのでやめた。
非常に忙しい中、ABEMA中継もこの試合とメインしか観戦できなかったが、多忙中に少しでも面倒だと思えば足が向かない。こんな事早くやめて欲しい。
スマホ観戦だったので詳細に落ち着いて観る事はできなかったが、現在女子キックでは黄金カードと思われる一戦を見逃す訳には行かなかった。
当初僕の予想では小林愛理奈がもう少し健闘する予想だった。しかし結果は小林愛理奈の惨敗、無謀な試合運びだった。逆に言えば宮﨑小雪の圧勝、よく考えられたチーム力の勝利と受け取った。
RISEのタイトルマッチは通常の3ラウンドとは異なる5ラウンドで行われる。スタミナもさることながらローキックやカーフキックの効果がより現れやすい。ムエタイがローキックを多用するのも5ラウンドであることにも理由がある。しかし小林は全くインローのカットを行わなかった。よく頑張ったが、ダメージは明らかで宮﨑側の作戦がまんまと功を奏した。
結局、自慢のパンチは前足に体重が乗らず不発に終わる。サウスポー対策には時間をかけたようでこれまでのようなやりにくさは感じられず、そこは進歩している跡が見られた。しかしあれだけまともにインローを喰らえば、そのダメージでパンチに影響がでるのは当然だろう。
対する宮﨑もディフェンシブな試合展開で、ダメージを与えるパンチを当てるでもなく、手堅い試合をした。パンチ主体のいつもの小林を良く研究して、決定打を貰うことはなかった。しかし体格的に有利にもかかわらず、インロー以外の有効な打撃を与える事はできず、華のある王者にはまだまだこれからだと思った。
僕の戦前の予想では小林愛理奈はもう少しできると思っていた。回転の良いパンチが当たればダウンは取れると思っていた。しかしパンチが当たらなければどんなにフィジカルを強くして振り回しても意味は無い。フィジカルを強くした分だけ消耗する。また、どんなにフィジカルを強くしてもローのカットやガードが甘ければ急所に貰えば耐えられない。
最近、フィジカル、フィジカルと女子から聞えてくるが何か勘違いしているのではないかと思う。アマチュア空手のように無差別級や喧嘩を想定しているなら筋肉増やして強くなれば良いのだが、キックボクシングは階級ごとの技術を競うゲームです。
どんなにフィジカルを強くしても階級上の王者とやれば勝つことは難しくなります。レベルが低い団体では「階級なんて関係ねーよ」なんて威勢の良い事を言えますが、プロボクシングやオリンピックなどでは同一体重では技術が物を言う世界です。
レベルの高いプロキックボクシングで重要なのはスピードと技術ではないのでしょうか?スピードが上がれば威力も増しますよ。
次の小林愛理奈選手に期待しています。
なぜ期待するのか?46 kg級では小林選手は小さな選手です。小さな選手が大きな選手を技術で倒すのが格闘技の醍醐味だからです。