ノーモーションではない Ver. 2.0
今回、訳有って有料級のnoteをバージョンアップして無料で公開します。
その訳とは配信や放送の解説者が誤って「ノーモーション」の言葉を使用していると気付いたからでです。タイトルも少し変えました。
そして、サウスポーを苦手とする武尊選手はじめとするオーソドックスの選手や指導者もその誤りに気付き、読んでいただきたいと思います。偉そうにと思われるでしょうが、まず読んでみて感想をコメントしていただきたい。
ノーモーションとは、格闘技界では予備動作無く攻撃を行う時に使用されるワードです。以前からありましたが、特に井上尚弥戦のサウスポー相手の時にも使われました。それからはオーソ対サウスポー戦で頻繁に聞かれるようになったワードです。
一般に強いパンチを打とうとする時、体を攻撃対象とは反対の方向に振ったり、回転して動作を開始する事が多いと思います。
それは格闘技に限らず、日常的に行われる動作です。
しかし格闘技では予備動作を行う事で、相手に容易に察知されディフェンスされてしまいます。
予備動作を省く事によって予測困難にして、ヒット率を高める為にノーモーションが有効と解釈されているようです。
しかし、これはこと「対サウスポー」対策としては間違った解釈なのです。
それを漠然と信じてボクシング解説などを聞いていませんか?
格闘技素人のアナウンサーの解説を真に受けていませんか?
アナウンサーや解説者が発する「ノーモーション」ですが、実は最近やたらと解説者が使い始めた言葉です。ボクシングの井上尚弥選手がサウスポーを苦にせず、よく右を当てるのを、僕はかなり前からサウスポー対策の一貫として「いきなりの右」としてその有用性を説いていました。それをある解説者が突然使い始めたのです。始めうちは「いきなり」を使用していた解説者はある日、「ノーモーション」に言い換えたのです。
「ノーモーション」と「いきなり」の意味が同じなら良かったのですが、サウスポー対策としての「ノーモーションの右」と「いきなりの右」では肝心な部分での意味に隔たりがあります。ここでその意味の違いをお話したいと思います。
僕はこれまでにサウスポー対策として「いきなりの右」を主張してきました。そしてボクシングやキックボクシングの中継でアナウンサーが突如として「いきなりのパンチ」と言う言葉を使用するようになりました。サウスポー対オーソドックスの試合において。
誰とは言いませんが、YouTuberの話題も何故か僕のnoteと被っていた時期がありました。一日後になぜか同じ話題で話をするのです。僕は同じようなネタでもなるべく意識的に流行りの話題とは異なった切り口で記事を書くように心がけているのに。
最近になって「いきなり」を使っていた実況アナウンサーが「ノーモーションの右」と言う言葉に変えて使い始めました。本来ノーモーションのパンチと言うのは「いきなりの右」の意味するところと異なっているので気に留めていませんでしたが、頻繁に使用するようになったので注意して聞いていると、サウスポー対策としての「いきなりの右」と同じような意味合いで使用していると感じたので「これは違う」、と注意喚起の意味でこのnoteを書きました。
サウスポー対策としての「いきなりの右」はノーモーションではありません。むしろフェイント的に予備動作をしてからのほうが、相手がディフェンス予測をするので効果的です。左ジャブが来ると見せかけて左を挟まずにいきなり右を出す事が「いきなりの右」がサウスポー対策の肝になる部分なのです。
ノーモーションでもなく、右を出すぞ出すぞ、その前に左ジャブを出すぞとと追いかけながら「いきなりの右」をだしても、相手は反射的に左ジャブの後に来ると日頃の練習で癖になっていますので、モーションが有っても「いきなりの右」をくらってしまうのです。
思い出してください。この「いきなり」のパンチは、実はサウスポーがお得意の「いきなりの左ストレート」でおなじみです。オーソドックスの選手が頻繁に食らっているものです。これは一般的なオーソ対オーソの練習では「左は世界を制す」と言われ、ジャブを使用するのが最良とステレオタイプに教わっているからです。どうしてもサウスポーの比率が少なかった時代には圧倒的に多かったオーソの技術が基本になっていたからです。
しかし野球でも格闘技でも、サウスポーが有利と分かると敢えて、右利きでも左構えを選択する選手が増えてきました。ただし、野球と格闘技では左が有利な理由は異なっていますが、それは他で書きましたのでここでは触れません。サウスポー関連の僕のnoteを参照してください。
サウスポーが苦手だった細川バレンタインのようなオーソのプロ上がりは「左をもっと使え」と相変わらず言っています。基本はそうなのですが実際にはそれをやっても彼はサウスポーを苦手としていました。そんな元選手が相変わらず考えもせず同じ事を繰り返し言っていますが、「いきなりの右」のような理屈を選手時代に教えてくれる環境が無く、自分の頭でも考えられなかったから日本王者どまりだったと考えられます。
最近ではそれをポジショニングで説明しようとする人もいます。確かに足の位置、ポジショニングも大事でしょう。しかしサウスポーが苦手だった選手はオーソの左ジャブのタイミングでサウスポーがいきなりの左ストレートを合わせている事に気付いていないのです。
オーソが習慣のように打つ左ジャブからのワンツー。サウスポー選手はオーソの左ジャブが来るタイミングでそれを交わしながら同時にカウンターのいきなりの左ストレートを狙っているのです。
格闘技ファンなら頻繁に目撃しているはずです。ジャブは確かに世界を制するほど重要であるのは間違いではありませんが、オーソ対サウスポーの場合は事情が異なってくる事に気付く人は案外少ないのです。ですから武尊のようにオーソ同士なら見事な試合をしても、相手がサウスポーになると必ず苦戦するのです。構え、間合いが異なれば技術も変化する事を考慮して工夫しなければなりません。
攻撃を当てる為にはタイミングが重要です。どんな攻撃もただ速いだけでは相手に読まれてしまうものです。野球でも速球だけでは打ち易く、かえってホームランされてしまいます。変化球を混ぜたり、コースを突く事で速球が活きてくるのです。
ボクシングやキックボクシングも様々なフェイントを上手く使いこなす選手は頭が良いから上に行く。これが格闘技の格闘技たる所以で、ただのゴリラではトップにはなれません。
実況アナもサウスポー対策としての「ノーモーションの右」はやめたほうがいいと思います。
でも、「いきなりの右」はワードとしてはスマートじゃないんですよね。
左ジャブを省くと言う意味でオミットとかオミットパンチなんてどうかな。
ノーモーションも間違いだし、なんかいいワードないかな?