直樹 vs 中村寛 Ver. 1.01
新聞屋さん的な5W1Hは AI に任せるのでご容赦を。
閑散期である2023年4月、少し気になる試合。
直樹選手(以下選手略)はRISEライト級王者で、この階級では原口健飛に次ぐナンバー2の存在です。細身長身を活かした高い技術とスタミナ、独特の語り口と表情で人気と不人気を有する故にジョーカーの愛称。
ここ最近は世界トップのチャド・コリンズや階級上の山田洸誓、グローリーのデニス・ウォシクらに連敗していますが、RISEでは原口健飛しか上に存在しない、紛れもない日本キック界のトップ選手です。
因みにKJRV 65 kg以下クラスの日本ランキングでも7位です。
上にはチャド・コリンズ、ゴンナパー他、日本人は4名しかいません。
階級上の65 kgでも日本人5位の選手と言う事です。
当然そこには原口健飛、鈴木千裕らが含まれています。
繰り返しますが、直樹は間違いなく一流のキックボクサーです。
代わって中村寛。
入れ墨の話題は置いといて、と言っても後ほど触れますが、
選手としての個性は直樹に負けず劣らずのものを持っているファイター。
この対戦をこのnoteでも取り上げている訳ですから。
日本拳法ベースのサウスポーで、左ストレートを多用します。彼の特徴はなんと言ってもその体。明らかに瞬発系の体で、長い時間の勝負には向かない筋肉を有している。その対価としてパンチが当たりやすいOFGの勝負には向いている。
中村寛の実力は大雅、レオナ・ペタス、YA-MAN、北井智大、そしてチャンヒョン・リー戦を見れば分かる。
まず、大雅戦。驚くのは大雅より身長が低い。鎧のような筋肉を纏ってはいるが、フレームは小さい。前半は中村が大雅を圧倒し、ダウンも奪い判定勝利したが、飛びヒザも食らい、明らかなガス欠の様子を見せた。
レオナ・ペタス戦も判定勝利だった。その差は圧倒すると言ったものではなく、ファンとしては延長戦が見たいような内容。大雅戦も同様だが、延長すれば結果は逆になっていた可能性が高いと思う。
北井智大は63 kgの選手なので、彼にKO勝利した事で中村はライト級でもできる事を証明し、その後のYA-MAN戦に期待を持たせた。130秒あまりのKO劇だった。
YA-MANはOFGルールで脚光を浴びる選手であり、キックルールでは白鳥大珠に敗退するレベル。そのYA-MANと良い勝負をして判定負け。なんとなく中村のレベルが理解できると思う。
そして 60 kgの絶対王者、チャン・ヒョンリーとの対戦。この時は62.5 kgでの対戦だったが、中村の実力を知るには重要な一戦。
第一ラウンドはいつもの短期決戦型の筋肉を駆使してチャンヒョンを攻め込むも、第2ラウンドに補まってKO負け。さすがにチャンヒョン相手だと消耗も早かった。
これらから勘案して、中村寛の実力は60 kgまで落とせれば大雅やレオナ・ペタス、一馬と好試合を見せる実力の選手であり、このクラスならトップレベルの選手。しかし同クラス絶対王者のチャンヒョン・リーにはスタミナ面で遠く及ばない。
上の階級、63 kgではRISEの中堅選手である北井智大よりは上だが、YA-MANが勝てなかった白鳥大珠未満の選手であると分析できる。
直樹は白鳥大珠にもKO勝利しているライト級の王者。
クレバーな両選手なら当然の如く自己分析を行っているでしょう。だから直樹は負けるはずがないと発言し、中村寛も過去からの進歩を口にする。誰が考えてもそう言うだろう展開。
両者のメンタルの強さを比較してみる。どんなスポーツでも単純筋肉馬鹿では頂点には立てない。この面で両者はトップに立つ資格を持っていると思う。だが、直樹が言うように中村寛は計量に失敗した過去がある。これはメンタルの弱さに直結する。世界の一流が、那須川天心が、武尊が計量に失敗した事があるでしょうか。
社会を見渡すと、入れ墨やサングラスをしている人の多くは賢くてもメンタルに問題がある場合が見受けられる。そもそも格闘技は弱さを克服する為にあるのだから、そうした人の割合がどうしても多くなるのは無理も無い。メンタルの弱さから非合法の世界に行ってしまう人も多い。あの朝倉未来でさえ、裏社会へ進む事を考えた過去があると告白している。頭が良いが故に考えすぎて体調を崩すケースもある。中村寛は図太いのは体だけで、案外神経は繊細な選手ではないだろうか。
その辺りを直樹は「品格」と表現していると思う。
因みに中村寛は65 kg、60 kg共、KJRVランキング外の選手です。
このように考えると直樹の勝利は90%以上の確率だと思います。
それにRISEのタイトルマッチは5ラウンドです。
しかし勝負は時の運、怪我やプライベートでのメンタル等に影響されます。
2023年4月21日、この勝負を見届けましょう。
最後に、早期のドーピングチェック体制の確立を業界にお願いします。
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