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キャベケン
キャベジンは胃の不快症状を改善するだけではなく、荒れて傷んだ胃粘膜を修復、弱ってきた胃を正常に戻していく胃腸薬です。
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最近のキャベツは、驚くほど高かった。300円など優に超え、500円のキャベツが店頭に並ぶ始末。私は高額すぎるキャベツに、手が出せないでいた。むしろ驚きのあまり顎が出て、口をあんぐりと開けたままキャベツの横を通り過ぎることしか、私にはできなかった。しかも、隙間のないぎっちりとしたキャベツがほとんどで、生で食べるには硬すぎる。
しかし先日、私は目をキラキラに輝かせて、キャベツを手に取った。
早生キャベツがひと玉198円?! マジか?!
キャベツひとつで、こんなにも胸が躍る未来を、一体誰が予想しただろうか。
「ねえ!見て!キャベツが198円だってよ!しかも早生キャベツ!キャベツが生で食べられるよ!」
私は感動のあまり、キャベツを手に夫に話しかけた。
キャベツの価格に無関心の夫が、その時にどんなリアクションをしたのかは、私の記憶にはない。夫がキャベツに関心を寄せているかどうかなんて、正直なところどうでも良かった。だって、早生キャベツが198円なんだもの!
我が家でキャベツに興味があるのは私だけだと思っていたが、実のところ、キャベツに興味があるのは私だけではなかった。
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我が家の愛犬である。
彼は、私が冷蔵庫からキャベツを取り出すのを見逃さなかった。すぐさま台所に駆け寄り、私の足元にどっかと座る。黒目がちなうるうるとした眼差しで、私をじっと見る。
「お前……、アレが欲しいのか……?」
私は、あたりを見まわした。誰も台所を気にしていないことを、確認する。
「あっ!」
少しだけ部屋に響き渡る絶妙な音量で、私は声を漏らした。その瞬間、左手でつまんでいたキャベツの葉をチラチラと舞い落とす。キャベ犬がすかさず、落ちているキャベツの葉を拾った。彼は心の中でこう思ったに違いない。
「わーい!久しぶりのキャベツだ!」
我が家の犬は、とにかくキャベツが好きなのだ。
キャベツを安く手に入れられて、喜んだのは私だけではなかった。私は彼に共感し、いつもなら少ししかあげないキャベツを、こっそり一枚あげてしまった。
キャベケンは心の不快症状を改善するだけではなく、荒れて傷んだ心のバリアを修復、弱ってきた心を正常に戻していく精神安定薬です。