GIGA研修の教科書
座学からワークショップ型へ
この1年、数えきれないぐらいGIGAをテーマとしたワークショップ型の研修を実施してきました。そして数えきれないぐらい失敗も繰り返してきた中で、自分なりの最適解が見えてきました。
まず、GIGA関連の研修においては
座学だけはダメ
だということです。
「こんな実践ができます!」を見せるだけでは
「はいはい、すごいですね、こんな授業できればようござんすね」
ってなるのが関の山です。
せっかく参加者の方の貴重な時間を頂戴してやるわけですから
「実際に教室でやってみたい!」
と思ってもらい、実際にやってもらわないと、言ってしまえば時間の無駄なわけです。
そうならないためにも、実際に体験していただき、
「あらやだ便利!」
「これは楽しい!」
と、なってもらうことが大事なわけです。
だから座学からワークショップ型へシフトしましょう。
GIGAワークショップの構造
これは京都の公立学校で実際にやった2時間での研修メニューです。
ずっと話を聞いていると絶対退屈なので
具体の紹介→理論の説明→体験型ワークショップ
のサイクルを繰り返します。
クラウドって?
まずはクラウド化のメリットについて簡単に説明します。
データが端末内にある状態だと、これまでの紙のノートと本質的には同じなんです。だって、お互いに見合ったりすることが物理的にしかできないから。
でも、クラウド化することで、3つのメリットを得ることができます。
まずは共同編集。複数人で一つのデータを編集することができます。子ども同士の話し合いも当然ながら活発化します。
次に相互参照。お互いの作品を見合うことができるので、学び合うことがしやすくなります。
そして相互評価。お互いの作品へコメントやスタンプを送って褒め合ったり、はたまた作文の推敲の活動ではアドバイスを送り合ったりすることができます。
ワークショップ1 相互参照と相互評価
さて、では実際にワークショップをしていきましょう。
おすすめは俳句づくり。
ここではCanvaを使っていますが、PowerPointやGoogleスライドでもOKです。
プレゼンテーションのスライドで俳句のテンプレを作り、たくさん複製。
そしてリンクをQRコードで共有します。
そして実際に俳句を作るところを見てもらいます。素材等の挿入についても軽く説明。
参加者の方の手元の画面でもタイムリーに見れるので、直感的にクラウドの構造を理解しやすいです。説明はざくっとでOK。
そして好きなスライドに選んでもらい、名前を打ち込んで俳句づくりのスタート。
講師は歩き回ってやり方についての質問に答えます。
当然、得意な方もいるので、できれば近くの参加者同士でフォローし合うことをお願います。
そして手元の画面を見ながら、できてきた俳句を見て褒めたり、ツッこんだりとしているうちに和気藹々とした雰囲気に。
ここら辺で相互評価の体験をしてもいます。
コメント機能を使い、お互いの作品にコメントをしてもらいます。
LINE感覚でコメントやスタンプを送ってみましょう。という声かけが一番伝わりやすいです。
ワークショップ2 共同編集
次のワークショップは共同編集。
実際に授業でどのように活用しているかを見てもらいます。
班づくえになった子どもたちが、それぞれの担当の仕事をします。
わかりやすいのは地図づくりです。
クラス全体で日本地図を作る活動、1班は東北、2班は四国・・・といったように振り分けます。その上で、1班のAさんは青森、Bさんは岩手・・・と、一人一人に分担してもらいます。
そして好きな素材やテキストを配置し、その都道府県の特色を表現するという学習を擬似体験してもらいます。
かなり活発な話し合いが起こります。さまざまな機能を発見して教えあうような協働的な学びが実現されたシーンが多く見られます。
なお、今回の研修スライドは以下のリンクで誰でも使えます。
もしよかったらご活用ください。