連作知らず11

ちょっと時事になるけれど、絵本の無料公開が話題になって、しかしテルヤはこの問題のポイントは2つだと思っている。一つは、コンテンツを無料にしても、それを閲覧する環境は、PCなりスマホなりネット契約なりで、これが意外と高価であること(無料公開本を読むより絵本の方が安い)。もう一つは、逆のことを言うようだが、インターネットは、本質的に、文字と音と映像を無料で公開できるダンピング装置である、ということ。何を言いたいかというと、感情と反する帰結なんだけど、ネットは、もっと高くあるべきだし、ユーザは、もっと金を払い、作者は、もっと金額を設定し、金を取らねばならないのではないか、ということだ。だから、よくわからないんだけど、このnoteで、取り敢えず取引の設定をしておいた。100円の投げ銭からやってみようかしら。

11首の連作をつくるとしたら、どのような構成にするだろうか。ま、ひとまず、10+1を考えるでしょうね。で、10を5+5にして、1をどこに置くか。真ん中か(5+1+5)、最後(5+5+1)でしょうね。

  連作「この先にコンビニはもう」

朝まだき駅への途中のコンビニが白ビニールで、あぁ、リニューアル

買うものはだいたいいつも決まっててそれでも左回りの儀式

ひらがなの一文字の名札、ニッポンは君にはねむく笑顔なき国

この社会のなにが不満でゴフマンの儀礼的無関心に踏み込む

数滴の悪意で割れる薄氷のおれたちの為にジャンプは禁止

 この先にコンビニはもうありません、ねえいまどんなセブンイレブン?

大学いっこよりも少ない過疎の町、山を越えたら現代がある

11時までやると決めた店長の先見の明は過労で終わる

酒屋の亭主と文房具屋の嫁はんが消えたんだって、ようしらんけど

軽トラで郵便局を過ぎるとき、駆け込む女性をおれも見たんよ

便利さは高いってこと、地元からの友人の為にエビス多めに




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?