てるや さるどう

ツイッターを主に活動している短歌よみ。夏は懐かし、秋は飽き飽き、冬は浮遊し、はるばると春。

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マガジン

  • 連作知らず

    テルヤがnoteを使いながら思うこと、そして短歌の連作について部分的に考えたり試したりするこころみ。

  • けさのまにえふしふ

    けさのまにえふしふは、テルヤが朝に読んだ万葉集の歌について、ひとり読書会よろしく、あれやこれや呟いたものである。

  • 逆立ちうたよみん

    うたよみんに投稿した短歌

最近の記事

#202208自由連句「まだ炎昼」の巻

2022年8月の存在証明として。 #202208自由連句「まだ炎昼」の巻 1 いちについて、よーい、の尻たかくまだ炎昼  てるや 2 計画ばかり前のめりかな  多実果 3 逃げ水で濡れてしまったうしろ足  朱夏 4 アビイ・ロードのトリケラトプス  大祐 5 朝顔が飲み込んでいく夏の雲  よう 6 フェンスをつかむ手のかっこよさ  てるや 7 隣人の屈託なさに戸惑って  多実果 8 独房に飼うおれだけの蟻  大祐 9 肉球がふたりをここに保存する  朱夏 10 冷やしてお

    • 2022/3/19ふらくた連句「泣いたって」の巻

      自由連句「春の鳥」の巻からのふらくた連句です。   「泣いたって」の巻 1 泣いたって春は自由に終わるじゃん  朱夏 2 煮抜き卵を一口で食う  多実果 3 目覚めたら口角炎の痛いこと  ほのか 4 今日一日は巣ごもりの竜  てるや 5 リカちゃんの電話ひっきり無しに来る よう 6 聞こえないふり見ないふりして  ほのか 7 メンバーを追加募集の猿二匹 よう 8 当方ボーカル兼エア・ギター  てるや 9 配信のライヴは音と画がずれて  多実果 10 腹話術師のコント満員 

      • 2022/3/14自由連句「春の鳥」の巻

        自由連句はだれがどう付けてもよい、と再定義する。そして付句が複数ある場合、そこからふらくた連句としてその句および直前の575を発句として、新しい枝とする。ひとまず歌仙(36句)。いきおいによって、長くなることあり。よってらっしゃいみてらっしゃい。そしてやってらっしゃい。   「春の鳥」の巻 1 春の鳥 われに戻ってこぬ一羽  てるや 2 異国の地にも告げることあり  よう 3 伝令は命からがら喉からから  てるや 4 ふらここからの眺めふらふら  よう 月 見えぬ部分の月の

        • 9/30自由連句(ふらくた連句)「哀れ蚊や」の巻

          9月も終わりですなあ。10月からあらたな環境になる方もあるかもしれません。過去と未来が続きつつ、離れつつ。これ、連句にあらずや。   「哀れ蚊や」の巻 1 哀れ蚊やさみしいけれど飲み放題  てるや 2 千鳥のあとを追う酔っ払い  よう 3 目覚めたら知らない人と星だった  朱夏 4 時間旅行は宇宙飛行か  たみか 5 ホーキング博士も蚊には悩まされ  ほのか 6 光速越えて釈迦の手のひら  よう 7 ここの地蔵の顔はだいたいオオタニサン  てるや 8 赤い帽子にとんぼがと

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          9/29自由連句(ふらくた連句)「猿茸」の巻

          ふらくた連句というのは、捌きのないツイッター上の連句を行なうには、複数の付句をともに活かす方法が必要だと考えてつくられた方式です。過去には、分岐したらその前の句を発句として1からスタートする、というのもありました。最前の付句でなくてもよいので、理論上永遠に連句することが可能です。で、今日は12句なのに8分岐となりました。すごい。   「猿茸」の巻 1 猿茸(ましらたけ)マイペースはひとたび孤独  てるや |2 窓辺の椅子は猫に譲りき  たみか |3 駆け込みで裏切り者が乗車

          9/29自由連句(ふらくた連句)「猿茸」の巻

          9/28自由連句(ふらくた連句)「秋澄むや」の巻

          秋澄むという季語は、秋の気温を視覚に変換していて、他の季節を代わりに入れてみると、たしかに秋が似合うと思う。次は冬かな。要するに寒さってことやね。   「秋澄むや」の巻 1 秋澄むや役目のひとつ減るに似て  てるや 2 体重計にわくわくと乗る  よう 3 赤ん坊日に日に重くなりゆきて  ほのか 4 空の瓶には光あつまる  よう 5 神様に性別欄はありますか  朱夏 6 年齢四十職業バイト  ほのか 月 出遅れた月はそのぶん明るくて  朱夏 8 一本多く熱燗つける  たみか

          9/28自由連句(ふらくた連句)「秋澄むや」の巻

          9/27自由連句(ふらくた連句)「彼岸花」の巻

          noteのおすすめに出ているという情報を知って、そんな機能があるのは、いいことだと思う。(そういえば自分のところにもオススメあるなあ)自由連句は、トランプの大富豪みたいに、いろんな人が、いろんなルールを考えながらやればよいと思うんだよね。   「彼岸花」の巻 1 彼岸花 目印はもうそれくらい  てるや 2 そこは給水ポイントじゃない  朱夏 3 コンビニで買うアクエリアス高すぎて  ほのか 4 無我の境地の子連れ狼  てるや 5  スーパーのカートに亀を乗せないで  よう

          9/27自由連句(ふらくた連句)「彼岸花」の巻

          9/26自由連句「ラ・フランス」の巻

          短歌と俳句と川柳の区別がつかない人がいるー、みたいなツイートを見たのだが、そういう人が増えている、というよりも、そういう人にも届くようになったー、ということなので、これからが本番のような気がするね。   「ラ・フランス」の巻 1 寄り道のうれしいひとつラ・フランス  てるや 2 サビだけくりかえしてる鼻歌  てるや 3 とーちゃんの説教今日も素通りし  よう 4 好きな教科は図工と体育  たみか 5 宿題をうっちゃり外へ駆け出して  ほのか 6 ツーステップとスキップでいく

          9/26自由連句「ラ・フランス」の巻

          9/25自由連句「千草かな」の巻

          先日の「ちちろ」もそうだが、「千草」というのも、もう今後の日本で使用することのない、雅語というやつになっているような気がしますね。そして、八千草なんていったら、もう日本人はあの女優を想像する固有名詞になっているんじゃないですかね。八千草薫って、きれいな名前だなぁ。あと、関係ないけど、雅語という言葉のひびきは、みやびじゃないよねぇ。ガゴ。   「千草かな」の巻 1 やわらかに拒むところは千草かな  てるや 2 主張しないという強い意志  たみか 3 鉄瓶でお湯を飲むのもやや飽

          9/25自由連句「千草かな」の巻

          9/24自由連句「ちちろ鳴く」の巻

          土曜の夜のパラダイス感をうたう歌はいくつか思い浮かぶけれど、金曜の夜をうたった歌はなにがあったっけ。うう、すぐに出てこない。   「ちちろ鳴く」の巻 1 生きづらい人間か知らぬちちろ鳴く  てるや 2 かなしいほどに涙こぼれず  ほのか 3 塩分をお控えなすってカスピ海  よう 4 豆腐に限り泳いでもよい  朱夏 5 自転車に乗ってラッパを鳴らしつつ  ほのか 6 目と目があって降るファンファーレ  よう 7 なにpayにするか決済音できめ  たみか 8 買ったかつらはバ

          9/24自由連句「ちちろ鳴く」の巻

          9/23自由連句「秋分や」の巻

          秋のこよみというのは、秋になるぞ秋になるぞと言いながら、けっこう暑く、おっ秋だな、と思う頃には、もう冬だったりします。日本の人口は2008年がピークで、秋になるぞ秋になるぞと言われています。   「秋分や」の巻 1 秋分や往復書簡しませんか  てるや 2 万年筆のインク空色  よう 3 水のある星に生まれて目から水  てるや 花 砂漠に花がひらくときまで  たみか 5 心拍がやがて砂糖に変わるまで  てるや 月 月はこれからぽたぽた溶ける  てるや 7 酒を出さぬ居酒屋の

          9/23自由連句「秋分や」の巻

          9/22自由連句(ふらくた連句)「うろこ雲」の巻

          スーパーにはレモンサワーがたくさんあって、一回飲み比べたことがあるんだけど、たしかに味はそれぞれ違うんだけど、なかなか美味しいのと、酸っぱいだけみたいなのがあって、どれがどれか、忘れてしまった。3本以上だと相対評価が難しくなるのって、三体問題っていうんだっけ?(違う)   「うろこ雲」の巻 1 うろこ雲 自己像幻視(Doppelgänger)の石畳  てるや 2 三人分の足音を聞く  ほのか 3 悪を斬る刀を振るい旅をする よう 月 導く風とついてくる月  たみか 5 星々

          9/22自由連句(ふらくた連句)「うろこ雲」の巻

          9/21自由連句「十五夜や」の巻

          ちゅーしゅーのめーげつと言われると、やっぱりなにかいいもんだね。月に棲んだら棲んだで、中秋の名地球やりたいね。地球の満ち欠け、からの満地球、なんだか存在感がうるさいだろうね。   「十五夜や」の巻 月 十五夜や よいよい踊りたいヒューマン  てるや 2 花より団子月より団子  ほのか 3 三色の国旗の色のうろおぼえ  てるや 4 床屋のうわさ話の真偽  よう 5 紅葉に間に合うように眠ります  朱夏 6 白雪姫のような目覚めを  たみか 7 鏡から未来の光あふれ出す  よ

          9/21自由連句「十五夜や」の巻

          9/20自由連句(ふらくた連句)「黒葡萄」の巻

          休みというのは休んでいるうちに終わってしまう。働きも働いているうちに終わるといえばそうなんだけど、そんな論理的なことを言いたいんじゃないんだっ! でも今週はまた休みがあるから、許す。   「黒葡萄」の巻 1 黒葡萄小さいことがなつかしい  てるや 2 転勤族に故郷は無くて  よう 3 目が合うやいなやカーテンすぐ閉まる  てるや 4 スワンボートで跡を追いつつ  てるや 5 探偵は尾行が下手な愛煙家  たみか 月 月光の色してオロナミン  てるや 7 一年に元気ハツラツ5

          9/20自由連句(ふらくた連句)「黒葡萄」の巻

          9/19自由連句「秋すだれ」の巻

          どこかで火事があったのだろうか、消防車がたくさんウォウウォウイェイイェイ走っていった。遠吠えをする犬が少なくなったように思う。外飼いが少ないもんね。   「秋すだれ」の巻 1 秋すだれ 時間を止めた路地の午後  てるや 2 ちょいと小洒落たカフェを発見  よう 3 キジトラはケンパの線をよけていき  たみか 4 おはぎの数が足りぬ集会  よう 5 映(ば)える絵を求めてついに恐山  てるや 月 夜半の月から着信がある  朱夏 恋 振り向けば君の見慣れぬ照れ笑い  よう 恋

          9/19自由連句「秋すだれ」の巻

          9/18自由連句「糸瓜の水の」の巻

          構えすぎてスタートできないってこと、ありますよね。構えてなさすぎて続かないってことも、ありますよね。アマプラでアニメやドラマ観るときは、だいたいそんなです(そんなレベルの話かいっ)   「糸瓜の水の」の巻 1 世が世なる糸瓜の水の不老不死  てるや 2 マスク着用美魔女が集う  よう 3 ポマードの匂いの車でやって来て  てるや 月 三日月一つ窓に張り付く  よう 5 青い方の凸は鶴翼の陣となり  てるや 6 逃れられない幸せもある  たみか 恋 別れ際小指の熱を交わし会

          9/18自由連句「糸瓜の水の」の巻