連作知らず9

マガジン機能を悩んでいる。1回を上に置くか、最新を上に置くか。これは、新規読者を大切にするか、常連を大切にするか、という思想によって選ばれているのだろうか。どっちも大切にできないのかよ。

9という数字は、数字のなかで一番大きい数字だ。もちろん、厳密な意味で、たとえばローマ数字のXは、10という数を、10進法でなく、繰り上がらない数として受け止めたか、という話になると、それはややこしい話になる。もっか、この人類文明においては、という話で、一番大きい数ってことね。でも、日本というのはひねくれた(かどうか知らないが)国で、一つ足りない、という意味を持たせるんだよね。

 連作「また一つ引く」

満願にならないような人生を願う、そこからまた一つ引く

連峰の向こうではなくこちら側の峠の茶屋にいるとう噂

日がいいとパラグライダーのカラフルな人の落下が見えるよ、なんて

裏庭に小さい祠(ほこら)宗教をいやがったきみが水を換えつつ

迷信の生息地ほとんどなくて眠ってばかりの九尾のきつね

若き日はおおきな耳を隠してた黒髪も霜が降ってうつくし

ろうそくの火は分かつとも減ることと違うんだよと名言モード

それぞれの場所があるので帰りますたましいを見れただけでかなし

満たされた心を辞して百キロをガソリン心細きドライブ



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