9/24自由連句「ちちろ鳴く」の巻
土曜の夜のパラダイス感をうたう歌はいくつか思い浮かぶけれど、金曜の夜をうたった歌はなにがあったっけ。うう、すぐに出てこない。
「ちちろ鳴く」の巻
1 生きづらい人間か知らぬちちろ鳴く てるや
2 かなしいほどに涙こぼれず ほのか
3 塩分をお控えなすってカスピ海 よう
4 豆腐に限り泳いでもよい 朱夏
5 自転車に乗ってラッパを鳴らしつつ ほのか
6 目と目があって降るファンファーレ よう
7 なにpayにするか決済音できめ たみか
8 買ったかつらはバーコード状 よう
恋 失恋を終えて失失恋と呼び 朱夏
恋 あなたにあって失失失恋 てるや
花 心まで花泥棒は奪ってく よう
月 月に照らされ暴かれる罪 たみか
今回の自由連句は、なにかとてもいい空気が作れているような気がする。
小澤ほのかさんの豆腐からラッパの流れも気持ちよいし、
海月漂さんの涙から塩でカスピ海まで行くのもアクセル吹かしてるし、
袴田朱夏さんのしつれんしつしつれんも恋句としては奇妙だし、
寿々多実果さんのなにpayも結局なにpayにしたのかわからんし、
なによりも挙げ句がネガティブでおもしろいし。
表六句の連想が心地よいのかもしれないですね。裏六句はちょっと遊んじゃったけど(てるやがか。てるやがだ)いやかつらもだ。
でも、がたがたのちぐはぐのべたべたも、それもまた自由連句なのよね。