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【動画解説】田谷侑は語りたい⑪ 年に3日しか販売しない常備券 おわら風の盆に伴う臨発

年に3日しか販売されない常備券

年に3日しか販売されない富山ー越中八尾間の常備往復乗車券

常備券とは?

まずこの単語に引っかかる方がいらっしゃると思います。一般の方からしたら乗車券と言えば「きっぷ」か「ICカード類」の2種類で認識しているかと思いますが、きっぷ収集家は違います。
一言に「きっぷ」といっても裏面が磁気の「磁気乗車券」・印刷方式が感熱紙に印刷するなら「感熱券」・私鉄の端末から発見された券は「私鉄端末券」・・・と細かく細分化されています。「常備券」もその分類のうちの一つで簡単に説明すると「日付以外のすべての情報が事前に印刷されている券」を示します。なので、販売時に日付のスタンプ・日付の印刷のみを行う券は常備券ということになります。(もっと細かいことを書くと「前出し券」など例外もありますが、今回は省略します。)

富山駅での販売風景

なぜ3日間のみ?

さて、本題に戻ります。憎きチケットレス化が進む現代、自動改札機に通らない常備券は時代遅れの遺物のように思えますが「日付を記入するだけ」で使用できるため販売スピードが機械券よりも早いという利点があります。そのため特定の区間に多くの乗客が見込まれる場合、あえて常備券で販売し販売時間を短縮するという事情が生まれます。
ここ富山駅から高山本線で数駅のところに越中八尾駅があります。越中八尾では毎年9月1~3日(日付固定)に「おわら風の盆」という全国から人間が集まる有名なお祭りが開催され、3日間のみ富山~越中八尾間は立ち客が出るほどの輸送が繰り広げられます。その大勢のお祭り観客向けに富山駅では、越中八尾駅までの往復乗車券のみをコンコース内の臨時きっぷ販売所(通称:臨発)で販売します。そこで販売される券が常備券の為、ここに年3日しか販売されない常備往復乗車券が爆誕するわけです。

余談
ここまで年3日間しか販売されない常備券を紹介してきましたが、日本にはこのほかに年1回しか販売されない常備券も存在します。これに関しては私自身がまだ収集できていないので今回は解説しませんが・・・
きっぷ収集は本気でやろうとするとかなり時間の制約にとらわれる趣味(営業時間や年に数回しかないイベントなど・・・)だということをここに記しておきます。

以上、田谷侑は語りたい⑪
年に3日しか販売しない常備券 おわら風の盆に伴う臨発 
の動画解説記事でした。
今後も毎週このような形で解説記事を投稿予定です。
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