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それでも河野太郎氏を支持する理由

来年2022年2月の北京オリンピックが終了したタイミングで、中国は軍隊を尖閣諸島に派遣する。
日本の自衛隊がこれに対応しないという選択肢はあり得ない。
これにより77年ぶりに外国軍との衝突で死ぬ日本人が出てくる。
つまりは戦争をして、戦死する日本人が出てくるということだ。
日本は絶対に尖閣諸島を奪われる訳にはいかない。
北方領土しかり、竹島しかり、一度奪われてしまえば日本にそれを取り戻す力はない。
しかし、中国の方にも自分たちから侵攻してきて短期間であっさり諦めるようなまねはできない。
双方、引き下がれずに戦闘は長引く。

自衛隊に大勢の戦死者が出る。
当然、臨時に隊員を徴集せざる得ないだろう。
普段、Twitterで『日本が大好きです。反日の奴らは絶対に許せません』などとプロフィールに書いている愛国者の若者が、ここぞとばかりに「靖国の英霊に続け!」と続々と徴集に応じる。
みんな自分の徴集票の画像をSNSにあげる。
みんな自分が真の愛国者である事が誇らしいのだ。
そういった若者は、訓練もほどほどにどんどん最前線に送られていく。
なぜなら練度の高い自衛官は本土の守備に当たらなくてはいけないので、素人同然の若者を最前線に送らざる得ないのだ。
こうして尖閣諸島という、ちっぽけな岩場のために多くの尊い命が失われていくのだった。
いつ終わるともなく…。

中国も本当は、尖閣諸島に軍隊を派遣したいとは思っていない。
もし日本との戦闘が長引けば、ついにはアメリカを始め他国も参入してくる。
アメリカはNATOを始め同盟国を総動員。中国も負けじとロシア・北朝鮮・タリバンなどの協調関係にある各国・各勢力を総動員する。

第三次世界大戦だ。
仮に核が使用されるような事になれば、そのダメージは計り知れない。

核が使用されなかったらどうか?
それならアメリカやNATOに分があるだろう。
そうすると中国は降伏し、最終的には中国共産党は解体される。
かっての大日本帝国が解体されたようにだ。
中国共産党が、よりによって日帝と同じ滅び方をしたいと思うだろうか?
だから尖閣諸島には侵攻したくはないのだが、それはおくびにも出さない。常に強気のポーズは崩せない。
ちょうど大日本帝国が、アメリカと戦争すれば必ず負けると分かっていても、開戦を避けられなかったようにだ。

だがもし日本の総理が、中国を挑発するような言動を繰り返すのなら、中国は黙ってはいないだろう。自分たちがそのために滅ぶと分かっていてもだ。

河野太郎氏は、防衛大臣の際の2020年7月に国会で敵基地攻撃能力を「あらゆる選択肢を議論するのは当然」と答えている。
しかし、ここに来て「敵基地攻撃能力は昭和の概念」と言い、あきらかにトーンダウンしている。
ネット上では、河野氏のことを媚中派などと揶揄されているのに関わらず、なぜ発言を後退させる必要があったのか?

おそらく上記のような事態が念頭にあるのだろ。
あわよくば中国の尖閣諸島への侵攻を避けたい、そのためには中国に無駄な挑発をしたくないという考えがあるのだ。
逆に高市早苗氏には上記のような具体的な危機のイメージがあるのだろうか?
まさかとは思うが具体的な危機のイメージがないために、いくらでも勇ましい事が言えるということはないだろうか?

私が河野氏を推す最大の理由は、彼がタフでクレバーなネゴシエーター(交渉人)であるという事につきる。
河野氏はあらゆる手段を尽くして、日本の国益と国民の幸福とを、われわれにもたらしてくれる。
交渉し利益をつかみ取るために、その前段階では相手への配慮や譲歩も行う(そうでなければ交渉のテーブルにすらついてくれない相手ばかりなのだ)
残念ながらそれが、相手国への屈服や媚びへつらいに、一般国民には見えてしまう。
また、こちらの手札をすべて明かしてしまうという事もしない。
しかしそれが「記者からの質問を無視して偉そうだ」と狭い見方をされてしまうのだ。
(一般の国民ならまだしも、なぜジャーナリストや評論家と称する方たちがもう少し深い考察ができないのかが不思議ではあるが)

高市氏なら、勇ましいことを言って、愛国・保守の国民を沸かせることができるであろう。
しかし彼女には「外国との交渉」ということが念頭にあるのだろうか?
彼女の主張は端的で「自分たちが外交問題だと思わなければ、そこに外交問題はない」という事につきる。
本当にそれで日本の国益が守れるのなら、こんなにありがたいことはない。

これを記している現状では、高市早苗氏に勢いがあり、逆に河野太郎氏には逆風が強い。
当初はそれはネット上での話で、一般の党員での投票なら河野氏が勝つだろうと予想していたが、ここまで勢いに差があるとさすがに投票にも影響を与えるだろうと思われる。
それでも仮に河野氏が勝ってしまうと、国民からの逆風が強く政権運営にも支障をきたすだろう。

だったらここは高市総理の誕生を歓迎し、中国との戦争は高市総理に任せるというのがいいのかもしれない。
河野氏は高市氏のあとの総理を担って、戦後処理を行うのだ。
高市氏が77年ぶりに日本を戦争に導いた総理として、歴史にその名を残し、「親中」の河野氏が終戦を行った総理として名を残すのだ。
愛国青年たちの多くの命が失われるだろうが、これはやむを得ない。
本人たちも覚悟の上だろう…。

私が若かったら、ここで考えるのをやめただろう。
しかし、私はもう若くもなく、まだ幼い娘がいる父親だ。
やはり若い人たちが、その尊い命を散らしてしまう事にはどうにも抵抗がある。
中国の尖閣侵攻、中国との戦争を避けられるのであればそれに越したことはない。
であるのなら、やはりより中国との戦争を避けられる可能性が高いのは河野氏の方だ。
高市氏では、あっという間に衝突が避けられない局面にまで到達してしまい、簡単にはそこから引き返せないであろう。

他にも語りたい事は多いいが長くなってしまったのでここまでとする。

以上が、私がそれでも河野太郎氏を支持する一番の理由である。


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