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大きくなったら何になる?

あなたはいつまで将来の夢を見ていましたか?

子どもの頃に「大きくなったらあれになりたい」「大きくなったらこんなことをしたい」と夢を語る人はたくさんいます。

さて、あなたはいったい何歳まで将来の夢を見ていましたか?

私は子供の頃漠然と「作家として食べていきたいなぁ」と思っていました。
実際に、携帯小説を書いて本にしないかという話を頂いたこともあったのですが、何故か途中で立ち消えてしまい今に至ります。(短編が入った本は出してもらえました)

そんなわけで、作家として食べていく夢は50歳になった今も叶っていないのですが、実は現在「ライター」として文字を書きながら、月収30万円以上の収入を頂いています。

まさか、幼い娘の一言でこんな人生が開けるなんて当時は夢にも思っていなかったのです。

今日はそんな思い出話を聞いてもらいたくて文字を打っています。

これは、娘が3歳、私が40歳の時の話です。

うちの子供は「ケーキ屋さんになりたい」「お医者さんになりたい」「先生になりたい」とたくさんの夢を話していました。

でも、ある時幼稚園の友達から「一つのことにしかなれないんだよ?」と言われてとてもしょんぼりして帰ってきたのです。

とはいえ、私の知り合いの医師はパイロットの免許を持って飛行機を運転していましたし、二足、三足の草鞋を履いている人は大勢います。

だから、「そんなことないよ!夢はいくつあってもいいんだから!!」と励ましていたんです。

そんなある日、娘が急に言ったんです。「お母さん、大きくなったら何になるの?」って。

お母さんの将来は?

実は私は、不妊治療の末ようやく娘を一人授かりました。二人目の不妊治療にも取り組んでいたのですが、40歳になったのを機に、不妊治療を諦めたところだったんです。

そんな私に、幼い娘が急に「お母さんは大きくなったら何なるの?」と聞いてきました。

私は氷河期世代。50社エントリーしても1社も受からずに、税理士事務所に就職して、経理のスキルを身につけ、その数年後に友達の勤務している会社で「経理職を探しているんだけど一緒に働かない?」と言われて就職したのです。

その会社では随分長くお世話になったのですが、転勤族の夫と結婚したため、数年後に退社。

――つまりもう、私は結婚後専業主婦となって、数年の不妊治療ののちにようやく一人の子供に恵まれて二人目は諦めるしかなくて――もうこれで終わりかなって思っていたところでした。

そんな時に改めて娘からとても純粋な眼差しで「大きくなったら何になるのか?」と問われた私は、自分の中に抱えているものを棚卸することにしたのです。

そういえば私、かつては起業してみたいって思ってたんだよなー……。文字を書いて収入を得たいって考えていたんだよな……、などなど、心の中にはまだ、火種がくすぶり続けていることに気が付いたのです。

「独立」のイメージがわかなかった私は、思い立って経営者の元でしばらくバイトをしました。経営者として働く人を見てみたかったので。

バイトをしながら、途中からはブログ運営を始めてみました。数カ月後、ブログで得た知識やスキルを活かしてライターとなり、現在はフリーランスとして仕事をしています。

娘のあの一言がなければ、あのままずっと「起業家」の夢の続きを見ることはなかったのだと思うと本当に不思議な気持ちです。

40歳になったときに見た「将来の夢」は、ほんの数年で実現しました。

まだまだここで満足せずに、再び自分に問いかけたいです。

「私は将来どんな大人になりたいの?」、と。



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さりな@ライター×オンライン秘書
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