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一切のネタバレを禁ズ
アイシールド21が今週のジャンプに載っている。
2009年に連載終了したアイシールド21が!!2024年のジャンプに!!載っている!!
もう大騒ぎである。
本当に悲しいことに今は手元にないけれど(実家に置いておいたらいつの間にか…)もちろん漫画は全巻持っていたし、画集も持っていた。
今は部屋に名シーンを額装して飾っている。
(↓それについてはこの記事を読んでみてね)
SNSは見ない。ネタバレはもちろんのこと、どのキャラクターが登場するのか、読んだ方が何を感じたのか、そういった一切を排除して過ごした。
発売日、アイシをあまり知らないものの、せっかくだから読んでみることにしたという友人から
「今から読むよ。推し誰やっけ?」と電話がかかってきた。
「答えるけど、そのキャラが出てくるかどうかは絶対言わんといてな!!」とネタバレ予防線を張る。
相手が「いつもモブばっか好きになるから今回も出てこんのちゃうか~」と笑うので
「モブちゃうわ!」と勇んで推しの名前を伝えたところ、
「え…?誰…?」と困惑した声が返ってきた。
にわかは黙っとれ!!!!!!!!!!
ひとまず、ネタバレは回避した。必死である。
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一生に一度しかない「アイシの新作を14年半ぶりに本誌で読む」瞬間を邪魔されたくない。
ページを捲るごとに自分が何を感じて、どんな感想を抱くのか、そのすべてを誰かに左右されたくないのだ。
その感想が例えネガティブなものであってもいい。
その瞬間の瑞々しい自分の感性を目いっぱい感じるという「体験」が大切なのだから。
先日、友人から「このスニーカーどう思う?」と、とあるスニーカーの画像が送られてきた。
ベーシックなグレーで、でも少しだけソールの形が変わっていて、
最近子供が生まれ「おしゃれなパパになりたい」と言っていた友人にぴったりのスニーカーだった。
そのまま本人に伝えると、
「検索するとダサいって出てくる」
と言う。
は~~~~ん?
「皆が口を揃えてダサいというものを、
もし誰より格好良く履きこなすことができたらどう?
雑魚どもを蹴散らすくらいの気概で履いてみせてくれよ!!」
とブチギレながら返信をすると、
友人からは
「ありがとう。実はそうやって背中押してほしかった。買った」
と返ってきた。
新しい靴を履く瞬間、大好きな作品の新作を読む瞬間。
日常にはもう二度と味わえない一度きりの体験がたくさんある。
その、心が動く様を全身全霊で感じる瞬間は誰にも邪魔させないでほしいなと思う。
大袈裟かもしれないけれど、それらの積み重ねが、ありきたりな日常を輝かせて見せてくれるはずだから。
そんなことを思いながら、この瞬間を噛みしめてアイシールド21を読んだ。
携帯の通知をオフにして、温かいカフェオレをお供に。
私の推し、出てこなかった。
推しはモブじゃない。断じて。
皿 割子