最高の習得方法は「楽しく学ぶ」
限りある研修時間を有意義に使いたい。
これは、講師も受講者も同じ想いのハズ。
なのに、一方的な講師の説明。
覚えることに忙しい受講者。
5分・10分と時間が経過するにつれ、一人脱落(つまらなそう)、また一人脱落(スマホいじり)と教室内が不穏な雰囲気に。
そうならないための方法あります。
受講者にとって「楽しい」は、講義への集中力、自発的な学びの源となります。
その「楽しい」の引き出し方をお伝えします。
「楽しい」の種類
講義・研修に求められる楽しさには種類があります。「英語」で表現しながら挙げてみましょう。
Fun
一般的に、ゲームやパーティー、スポーツなど、楽しさや娯楽を感じる活動に使います。ユーモラスで軽い楽しさを表現します。
Enjoyable
楽しいというよりも、心地よくて満足感を伴うときに使います。体験全体を心地よく感じる場合に適しています。
Entertaining
見たり聞いたりすることで楽しさを感じる場合に使います。映画やショー、プレゼンテーションが興味深くて面白いときに使う表現です。
Exciting
刺激的で、わくわくするような楽しさを表現します。何かが新しくて活気があると感じるときに使います。
Interesting
何かが興味深くて注意を引く場合に使います。知的な関心を引き起こし、もっと知りたくなるような楽しさを表現します。
Intriguing
謎めいていて興味を引く場合に使います。何かが不思議で、その詳細をもっと知りたくなるときに適しています。
Mind-Opening
新しい視点や考え方を提示して、視野を広げるような楽しさを表現します。何かが今までの考えを変えるきっかけになる場合に使われます。
これらの「楽しさ」を効果的に演出して、受講者に最高の習得方法で成果を出していただきましょう。
講師はエンターテイナーではありませんが、学びを指揮する指揮者である以上、エンターテイメント性も十分に活用しなければなりません。
研修へ「楽しい」を取り入れる
研修へ楽しいを取り入れる工夫は大切です。
それぞれの楽しいをどのように取り入れるか、例を挙げて説明します。
Fun(娯楽的楽しさ)
娯楽的要素の楽しいは、研修の最初、アイスブレイクに取り入れるとよいでしょう。グループ内の自己紹介の時間に、講義内容に関連する項目について「一言」を必ず自己紹介に入れてもらう。
その「一言」について、他のグループ仲間から返答をもらうという自己紹介は楽しいものです。
AIのセミナーの場合、自己紹介+「AIが発展したら将来はどうなると思っているか」をチーム内で発表していただきます。
他の受講者はその「一言」想像について、何らかの「一言」を返すことにより、自由な発想で笑いがあったりして楽しいを引き出しています。
Enjoyable(満足感的楽しさ)
心地よく満足できる楽しさは、受講者にとって「丁度良いレベル感の研修」を受けているときに得られるものです。
簡単すぎず・難しすぎず。
受講者の個々のレベルに合わせた質問を投げかけ、回答を得る。その回答の良さをフィードバックする。この行動は、受講者にとっては「心理的安全性」が確保され、学びの満足感を得られるものになります。
講義の中で個々人のレベルを見極め、適切な質問をする。全体を見ながらも個々人を見ていますよと「受講者個人の存在」を認め、適切な質問を投げかけてみましょう。
Entertaining(見聞きする楽しさ)
スライドの中に「動画」を組み込んでみましょう。
受講者は、「講師の話」「スライドの文字・画像」「他の受講者の発言」などから刺激を受けます。そこに「動画」というコンテンツを 少しだけ 取り入れてみると、受講者の脳裏にその動画が強く焼き付き、覚えてくれます。
ここぞというタイミングに、スパイスとして「動画」を入れる。
この技、結構な確率で受講者の成果につながります。試してみてください。
Exciting(刺激的でワクワクする楽しさ)
講義の中に予想外の内容やトピックを盛り込むことで、学習者の興味を引き立てることができます。
途中でサプライズなゲストスピーカーを呼んだり、特別な発表をしたりすると、驚きと興奮、つまりワクワク感を演じることができます。
簡単な例だと、予想外の数値が解答になるクイズを出すのも良いです。
Interesting(興味深くて注意を引く)
受講者個々の興味は異なりますが、セミナーの内容の一番醍醐味となる部分を、少しだけ深堀して、基本の理解があるからこそ分かる内容という難度の物を盛り込むと良いでしょう。
講義の中盤以降で、難度を一段上げて思いっきり考えを深めていただく時間を作ると、受講者の方々の脳は活発になり、集中力を増してくれます。
難度を上げっぱなしにすると、受講者は疲れてしまいますので、元に戻すことを忘れないようにしましょう。
Intriguing(謎めいていて楽しい)
講義の話の中で、解答のない未来予測や未解決の問題を取り上げる。受講者に想像を巡らせていただく時間を作りましょう。
また、講義が複数回にわたる場合、次回に続く形で講義の流れや問題を終わらせると、参加者の興味を次回まで持続させることができます。
例えばIT系セミナーだと、
「世界のコンピューターの常識を一変させるゲームチェンジャーが登場します。それは、現代のコンピュータの数億倍の処理能力を持つ『量子コンピュータ』。これまでの暗号化技術は瞬時に解読され、AIが一瞬で人間以上の反応をする時代が来ます。世界はどうなってしまうのでしょうね」
などの、未来の回答のない質問を投げかけ、空想を巡らせていただきましょう。
Mind-Opening(新しい視野を得る楽しさ)
講義の内容に沿うような事象で、常識を覆す情報を提供する。パラドックスや逆説の紹介する。
また、個人のバイアスに気づかせるのも醍醐味です。未知の領域や最新の研究を紹介するのも、視野を広げる方法ですね。
例えば、IT系のセミナーで
「ITが発達しAIが普及するとき、人間に必要なのはITスキルでしょうか?ITスキルを必要とする業務はAIがやってくれます。人間に必要なのはAIとやり取りするコミュニケーション能力です。」
と逆説的な、IT系セミナー受講者の常識を覆す情報を提供するのも視野を広げる楽しさとなり伝わるのではないでしょうか。
「楽しい」は最高の習得の近道!
受講者にスキルや知識を習得していただくには、「楽しい」という感情を持ちながら講義を受けてもらうことは必須です。
今回挙げた7つの楽しさを、ぜひ、みなさんの講演やセミナー、講義に取り入れてください。
受講者が「楽しい」と感じる講義は、講師も「楽しい」です!
プレミアムお土産
記事を読んでいただいたみなさま、ありがとうございます。
みなさまが、講師として登壇する練習、わたしが壁打ち相手になります。
一緒に練習しませんか?(スライドのレビューなどもしましょう)
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讃良屋安明公式ブログあります。お時間のある時に覗いてみてください。
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