Vol.3 熟年空手女子の押忍👊が言えるまでの道
初稽古にて最初の課題は「押忍」ってちゃんと言えること!
もう、20数年前のことです。
空手をやってる某殿方たちと、とある会合でお目にかかったのですが、彼らのご挨拶や会話の途中のお返事も「オス」一辺倒だったことに、面食らったものです。
女子ですから、子どものころ愛読したスポ根漫画は「アタックNo.1」や「エースをねらえ」といったバレーボールかテニスものが中心で、「巨人の星」や「タイガーマスク」はちら見しても、「空手バカ一代」は全くかすりもせず!
なので「押忍」と書いて「オス」と読むなんてことも、実は、わりと最近知ったのです。(目にしても、押印、押収・・・オウニン? それは応仁の乱だろ!・・・みたいな脳ミソでございまして・・・)
作家生活が40年を超えていても「押忍」を知らなくても生きてこられたくらい縁遠かったのです。(押忍と書いたら、むしろ、かつてのスターアナウンサー・押坂忍さんをイメージする・・・わかるかな?・・・昭和なさらたまです)
なもんだから・・・空手を習うと決めたはいいけど正直、最初に戸惑ったのは「押忍」を口にすることでした。
最初に体験見学したときに、道場では当たり前のように「押忍」が飛び交っていました。
当然、空手女子のみなさんも、道場に入ってくるなり「押忍!」
いやはや、これ、私もやるの?・・・みたいな心の中でのプチ狼狽!
親しい友だちとは「オッス、元気?」みたいに挨拶を交わすことはあったにせよ、もう還暦過ぎたおばちゃんが真面目な顔して「押忍」って・・・いきなりそりゃ、抵抗ありますよ。
しかもでかい声で「オッス~!」なんて!
しかし、押忍がいえないと空手の稽古にならないわけで!
なもんで、入門して初めての稽古のとき、決意しました!
「空手はへたっぴいでも仕方ないが、今日はせめて押忍だけはちゃんと言えるようになろう!」
というわけで、道場の入口からの「押忍」を冒頭の動画のように練習したのでありました。
やってみると、最初の第一声はたしかに、緊張しましたけど、二度、三度ですぐ慣れます。
大きな声で言えたととき、「ああ、コレで、空手の神様にウエルカムされたかも!」って思いました。
そう、小声でぼそぼそはダメ! 大きな声で「押忍」!
意外と便利すぎる!「押忍」は万能なことだま
押忍・・・使い慣れていくと、こんな便利な言葉はありません。
極端に言えば、道場では「押忍」だけ言えたら事足りるほどです。
押忍には、「おはようございます」「ありがとうござます」「わかりました」の意味でも、あと単純に「はい」という返事にも、全部「押忍」ひとつでOK!
あ、そうそう、名前呼ばれたときも、大きな声で「押忍」とお返事です。
現にJKJさらたまも、稽古中、先生に「もっと腰を落として」「まっすぐ」など御指導いただくときも、「上手くできましたね」とちょっと褒めていただいたときも、全部お返事は「押忍」です。
「いいえ、できません」「いやです」といった類いのネガティブ要素は押忍にはないので、押忍を連発してると、人間そのものがポジティブ思考になりますね。
しかも、押忍は、世界で1億3千万人いるとされる空手愛好家の共通語。
世界中どこでも「押忍(OSUまたはOSSU)」で通じる空手。
いいなあ、なんて素敵!
一説には「押忍」は「おはようございます」の略で(あざーすみたいな!)
そこに「押して忍ぶ」という概念(※これは、入門したてのJKJにはとても言及できない武道・空手道の広く深く濃い世界観・哲学があるようで💨)
が備わって受け継がれて、空手を愛する人たちの人口に膾炙した、もっとも
美しい言葉なんだんあ・・・とようやくわかってきたのです👏
最初はあんなに抵抗があったのに・・・
今じゃあ、多分、日常、一番、発してる言葉が
間違いなく「押忍」です。
ほぼ、同時期に稽古を始めたJKJ仲間も、みないい年したおばさんながら、
押忍、押忍を楽しく連発してます。
慣れってすごい! と実感します。
道場のお仲間や、空手に親しんでいる(いた)とわかった方々とのメッセージのやりとりにも最後は「押忍👊」と結んでいます。
ということで、JKJ熟年空手女子は今日も!
「押忍! 気合いを入れて~!」
稽古に励みます。
押忍👊
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