幽霊、2023年8月の仕事。
8月の仕事は、『ZAITEN』の連載コラムと、新連載です。
ZAITEN『時代観察者の逆張り思考』
9月号の『時代観察者の逆張り思考』は、「現人神を祀って煮詰まるオピニオン誌」。
文字通り、あちこちの現人神を祀って煮詰まっているオピニオン誌の状況を眺めております。読者の傾向に合わせすぎて、記事や特集がルーティン化している問題というか。
つい最近も、どっかのオピニオン誌が数ヶ月前の座談会の原稿を使いまわしていたという話を聞いたけど、健康雑誌の「酢大豆」特集じゃあるまいし、それはさすがに手を抜き過ぎだろう。
でも、お年寄りには売れるんだよな。
近所の本屋の平台には『文藝春秋』と『WiLL』と『Hanada』と『世界』が並んでいるし。増刷された『世界』は今月だけだろうけど。(岩波書店は買い取り制のはずなので、売れ残ると面倒くさい)
現代ビジネス『時代観察者の斜め読み』
新連載です。
ワイドショーな「事件」の裏側というか、知られているようであんまり知られていない芸能ゴシップ&サブカルチャーの「歴史」を斜め読むというコンセプトの時事コラムですな。
『ZAITEN』や『サイゾー』の連載はマニアックで怪しい話題も扱っていたけど、こちらは珍しくweb連載なので、普通の巷の話題を過去の「歴史」で掘り下げていく普通のコラムになるはずです。
もっとも、「本音を申せば」や「ドッキリチャンネル」みたいな野次馬コラムを書こうか、と思って書いたら、まったく別物になったのは、まあいつもの通り。
なお、♯1は『ジャニー喜多川の性加害と戦後の日本芸能史』というテーマで、デヴィ夫人、ジャニー喜多川、山下達郎の三題噺を書いております。
しかも、成り行きで3回分を一挙掲載となりました。
附記徒然。
昔の稼業を知るひとからは「なんでまた、芸能やテレビ、ラジオの話なんて書いているのか」と言われることがあるんだけど、アニメ、ゲーム、漫画の話と何が違うのかよく分からないな。
どちらも世俗の流行を語っているのだからね。娯楽としての深度もそんなに変わらないよ。
ましてや、いまはコラムニストなのでね。
ジャンルライター界隈のせせこましさが嫌になって批評家の看板を下ろした、というのは前に書いたけど、それ以上に、より軽佻浮薄でありたいな、と思っております。