創作はうつー 情報密度
そろそろもう全部書いた気がしてきた私です。
今日はそう、タイトルにある通り密度の話です。
何のこっちゃって顔されますね、これから説明するのだから当たり前ですが。
これは以前説明した、リズムの話とかなり近しい領域です。あと描写の話も結構関わってきます。
まず例を出しましょう。
扉を開けて家を出る。
ポストの前を通り過ぎた。
目的地である駅はもう少し先だろう。
歩道橋を渡ってやっとついた。
はい、クソですね。
掃いて捨てるどころか吐き捨てるようなクソです。
ではどこが悪いのか、触れましょう。
まずリズムです、語尾こそ割とバリエーションを持たせてますがワンパターンすぎます。
何でもかんでも倒置法にする失敗はよく聞きますが、何でもかんでも順置であればいいわけじゃありません。
次に描写ですね、主人公が何を考えているかさっぱり分かりません。あと情景が浮かんでこないくらいこざっぱりしてます。
見るものわかるもの全部吐き出すだけで何も考えてないタイプライターみたいな人ですかね。
そして密度が濃いです。
あ、首傾げてますね。
わかりますわかります、密度が薄いのがダメなのは分かるけど濃いのは何故ダメなの?って顔ですね。
えーっと、簡単な話をしましょうか。
私たちは考えながら作品を読んでます。大なり小なりその機能に差はあるかもしれませんが、何かしら考えてます。
ではそこにひっきりなしに違う情報を入れてみましょうか。
間違いなく混乱します、少しだけ動かしたミキサーの中身みたいになります。
ひとつのものに落ち着いて、では次にの構成をとらないとそれは解決されません。
それを踏まえて例文に手を入れてみましょうか。
扉を開けて家を出た。
家の近くにある赤いポストの前を通り過ぎる。近くのポストは便利ではあるが、よく人が来る原因にもなると思うとやや一長一短かも知れない。
そんなことを考えていると、目的地である駅が見えてくる。
駅前の大通りにかかった歩道橋を渡ってやっとついた。
内容はそこまで変わってないです。
やったことは
ポストについての話を膨らませたこと
2文目と3文目に橋渡しをしたこと
何処の何かを明確にしたこと
でしょうか。
私たちは頭の中で承知していることも書かないとわからないです。なので思っているより必要な情報は遥かに多い。
けれど必要な情報ばかりだと目が回るんですよね。情報と情報の間にクールダウンの時間だったり、上手い橋の渡し方をやってみてください。