誰かの愚かしさには愛を捧げられるのだけれど

自分には無理だわ

何とも浅ましい自分だなあと、思う日がないわけではない
普段から「私は聖人君子ではないよ」って言ってるしその通りに振る舞ってるから当たり前ではあるんだけど
それにしてもって話さ

ん?おや、いきなりどうしたんだお前って顔されてるな?
至極当たり前の反応だな!俺だって立場が逆なら似た感じになるわ!

んーと、ほら、特別扱いされるって、気持ちいいよね
誰かより優先されるとか、何か具体的に求められるとか、個として認識されるなんかから先はだいたい特別扱いだ

それを素直に嬉しく思うけれど、同時に浅ましいなあと思うところがある

一口でまとめるなら、その嬉しさに絶対性と相対性がどれほどの割合で含まれてるのかってことに尽きるんだ
そうでない誰かがいるから余計に嬉しい、という部分が全くないかと言われれば自分は間違いなく首を横に振る

そうなるともう
選ばれたから、他の何かをその人は自分のために無自覚であったとしても捨てたのだから、嬉しいなんて感情とたまに対面することになる

いやあ、鬱々ともなるわこんなの

それと同じだけ、次がなかったらどうしようとか選ばれなかったらなんて怖さがあるから
たまに人間関係とか期待の全てをぶった切って殻にこもりきりたくなる

そしたら自分は選ばれない悲しみに遭うこともないし、誰かは自分の分選ばれるかもしれない
果てしなく詭弁だと自覚してるから、できないけどね


そういや思い出したけど

「作品の主題=作品内で叫ばれること」

じゃなくていいんだよね

いやさ、だいたいそういうところない?
流行りのものを見ると、「作品内に良い行動があって、それを賛歌するのが主題」ってことが多い気がするの
実際まあ、自分も嫌いではないんだけど少し食傷気味かな

そこでフッとね、思い出したのよ
「どこまでも間違ってて、こっちにそうじゃないだろって気持ちを抱かせる」作品

あれも立派な主題なんだろうなあって

俺は「不快感とて感動である」の国の人だからさ
どこまでもマイナスに走るのも、またありだと思うの
「悪辣なものだって人間と切っては切れないもので、否定するものでは無い」みたいなやつとか好きだし

それでもほらやっぱり自分は青空が好きな人間だから
間違った何かを使って、「それでも空は青い」みたいなこと言われると弱いんだなあ