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喜納焼き

「目利きの眼でモノを見てみる」

『ああ、伝説のパナリ焼きね・・・』

と店主が他のお客さんと話していた。
ナニカ臭ったというか、コレは何かアルぞ
そう感じ、何ですかそれは?と立ち話を
している2人に詰め寄り、話を聞きだした。

沖縄、国際通り近くにある骨董屋
に足を運んだ時のことだ。

するとどうやらそれは八重山諸島で昔作られていたけど、
今は数が少なすぎてプレミアになっているのがソレだという。

見つかったとしても奪い合いで、ほとんど
市場に出回ることはないらしい。近々
那覇の壺屋美術館である有名な琉球陶器
のコレクターが展覧会を開くらしいから
もし時間あれば行ってきなよ、パナリ焼き
も数点でてると思うよ。店主にそう言われ、
休みの日に行くことにした。

※『琉球古陶その美と流れ』と題された
看板を過ぎて那覇の壺屋焼物博物館へと入る。

するとそこには、壺屋焼、喜納焼き、
涌田焼き、と琉球陶器の脂が乗った時代の
優れ物が、たくさん展示されていた。たしかに
琉球陶器のコレクターではこの方がおそらく
トップクラスと巷で言われたいるのも無理はなかった。
選りすぐりの物ばかりだった。

その日はちょうど、琉球陶器の名器を一般の
人にも手で触れて、陶芸家の方もお招きして
魅力について皆んなで語り合おうという
こじんまりした座談会もあったので参加した。
そこには今活躍されている陶芸家の方もおられた。

そこで話の間で、浜田庄司旧蔵の油壺が
出てきた。浜田庄司は骨董界隈ではハマショー
と親しみを込めて呼ばれており、人気は根強い。
その油壺を触らせたいただいた。
普通の油壺なのだが、鉄絵が書いてあった。
涌田茶碗だったり、昔の琉球陶器は、鉄絵と
呼ばれる墨で唐草模様を陶器にささっと書いた
図柄が結構ある。鉄絵があるだけで、値段も
跳ね上がるらしい。今はほとんど鉄絵ありの陶器
はなかなか出てこないらしい。話が逸れたが、
この浜田庄司旧蔵の油壺も状態もよく、
すばらしい逸品だった。

喜納焼きの魅力に僕が目覚めたのも、この
展覧会を教えてくれた骨董屋の店主と、この
コレクターの方のおかげだ。たぶん、古伊賀と
喜納焼きの徳利を目の前に出されて、どっちか
言い当てろと言われてもなかなかむつかしい
ほど土質が似ている。

展覧会でお話する機会があり、喜納焼きなんて
焼物初めて知りました。とてもすてきです。
そうお伝えするとうれしそうにいろいろと
語ってくださった。喜納焼きは琉球陶器の
中でも数が少なくて集めるのが大変らしい。
パナリ焼きに関してはさらに数が少なく
これもまた集めるのが困難だという。

陶器愛好家の僕としては非常に貴重な
展覧会であった。話にまとまりがないけど、
陶器好きの方といろいろ今後情報交換して
いきたいなと思ってます。それでは。

◇参考文献

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◇参考url

✴︎
風景結々さんが喜納焼きのことを
詳しく語られております。



✴︎
那覇市立壺屋焼物博物館について

✴︎
琉球古陶のコレクションについて

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