MAXON D&SⅡを考える
D&SⅡは好きなペダルなのですが、
あまり情報がなかったので、個人的なまとめをしていきます。
外見上で3種類(写真右から)
・ナローケース LED DCジャック無 (以後初期)
・ナローケース 5mmLED、DCジャック有 (以後後期)
・ラージケース OD-802 (以後OD802)
ちなみにナローケース 3mmLED 筐体上側にDCジャックのリイシューモデルも出ていようですが、未所持なので今回触れません。
リイシューモデルがどの時期のリイシューなのかちょっと気になります。
中身を見ていきます。
初期、後期とOD802で大きく異なる為、別軸で見ていきます。
基板はプラBOXに収められています。
フットスイッチが初期がDPST?,後期がDPDTになっていて、
切替方式は当時よくあるeffectがぶら下がってるパワー系バイパス方式ですね。
D&SⅡの個体で持っていない事や構造上の違いはないのでフワッと書くに留めますが、
初期タイプでも時期によって違ったフットスイッチの物もあり、
今回取り上げている物は裏蓋のシールにシリアル捺印。
それよりも前?の仕様で
裏蓋自体 MADE IN JAPAN のシルクで、筐体直シリアル捺印といった違いがあるようです。
基板を見ていきます。
電解コンデンサはヘタっていたので交換しているのと、
後期はNECの1458に交換しています。(本来は後期もMC1458Pですね。)
仕様として違うのが2点あります。
1 、クリッピングダイオード
初期:シリコン(1s1588?)
後期:ゲルマ(型名不明)
2、後期において抵抗1本追加(基板左下)
Outカップリングコンデンサ、BALLANCE(Volume)ノブ3Pin間に100Ω
2は音色的な影響はほぼないので置いておきます。
1クリッピングの違いは音色で言えば全然違うので、
個人的には正直違うペダルと言ってもいいのではとも思います。
余談ですが、外装、構造設計と回路設計の変更がで量産製作において
完全同一で変更されたとは考えにくいので、
(そもそも一緒のタイミングでの仕様変更か不明ですが)
[外装-初期,回路-後期] [外装-後期,回路-初期]
こういった物があってもおかしくないと言えます。
(所謂過渡期なんて言われ方をしますね。)購入したいと思った時、外観だけで買ってしまうと音色としてどっちの仕様か分からない可能性があって非常に厄介なところですね。
OD802を見ていきます。
キャラメルスイッチ期以降、9シリーズ、01シリーズなど構造はスイッチが違うのみでほぼ固定化されていますね。
個人的にバイパス音は苦手なのですが、キャラメルスイッチは見た目が好きです。
DCジャックのみ基板直付されていて、DCジャックすぐ近くで1ヶ所ネジ止めしている事が分かります。
基板A面を見ていきます。
これについても電解コンデンサは交換済となります。
クリッピングダイオードは後期と同じくゲルマ(型名不明)。
ちなみに、元々の電解コンデンサは初期に薄紫のコンデンサ(松下製?松下っぽいマーク有)がありつつ、以降はほぼ水色のnichicon製の物が付いていたようです。
全体的な回路について。
回路構成が初期、後期とOD802では大きく変わっています。
初期後期
Input→ゲイン→クリッピング→トーン→Outut
od802
Input→バッファ→トーン→ゲイン→クリッピング→バッファ→Output
初期後期について
大雑把に言うとdistortion+の回路後段にts風なtoneを付けた形です。
OD802について
これ以降のMAXONに言えますが、バッファが付き、またトーン、ゲインステージの回路はほぼ同一ですが定数は違います。
こう見ていくと、3台同じ名前が付いているのですが、
回路、音色としては全然違うペダルなんですねーとなります。
初期、後期については好みもありますが、
シリコンクリップの方向性であればSD9が私は圧倒的に好きなので、あえて選ぶ物なのかなといったところです。
後期はDistortion+にトーンを追加して非常に良い方向に昇華してると思っていて、Distorion+が好きな人は刺さるのではといった印象です。
(そもそもDIstortion+が過小評価されている感が否めないのですが)
OD802は全然違うペダルなので、なんとも言い難いところですね。
ゲインステージの手前にトーンを置くのは珍しい構成かなとも思いますので、個人的には面白いペダルだなと思っています。
同名でありながら、かなり仕様の違いがあって面白いんではないでしょうか。
ちなみにD&S(OD801)でもラージケース移行後、Toneの回路が変更されていたり、この時期のMAXON製品は構造仕様変更に合わせて回路も変わっている印象です。