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何とかする

 毎月開催している坐禅会で、30分の坐禅のあとに簡単な茶話会を開いています。坐禅30分、茶話会80分。気づけば茶話会の時間の方が長いという、興味深い内容になってきています。


コミュニケーションが気分を変える

 先日、坐禅会の参加者さんがこんなことをおっしゃっていました。

「坐禅のあとの平らな気持ちで皆さんと接する茶話会が好きです。」
「茶話会でみんなの感想を聞けるのが楽しい。」

 30分間じっと坐禅をして集中している間は、もちろんおしゃべりもしなければ、周りの様子をキョロキョロと伺うこともしません。隣同士座っていても、自分に集中しています。その後の茶話会でのコミュニケーションのなんと新鮮なことでしょう。黙って集中し、体と心が調ったところで、本堂でゆっくりお茶を飲みながらおしゃべり。感想や疑問を自然に共有し、時には人生を変える言葉に出会うこともあります。

何とかなる 何とかする

 先月の坐禅会でのひとこまをご紹介します。なるべくスマホを使わずに海外を長く旅された男性がご参加くださり、茶話会でこんなことを話してくださいました。

「旅をしていると困ったことが起きることがある。9割は何とかなるけれど、1割は自分で何とかするしかないという時がある。自分で何とかして乗り越えた時にすごく成長する。」

 それを聞いていた別の参加者さんがハッ!とした顔をされて、いい言葉を聞けたと喜んでおられました。きっとその日のその方にとって、胸に響くものがあったことと思います。(私も感動してすぐにメモしました。)

自然な感覚

 日常生活に追われていると、やるべきこと、やらなきゃいけないことに埋もれて、自分の自然な感覚がわからなくなることがあります。いざ、「何とかする!」という事態になった時に大切なのは、自分の中のです。坐禅で思考を休ませ、肩の力や身構えがほぐれると、自分の中の自然な感覚が表れてくるのを感じることができます。何度も坐禅をしているうちにその感覚は確かなものになって、軸となっていきます。

 自分が自分である自然な感覚や軸を坐禅で豊かに育て、いざというときはその時の出会いや状況などのとひとつになって、がむしゃらに乗り越えていく。坐禅の力は、目には見えないけれど、前進していく土台をいつのまにか作ってくれているのかもしれません。

 こんな話になったのも、坐禅をしてお茶を飲んだから。坐禅で体と心を調え、茶話会で気づきに出会う。どちらも大切な時間です。

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