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マクトゥーブ(運命)

今日、帰路、雑誌BRUTUSの「猫になりたい」を買おうと思って本屋に寄って目に入ったのが、この文庫本。アラビア語を齧ると、大抵の教科書で一番初めに出てくるのが、kataba (書く)という動詞。(日本語の「言葉」と似ている!)そこから派生して、maktub という語が出来るのだが、「書かれたもの」ということで、「運命」という意味になる。ストア哲学では、Amor fati(運命愛)という格言があり、変えられない運命を受容することを勧めている。アラビア語、運命で連想するのが、映画「アラビアのロレンス」のなかで、ロレンスがはぐれたベドウィンを連れ帰って、"Nothing is written."(運命は変えられる。)と宣言するシーンだ。その後、そのベドウィンを殺さなければならなくなったり、トルコ軍に捕まって拷問、凌辱を受け、その傲慢さを失っていくわけだが…そんなことが頭を過って衝動買いしてしまった。
 パラパラ頁を繰ると、どうやら短い話を集めたものらしい。一編一編が短いものなので、セネカの手紙が終わったら、来年の話でしょうが、スペイン語版で読んでみようと思います。原文はポルトガル語なので、方言くらいの差で原文の良さを享受できるかなと楽しみです。

ちなみに、"Nothing is written." は、スペイン語で、"Nada está escrito." とか、 "No hay nada escrito." というふうに訳されているようです。


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