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[感想]君たちはどう生きるか

観た後に浮かんだのは「悪夢」の一文字。 宮崎駿の夢の中に入り込んだ2時間だった。 冒頭、火事の中走る少年の足、 頭を石で叩き流れる血、 青鷺が歯を見せて少年を誘い出すところ、 カエルやコイが少年を呑み込もうとする描写、 懐かしい海や建築、 紙に襲われ2人が倒れ込み幕が落ちる演出。 少年が積み木を積むことをせず、自分の世界を生きると決意する言葉。 断片的な記憶と景色が流れ次々と切り替わる場面、それを導く青鷺の俯瞰的で独白のような言葉は、舞台を観ている感覚に近かった。 直ぐに

    • お仕事に疲れて

      ベッドに横たわっている今、目を開けて突然、綺麗なレストランのテーブルでフランスパンを食べる状況だったら辛い。 それでも5秒後には素知らぬ顔でパンにオリーブオイルを浸している自分。そういうのが私。 諦めか度胸か呑気なのか、おめでたいんか。 パンの後はスーッと背筋を伸ばして、スープの味を確かめている。 とりあえずやってみて、案外できたりやっぱり出来なくてみじめになったり、今は出来ないけれど練習すれば出来そうな手応えがしたり。 だから手と体を動かしてみる。 これはぜんたい赤子

      • 赤ちゃん

        目覚ましが鳴って 私が生まれ変わる ちょうど そのころ ほんとに生まれてきた いとこの赤ちゃん 私が世界を認識したとき 彼もまた 閃光を映ずる ぴかっと輝く姿を からだこころこえをことばに 詩を思い 活字を追う私 彼は両手を握り 孤独になみだする てのひらめぐりあしのさきまで 君を抱きあげる おおきな手は わたしであり あなたである やさしく つよく ちいさい拍動

        • 同僚が、24時間以内に平面展開から絵を起こす、 パースGPTなるサービスを発見 短納期高品質な出力に沸く一同 しかも無料で登録不要 ただ、絵を起こしているのは人力らしい

        • [感想]君たちはどう生きるか

        • お仕事に疲れて

        • 赤ちゃん

        • 同僚が、24時間以内に平面展開から絵を起こす、 パースGPTなるサービスを発見 短納期高品質な出力に沸く一同 しかも無料で登録不要 ただ、絵を起こしているのは人力らしい

          自分以外の誰かになって「私」を書く②

          高橋先生ごめんなさい。私はてっきり、誰かになって客観的にみた「私」を書くのだと思っていました。正しくは、私が誰かになりきって、自分について書くという宿題だったのですね。 書き直します。 誰になろうか…家族などは実在するひとだから、間違えて書いたものと似通った形になりそう。 ならば存在しない人で。(ペットは無し!) おわり! 思いのほか時間がかかりました。

          自分以外の誰かになって「私」を書く②

          自分以外の誰かになって「私」を書く①

          なんとなく書いちゃおう! ええそうしますとも高橋源一郎先生。 書きました! …が、重大なミスがあり アホで情けないのですが、②に続きます…。

          自分以外の誰かになって「私」を書く①

          『色彩を持たない』を読みました

          月曜日、後輩の女の子が休職しました。 水曜日、51歳になる先輩が早退しました。 でも私は、澄んだ空気を久しぶりに吸ったように 背筋を伸ばして家まで帰りました。 自分自身を美しいと思いました。 もっと美しく磨かれたいと思いました。帰り道の公園では、目的を持たないで過ごしたい、でもまだ知らない私についての好奇心と、それに興味を持つべきだと感じました。 単に昨日食べたよもぎぱんが美味しかったからかも知れませんが、つくる君の巡礼の年を読み終え柔らかい毛布に全身包まれた感じになりまし

          『色彩を持たない』を読みました

          ひる休みがこわい

          お昼の時間になるとすぐに席を立ち即席麺を食べあとは自分の机で寝る先輩がいる。 その人は必ず定時で帰る。 わたしも最近それがしたい。 心許ない自分の身体となにもない広すぎる空間、狭すぎる世界。 机に突っ伏すと手首から良い香がして安心する。病院、この前登った山、家のベッド。 腕の中の暗闇がオフィスの中で1番広い。 抜け出したい。 地球最後の日に食べたいものはスイカかな。 身体の中を清らかな水分で満たして 香水と共に目を閉じ、最後の時を待ちたい。 帰り道に夏の夜の気配を感じ

          ひる休みがこわい

          ここにいていいのでしょうか

          私の大切な人たちと自分の大切な時間を放って、 お昼休みにコンビニのラーメンサラダをげっそりしながら食べていて良いのでしょうか。 一目散に彼のところへ行って、片時も離れず、 ただ横にいて息をしている時間が一番大事じゃないのか?可愛い妹と大好きな祖母、父と母と美味しいものを食べて、お喋りすることが、一番大切な瞬間ではないのかしら。 お仕事で自分の命を切り売りして、気持ちをすり減らして、私はいったい何しているんでしょう。 夜にはぽろぽろ涙が出て、朝になったらお仕事をして、この生

          ここにいていいのでしょうか

          口説くためそんな言葉が似合わない知らないあなたがうらやましくて

          口説くためそんな言葉が似合わない知らないあなたがうらやましくて

          高村光太郎詩集より『声』

          詩をほとんど読まない自分が感銘を受けた一遍 高村光太郎について自分が知りうる情報といえば、彫刻家であり詩人、奥さんは『レモン哀歌』の智恵子さんで、どちらかというと無骨で厳格な人物を想像していました。彼の彫った手の彫刻を美術の教科書で見た時は、そのあまりの美しさに、自身の手でその形を真似しようとしました。(あの作品は恐らく大人の女性の手をモチーフにしており、当時子どもだった私では再現が難しかっただろうなと、今になって思います。) 詩については、『道程』が有名かと思いますが、

          高村光太郎詩集より『声』

          寝る前の短いお話②

          『ティファニーで朝食を』を読み、 これからは、パンとチーズとホワイトチョコだけで生きていこうと思った。 次の朝、ほうじ茶もありにした。 パンはどうしてもパサパサするから、 飲み物が必要なので。 その次の日。 仕事中お腹が減り、売店でドーナツを選んだ。 白髪の美しい女性店員がバーコードを読み取る。 「ピッ」 "あなた、それを召し上がるのかしら"   さっと支払いを済ませてデスクに戻る。 砂糖がしゃりしゃりするドーナツを片手に、 すまし顔でメールの受信ボックスに目を通す。

          寝る前の短いお話②

          寝る前の短いお話①

          ある日、くまが道を歩いていました。 くまがふと足元を見ると、そこに 小さなイモムシがいました。 くまは、イモムシを食べようかと思いましたが、自分は優しいくまなので食べないことにしました。 くまは、両手で優しくイモムシを拾い上げ、自分のお家に連れて帰りました。 木の枝で作った籠に落ち葉を敷き詰めた、手作りの虫かごに、イモムシを入れようとした時、 くまは、拾ったのがイモムシではなく、枝豆だったことに気付きました。 枝豆だったのか。ならば、茹でて食べよう。 くまは鍋を火にか

          寝る前の短いお話①

          祖母と香水

          先日友人に勧められ香水デビューをしました。好きな香りに包まれると、気持ちがしゃんとして日々の振る舞いが変わります。 この香りは、自分だけの秘密にしておきたくなっちゃうな。 香水といえば、以前祖母がお気に入りの香水が廃盤になって悲しいと言っていて、帰省時にどんな香りだったのか聞きました。 祖母の鏡台には、昔友人からお土産でもらった海外の香水がたくさん並んでいます。本人は無頓着で、空の瓶や封されたままのものもあります。 これはたまにつけるかしらね、こっちはちょっと強すぎるで

          祖母と香水

          文明開化の音が聴こえぬ

          カンタン酢やつけて味噌のチューブなどは味が完成されていて、もはや工業製品だ。 先日純粋な米酢で胡瓜の和え物を作ったら、理科の実験で誤って飲んだ酢酸の味がした。 これが正しいはずだ。 つまり自分は、酢酸からカンタン酢が作られる過程を味わいたかったのだ。小さな台所から生まれるはずだった無数の可能性あるいは奇跡の取り合い。それを企業の研究者に、その特権を奪われた心地だ。今この瞬間も、地道で正確な調合と再現性のある数値、そして均質な実験室からさえも漏れ出る歓喜。彼らの苦しみさえ感じる

          文明開化の音が聴こえぬ

          ディズニーランドへの憧れ

          ディズニーに連れて行ってくれないかな。 実はすごく行きたいのだが、自発的に行く踏ん切りがつかぬ。ただ、友達が誘ってくれたり、たまたま近くで用事があったり、チケットが偶然手に入ったりしたら、とてもとても、超行きたい。 もしやディズニーというよりも、人で賑わっていて楽しいテーマパーク、というのに憧れがあるのかもと思い、先日近くの動物園に1人で行ってみた。それはそれで楽しいし、ポップコーンの代わりに焼き芋だけどフードカートもある。レストランでかき揚げうどんを食べると気持ちが盛り上

          ディズニーランドへの憧れ