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【MTG】緑トロンデッキガイド
皆さんこんにちは。ムナカタショウヘイです。
緑トロンを練習し始めて2ヶ月が経ち、ラストサン入賞やモダン提督といくつかの成果を残すことができました。
これまでに獲得した知見をまとめる目的でデッキガイドを作成しました。
緑トロンをプレイしたことのない方にぜひこのデッキを遊んでもらいたいと思い、基本的な事項をわかりやすくまとめることを意識して作成しています。
内容について様々な疑問点や異論があるかと思います。また、このデッキのテクニックについてより多くご存じの方もいらっしゃるかと思います。ぜひコメントやメッセージをいただきたいです。
1.緑トロンとは
ウルザの塔、ウルザの魔力炉、ウルザの鉱山の3種類の土地を揃えたうえで、豊富なマナから強力なフィニッシャーを叩きつけるコンボデッキです。
序盤に土地のサーチを行い、3ターン目もしくは4ターン目から強力なフィニッシャーをプレイすることを全力で目指します。
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緑トロンの魅力
・早期に最強クラスのフィニッシャーを叩きつけられる
3ターン目に「解放された者、カーン」、4ターン目に「絶え間ない飢餓、ウラモグ」とプレイして相手を絶望させましょう。豪快さが最大の魅力です。
・繊細な判断が必要
見た目の派手さとは裏腹に、マリガン判断やプレイ順序を一つ間違えるだけで全く機能しない紙束になります。慎重さが求められる点も魅力の一つです。
・プレイ自体は比較的に簡単
決まった基準でのマリガンやプレイが多く、プレイの選択肢自体は少ないデッキです。そのためモダン初心者にもおすすめしやすいと感じます。
・リーズナブル
私が2021年11月に一式を購入した際の価格は62,000円程度(特価品等を利用)、晴れる屋NMで揃えた場合でも10万円程度とモダンのデッキの中では比較的リーズナブルです。MOだと400tix程度で揃います。
2.採用カード解説
主に以下の6種類のカードから構成されます。
1:土地 2:サーチ3:キャントリップ 4:フィニッシャー5:除去 6:サイドボード
1:土地
ウルザの塔、魔力炉、鉱山
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確定4枚ずつ。3種類揃えると何故か7マナ出ます。
森
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3枚程度。デッキ全体として安定して緑マナを供給するカードが4枚程度しか無く、キープ基準の一部となります。血染めの月が多い環境のため、サイド後は特に重宝します。
成長の揺り篭ヤヴィマヤ、育成泥炭地
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どちらか1枚程度。追加の緑マナを出すカードです。ヤヴィマヤはサイド後に活性の力をマナコストを払ってプレイする時に便利、育成泥炭地はフィニッシャーが引けない時に救われることもあります。ヤヴィマヤがある状況で血染めの月が置かれた場合、すべて山になってしまうため緑マナは出ません。環境に月が多いことを踏まえれば、4枚目の森でもいいと思います。
爆発域
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く基本1枚。メタゲームによっては2枚目もあり。ラガバン、媒介者、死の影、エスパーの歩硝、ハンマー、楽園の拡散、真髄の針、鉱山の月など、x=1で対処できるカードが非常に多い環境です。その他、x=2で広がりゆく海などに対処することもあります。総じて相手の動きに睨みを効かせるナイスカードです。
ウギンの聖域
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1枚。追加のフィニッシャーをサーチするためのカードです。打消しを構えるデッキに対して特に有効です。打消しを構えているなら先にサーチでウギンの聖域を持ってきて、次のターンから仕掛けましょう。ウラモグ、歩行バリスタなど相手にとって致命的なフィニッシャーをサーチできます。
2:サーチ
探検の地図、森の占術
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確定4枚ずつ。どちらも土地を直接サーチするカードです。探検の地図は1ターン目設置、2ターン目起動で3ターン目にウルザランドを揃える動きがベストムーブです。相手に軽いアーティファクト除去がある場合は、可能なら3マナ払える状態での設置を狙います(虹色の終焉など)。森の占術はプレイに緑マナが必要なため、緑マナとセットでキープします。どちらのカードも基本的にはウルザランドを揃えるために使用しますが、揃った後や局面によっては爆発域や森を先にサーチすることもあります。
古きものの活性
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確定4枚。序盤に土地、後半にフィニッシャーを持ってくることができる、非常に便利なカードです。ライブラリーに戻す際は任意の順番で戻すことができます。
3:キャントリップ
彩色の星、彩色の宝球
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確定4枚ずつ。マナを変換しつつ、1ドローするカードです。無色土地のみを置きながら色マナを供給するために採用されています。1ターン目に設置、2ターン目に色マナを出して森の占術というプレイが非常に多いです。
星は墓地に落ちた時にワンドロー、宝球は起動しなければドローできないため、破壊されるリスクがあるときは星からプレイします。
大祖始の遺産
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2枚程度。墓地対策をしつつキャントリップとして使える便利な一枚です。タップ能力の起動は、極力相手に選択権が無くなるよう心がけていきます。
4:フィニッシャー
ワームとぐろエンジン
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2~4枚。アグロに対する絶大な壁となります。
3ターン目にワームが着地することが勝利条件となるマッチアップが複数存在します(バーン、ドレッジ等)。アグロデッキの多い現在の環境では採用の枚数を増やしています。邪悪な熱気でちょうど焼かれてしまうサイズですが、残った3/3にも相手は苦しむのであまり気にしていません。
一方でコントロールデッキへの効果は比較的低く、何もしないまま孤独で追放されてしまう局面も多々あります。
絆魂をあてにした採用ですが、激しい叱責やコンバットトリック(ブロックした自身のクリーチャー除去)などでダメージをずらされることがあります。コンバットは慎重に行いましょう。
絶え間ない飢餓、ウラモグ
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2~3枚程度。唱えたときの誘発で確実にアドバンテージの取れる大型フィニッシャーです。
コントロール相手で非常に強く、打消しを構えているところにプレイしたいです。
唱えるパターンとしてはウルザランド3種+塔(4ターン目)、ウルザランド3種+魔力炉or鉱山+1マナ(5ターン目)の2パターンがあります。
歩行バリスタ
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1枚程度。膨大なマナから直接火力を飛ばすクリーチャーです。現環境はラガバンや媒介者といったタフネス1のクリーチャーが主力のため、非常に頼りになる存在です。
死の影デッキ相手には直接ダメージでの勝利を積極的に狙っていきましょう。
大いなる創造者、カーン
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非常に多才なPW。能力は主に以下の3つ。
①相手のアーティファクト起動を制限。この常在能力だけでかなり詰むデッキもあります。
②アーティファクトのゲーム外からのサーチ。主にサイドボードから効果的なカードをサーチします。7マナ出る状態でのプレイを想定しているため、サイドボードには3コスト以下のアーティファクトが多いです。
③アーティファクトのクリーチャー化。使い方が複雑な能力です。ハンマーのクリーチャー化(装備できなくなる)や、 液鋼の塗膜でアーティファクト化した土地のクリーチャー化(土地破壊)、0コストのアーティファクト破壊等がよくある運用方法です。
マナコストが4のため、ウルザランドが揃わない時の保険でもあります。このカードを見過ごせない相手からはある程度時間を稼ぐことができます。
カード自体としては基本的にテンポが悪いため、マッチアップによってはサイドアウトします。
解放された者、カーン
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確実にアドバンテージの取れる強力なPWです。相手の脅威を除去するための-3から入ることが多いです。コントロール系が相手の時には+から入り奥義を狙います。その際に余裕があれば、自身のハンドから強力なパーマネントを追放しておくこともあります。
横に並ぶアグロ相手には3ターン目に出しても間に合わないことがあるため、1~2枚サイドアウトすることもあります。
精霊龍、ウギン
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全体除去を内蔵したPWです。8コストのため基本は4ターン目着地、全体除去をしてから相手をコントロールする展開を目指します。有色のパーマネントしか触れないため、トロンミラーやハンマータイム、親和相手には弱いです。
忘却石
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全体除去のできるアーティファクトです。設置3コスト、起動5コストで合計8コスト相当のカードになります。
余裕があるときは運命カウンターを置いてフィニッシャーを守りましょう。
土地は破壊することができないため、各種ミシュラランドには注意してください。
5:除去
歪める嘆き
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2枚程度。メタゲーム次第でたまたま採用されているカードといった印象です。
ラガバンや媒介者といった攻め手に触ること、続唱スペルのカウンター、3ターン目8マナ捻出へのジャンプが主な役割です。
除去枠の他の候補としては、四肢切断が採用されることがあります。
6.サイドボード
大いなる創造者、カーンでアーティファクトをサーチできるため、サーチ先用のカードと通常通りサイドインするカードの2種類に分かれます。
サーチ先
罠の橋
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ビートダウンデッキを大幅に減速させるためのカードです。緑トロンはマリガンの多いデッキのため強く作用するゲーム展開が特に多いです。罠の橋で相手を足止めしつつ、PWや歩行バリスタで勝利を目指します。
隔離するタイタン
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戦場に出たときと戦場から去った際に、各基本土地タイプを持つ土地を破壊する大型クリーチャーです。最初はテキストの意味が分かりにくいかと思いますが、平地、島、山、森、沼のタイプを持つカードを1枚ずつ破壊すると考えてください(ショックランドやトライオームなら、その土地が持ついずれかのタイプを指定できます)。破壊するタイプの選択が任意ではなく強制のため、自分の場にしか森がない場合、自分の森が破壊されてしまう点に注意してください。ヤヴィマヤをプレイしている場合、すべての土地が森のため相手の任意の土地を破壊できます。同様に、相手がイリーシア木立のドライアドをコントロールしている場合は好きな土地を5枚破壊できます。
8コストのため、ウギンの聖域の誘発対象ともなります。
虚空の杯
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X=0で続唱スペルを止めたり(ティムールカスケード、リビングエンド)、X=1で各種アグロデッキの動きをけん制するアーティファクトです。
その他、特定のカードに勝利を委ねているデッキ相手に設置して致命的な展開を目指します。
真髄の針
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起動能力を封じるアーティファクトです。メタゲームによって採用するか分かれるカードですが、今回のリストではヨーグモス医院や研磨基地を見据えて採用しています。トップメタのデッキ相手にも、ウルザの物語やPW、ミシュラのガラクタ、フェッチランドも指定できるので便利です。
着地した時点で能力が有効となるため、テーブルトップでプレイする際は正確に相手が理解できるよう宣言してください。宣言を雑に行うとトラブルになってしまう可能性があります。
三なる宝球
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すべての呪文のコストを最低3にするアーティファクトです。赤青ストームのような、複数の呪文を連鎖させてマナを増やすデッキには致命的な1枚となります。一方でこちらの呪文は基本的にマナコストが大きいためあまり気になりません。豆知識ですが、カーンの+1でクリーチャー化してアタックするとタップ状態になり効果を失わせることができます。
液鋼の塗膜
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パーマネント一つをアーティファクト化するカードです。大いなる創造者、カーンでサーチする前提のため、常在能力と合わせて最低でも相手のパーマネント1つの起動を封じることができます。相手ターンのアップキープに相手の土地を対象とすればマナを縛ることができます。
カーンが生き残ってターンが返ってきた場合、液鋼の塗膜で土地をアーティファクト化し、カーンの+1でクリーチャー化することで土地を破壊できます。(コストが0のため0/0のクリーチャーになる。)
サイド後に解呪系のカードをサイドインしている場合、液鋼の塗膜との組み合わせで万能除去となります。自然の要求を使用しているとしたら、1マナですべてのパーマネントに介入できることになるため非常に強力です。
トーモッドの墓所・大祖始の遺産
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墓地対策カードです。昂揚を条件とするカードやリビングエンド、ドレッジなどの墓地利用デッキに強力な選択肢です。ウルザランドが揃わず4ターン目にカーンをプレイした際に、マナがかからずプレイできるトーモッドの墓所が優先される場合が多いです。大祖始の遺産はマナがかかりますが1ドローがついてくるためお得感があります。継続的に墓地に触り続けられる点も有用です。今回のリストでは試験的に大祖始の遺産に変更していました。
歩行バリスタ
チャンプブロッカー、マナフラッドの際の大型フィニッシャー、残り数点を詰める火力と状況に応じて様々な役割を持つ万能クリーチャーです。
サイドイン用
自然の要求(解呪系スペル:活性の力・萎れ等)
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3枚程度。血染めの月や鉱山の月、広がりゆく海等の相手のトロン対策を妨害するためのカードです。ほとんどのマッチアップでサイドインします。
自然の要求はクセがなく使えるカードです。相手に4点ゲインを与えてしまいますが、トロンにとって4点ゲインは大きな差ではないため問題ありません。自身のアーティファクトを対象に取ることも可能で、バーンなどの速いデッキ相手にこの手段で危機をしのぐこともあります。その際、彩色の星は墓地に落ちた時1ドローするためアドバンテージを失いにくいです。ワームとぐろエンジンが追放されそうになった際も自発的にトークンを出すことができます。こうした点も含め現在は自然の要求を採用しています。
活性の力はピッチスペルとしてプレイできるためテンポロスせずに使用できます。マナコストが不要なため、血染めの月が置かれてしまった後で森やマナフィルターが引けない時にも助けられます。一方で緑のカードの枚数自体が限られているため、思うようにプレイできない場面も多々あります。素のコストでプレイする際にもダブルシンボルが枷になる印象です。
萎れはサイクリングがついているため不必要な局面では強いです。一方、2マナを必要とするため、対策の置物を破壊してそのターン内で次の重量級スペルを唱えることが難しくなります。
スラーグ牙
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1~2枚程度。出たときに即座にライフゲインでき、除去体制もあるため安定感のある壁役です。アグロデッキ相手にサイドインします。ワームとぐろエンジンと似ていると感じる方もいるかと思いますが、出た時の回復は見た目以上に大きいです。ワームとぐろエンジンは戦闘を経なければ回復できず、延命につながらないこともあります。(追放、バウンス、タップ等)
真実の解体者、コジレック
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1枚。コントロール系への追加のフィニッシャー兼、ライブラリーアウト対策です。1枚あるといつもうれしいカードです。
夏の帳
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2枚程度。グリクシスシャドウが流行しているため採用しています。緑マナの安定した確保が難しいことを踏まえても、ハンデスやコラガンの命令をカウンターできた際のリターンは大きい環境だと感じます。
3.マリガン
ウルザランド3種類をそろえることが前提となるデッキのため、非常に厳しくマリガンを行います。カードの枚数自体はそれほど重要ではないため、少しでも弱いハンドは必ずマリガンしてください。弱気になった瞬間に負けます。目安として3回目のマリガンまでは全く問題なく行えます。4回マリガンしてもかつゲームは多々あります。
キープ基準は以下の3種類になります。
①ウルザランド2種+サーチカード1枚
②ウルザランド1種+サーチカード2枚
③ウルザランド2種+緑マナ+α
例外:ウルザの塔2枚、ウルザの魔力路or鉱山+ウラモグ
①ウルザランド2種+サーチカード1枚
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①のパターンが最もベストなハンドです。ウルザランド2種を2ターンかけて置きつつ、1ターン目、2ターン目で足りない土地のサーチを行い、3ターン目には7マナを捻出できます。森の占術は緑マナが必要なため、彩色の星か彩色の宝球があれば2ターン目にプレイができます。緑マナが森の場合は4ターン目に8マナを捻出します。その際は全体除去のスペルが初手にあると特に良いです。
②ウルザランド1種+サーチカード2枚
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②は次点で良いハンドです。上の画像では確定サーチが2種あるため遅くとも4ターン目には8マナが揃います。
下の画像はサーチが未確定な古きものの活性となっています。不確定ではありますが森もあるためドローの受けが広く、十分にキープできるハンドです。基本的には1ターン目森から古きものの活性で別のウルザランドか探検の地図を探し、2、3ターン目で探検の地図を起動してウルザランドをそろえて4ターン目の8マナを目指します。マッチアップによって必ず4ターン目までに成立することが必要だと分かっている場合は、再度のマリガンを検討するケースもあります。
③ウルザランド2種+緑マナ+α
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③は最低限のキープ基準です。確定で揃えられるとは言えませんが、緑マナがあるためドローした際に受けが広いハンドです。仮に彩色の星+古きものの活性でかけているウルザランドが見つかれば、3ターン目に成立します。
例外:ウルザの塔2枚、ウルザの魔力路or鉱山+ウラモグ
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上記①~③のどれにも当てはまらず、積極的にキープしたいハンドとは言えません。しかし、途中でウルザの鉱山か探検の地図を引いた場合に最速の4ターン目でウラモグを唱えることができるため、マリガン後であればキープを検討します。3マナ出るウルザの塔が2枚あることが非常に重要で、ほかのウルザランドが2枚の場合はマリガンします。
マリガンすべき罠ハンド
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ウルザランド2種があり、フィニッシャーも十分あるためキープしたくなるハンドです。しかし、サーチもなく緑マナもないためドローの受けがウルザの鉱山か探検の地図しかなく、3種類のランドが揃わない確率が高いです。
ハンド枚数を減らしてでもマリガンしたほうが揃う確率が高いため、こうした罠ハンドは必ずマリガンしてください。これをマリガンできるか否かが勝率を大きく分けると感じています。
マリガン判断は個人でも練習できるため、ぜひ大会に参加する前に練習をして判断基準を頭にしみこませてください。
キープの判断はマリガン回数を重ねるごとに多少ゆるくはなりますが、基本は厳しくマリガンしたほうが良いです。極端なことを言えば、3枚のハンドであっても3ターン目にワームとぐろエンジンが着地するだけで勝利するゲームも多く存在します。
上述のマリガン基準については井川プロが過去に書かれた記事の内容とほぼ同一です。環境こそ違いますが、より高い知見から書かれた記事からのほうが学べることが多くありますのでぜひご一読ください。
トロンのすべて ~3ヶ月の集大成~ | 【晴れる屋】記事|MTGに関する読み物を毎日更新 (hareruyamtg.com)
4.各マッチアップとサイドボード
この章の内容については筆者の感覚による部分も多く含まれるため、読者の皆さんにも検証していっていただきたいです。
相性
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レンアンドオムナス、青白コントロール等の遅いデッキにはメインが非常に有利です。多少の妨害はありますがいずれ素引きでランドが揃ってしまい、どれか1つのフィニッシャーが通れば大きく有利に傾いていきます。
続唱デッキはお互いに3ターン目が勝負となるため、先攻後攻の差が非常に大きく出ます。
基本的に最初の3ターンは盤面に干渉することができないため、早いデッキには殴られ放題になります。3ターン以内の決着手段を持つデッキには基本不利です。
メインから血染めの月を持つデッキには事故を祈る他ありません。
プレイ指針とサイドボーディング
レンアンドオムナス
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+3 自然の要求
+1 真実の解体者、コジレック
-1 ワームとぐろエンジン
ー2 歪める嘆き
ー1 大祖始の遺産
メインはかなり有利、サイド後はどれだけ意識されているかによるが五分から微不利程度です。
メインは攻め手が遅く、こちらへの干渉手段も基本的には広がりゆく海4枚と対抗呪文4枚しかありません。そのため放っておいても自然にウルザランドが揃う展開が多いです。ほとんどのフィニッシャーが有効で、特に隔離するタイタンとウラモグは効果的です。サイド後であればコジレックも大変有効です。メインの負け筋は、激情をピッチでプレイ→儚い存在で早期に着地して殴られる展開のみとなります。。
サイド後は、どれだけ意識されているかによって展開が変わります。高山の月ならまだ許せますが、黒曜石の焦がし口だけはかなり厳しいです。
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3ターン程度で着地してこちらのプランを壊し、さらに飛行4/4のナイススペックで早期にゲームを決着させられてしまうカードです。儚い存在やヨーリオンのブリンクとも相性がよく、このカード1枚に負ける展開も多く存在します。余談ではありますが晴れる屋大宮店ではトロンに厚く対策する文化があるようで、対戦相手はサイドに4枚黒曜石の焦がし口を搭載していました。そのほか、ジャンドサーガに1ゲームで6回ランデスされて負けたこともあります。大宮だけはトロン不毛の地かもしれません。
青白コントロール
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+2 自然の要求
+2 夏の帳
+1 真実の解体者、コジレック
ー2 歪める嘆き
ー1 大祖始の遺産
ー2 ワームとぐろエンジン
メイン、サイド後通して非常に有利です。相手はカウンターを構えつつ除去で捌く展開を狙いますが、こちらのフィニッシャーの量のほうが多いためいずれ何かが通ってしまいます。ウラモグ、コジレックも効果的で、このどちらかからフィニッシャーをプレイし始められると大変良いです。
ジャンドサーガ
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先攻
+2 自然の要求
ー1 解放された者、カーン
ー1 絶え間ない飢餓、ウラモグ
後攻
+3 自然の要求
+1 スラーグ牙
ー1 解放された者、カーン
ー1 絶え間ない飢餓、ウラモグ
ー2 歪める嘆き
相手からの妨害手段がハンデスしか無く、キルターンが4から5ターンはかかるため比較的容易にウルザランドをそろえることができます。
また、ダメージ源が基本的にクリーチャーしか無いため、罠の橋が非常に有効に働きます。
ウルザの物語デッキ全般に言えることですが、3章の解決前にプレイできる呪文がある場合は一瞬間を置いて考えましょう。真髄の針が出てきて泣くことになります。
サイド後はハンデス追加、コラガンの命令、高山の月等が投入されますが、あまり相性は改善されません。
こちらからはウルザの物語に対応するために自然の要求をサイドインします。歪める嘆きはラガバンや媒介者に触るために入れていますが、後攻では遅い場面も多いためサイドアウトします。
タルモゴイフを採用しているデッキのため、大祖始の遺産のタップ能力は自分を対象にして墓地のカードの種類を減らしていきましょう。
グリクシスシャドウ
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+2 自然の要求
+1 スラーグ牙
+1~2 夏の帳
ー1 解放された者、カーン
ー1 絶え間ない飢餓、ウラモグ
ー1~2 歪める嘆き
打消し、ハンデスといった妨害手段、早いクロック、リソース補給のすべてを軽いアクションでこなす非常に強力な対戦相手です。
クロックのほぼすべてが1マナクリーチャーのため、爆発域も含めた全体除去で一度盤面を整理できると展開が楽になります。
激しい叱責をメインから採用しているため、ワームとぐろエンジンの回復をあてにしていると、回復できず負けることがあるため考慮してください。
直近では稲妻は1枚程度の採用のため、必要以上に3点ダメージでの負けを恐れる必要はありません。
こちらは「土地はハンデスされない」という前提でマリガンを繰り返しているため、不意にクロクサで土地を落とされて負けることがあります。余裕があるときはハンドの枚数を確保しておくようにしましょう。湖での水難、媒介者、邪悪な熱気と墓地に依存するカードが多いため、大祖始の遺産が非常に有効です。
サイドは高山の月、コラガンの命令、トーラック等がサイドインされます。
ハンデスも多いデッキのため、極度にハンドを減らしてマリガンすることがリスクにつながります。例外的ではありますが、若干緩めの基準でキープしても良いでしょう。夏の帳はハンデスに対するお守りとなるため、先攻後攻で変えつつ1~2枚程度サイドインします。
アミュレットタイタン
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+3 自然の要求
-2 歪める嘆き
ー1 大祖始の遺産
互いに強い動きができるのは3ターン目以降であり、妨害手段がほとんど無いため先に動きだしたプレイヤーが有利になります。相手は精力の護符を核としたデッキのため、爆発域がある分メインは若干有利に感じます。
前述のとおり、イリーシア木立のドライアドがいる局面での隔離するタイタンは即座にゲームに勝利できます。
一方でドブンの動きには全く敵わないため、回ったもん勝ちのゲームになります。
サイド後は活性の力等がサイドインされています。こちらも負けじと、勢力の護符やウルザの物語に触るために自然の要求を入れていきます。
カスケードクラッシュ
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+3 自然の要求
+1 夏の帳
ー1 大祖始の遺産
ー1 ワームとぐろエンジン
ー1 大いなる創造者、カーン
ー1 絶え間ない飢餓、ウラモグ
互いに3ターン目から動くデッキ同士の対決のため、先攻後攻の差が非常に大きいです。
相手のサイトークンに対してこちらのフィニッシャーはどれも有効です。しかし、PWは否定の力、ワームとぐろエンジンは火+氷、厚かましい借り手という裏目が存在します。それまでの動きからハンドを推測できる場合もありますが、迷ったときはリターンの大きいワームとぐろエンジンからプレイしています。解放された者、カーンはー3の対象が土地しかないため、インスタントタイミングで現れるサイに無力です。ウギンも同様の理由で強くはありません。
歪める嘆きは衝撃の足音をカウンターできるため、2マナ構えながら動くと相手は若干苦しく感じます。
大いなる創造者、カーンからサーチして、虚空の杯X=0は非常に効果的で、厚かましい借り手でバウンスしなければ衝撃の足音を唱えられなくなります。
サイド後は血染めの月、活性の力、緻密等がサイドインされます。
血染めの月は対処する必要があるため、自然の要求をサイドインします。
まれに血染めの月が置かれた状態で爆発域をセットして、月の破壊後にX=0でサイトークンを処理できることがあります。頭に入れておくと役立つ場面があるかもしれません。
リビングエンド
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+2 夏の帳
-1 解放された者、カーン
ー1 歩行バリスタ
先攻後攻で有利、不利が大きく変わること、虚空の杯と歪める嘆きが有効な点はカスケードクラッシュと共通です。
墓地に依存するデッキのため、大祖始の遺産が有効なカードとなります。
どのフィニッシャーからプレイするか迷った際には、必ずクリーチャーからプレイします。カスケードクラッシュと違い、厚かましい借り手の採用枚数が少ないためです。
ハンマータイム
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+3 自然の要求
+1 スラーグ牙
-2 精霊龍、ウギン
ー1 解放された者、カーン
ー1 大祖始の遺産
3ターン目で負けてしまうゲームが多くあるためメインは特に不利です。
エスパーの歩哨も非常に厳しく、こちらが通常の動きをするだけで2~3枚ドローされてしまいます。
歪める嘆きでお茶を濁しつつ爆発域が間に合った場合や、大いなる創造者、カーンの+1でハンマーをクリーチャー化して装備を外したままカーンを守れた場合に勝利することがあります。
間に合えば忘却石も非常に有効ですが、土地(墨蛾の生息地)は破壊できない点に注意してください。
サイドインする自然の要求は非常に多くのカードに触れるため価値が高いです。相手からはハンデス、虹色の終焉、虚空の鏡等がサイドインされます。
サイド後は若干相性が改善されますが、相変わらず不利ではあります。
カウンターモンキー
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+3 自然の要求
+1 夏の帳
-2 精霊龍、ウギン
ー2 解放された者、カーン
早期にクロックを作り、カウンターで動きを制限してくるため不利なマッチアップです。1コストのクリーチャー陣に加え、濁浪の執政もいるため爆発域のみに頼り切ることもできません。
血染めの月がサイドインされるため自然の要求を入れざるを得ません。しかし、ほかにあまりアーティファクトやエンチャントが入っていないため引きすぎると完全な不要牌となってしまいます。
カウンターに弱い大型のPWをサイドアウトしています。
バーン
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+3 自然の要求
+1 歩行バリスタ
+1 虚空の杯
+1 罠の橋
+1 スラーグ牙
ー2 絶え間ない飢餓、ウラモグ
-1 大祖始の遺産
ー4 大いなる創造者、カーン
3ターンがキルターンのため厳しいマッチアップです。
メインは3ターン目ワームとぐろエンジン着地から相手の手札に頭蓋割がないことを祈ります。逆にこの展開であればほぼゲームに勝利します。
その他、ゴブリンの先達がウルザランドを運んできてくれることを祈ります。
サイドボードですが、大いなる創造者カーンはテンポが悪いためすべてサイドアウトします。その枠に通常はサーチ用としているアーティファクトを入れることで、少しでも相手のテンポを落とすことを狙います。
自然の要求は大歓楽の幻霊と乱動する渦を対象としてサイドインします。
また、自然の要求を自身のアーティファクトを対象とするプレイが頻出します。サイド後に投入された流刑への道でワームが追放されそうなとき、どうしてもライフが足りないときは迷わず使用してください。
跳ね返す掌がサイドボードにあるため、相手の不自然なライフテイクには警戒してください。
ドレッジ
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+1 スラーグ牙
+2 夏の帳
-1 解放されたもの、カーン
ー1 絶え間ない飢餓、ウラモグ
ー1 歪める嘆き
バーン同様に3ターンキルされることが多く厳しいです。大祖始の遺産を引くことを祈ります。
サイド後に相手はハンデスを投入することが多いため、そこに夏の帳を合わせられると若干ではありますがテンポが取れます。
以上がマッチアップのガイドになります。
絶望的なマッチアップについてはあまり語ることがないため割愛します。
5.おわりに
長い記事にお付き合いいただきありがとうございました。
「モダンホライゾン2環境」と呼ばれる現在のモダンで、緑トロンというデッキは決してトップメタではありません。しかし、十分にトーナメントシーンでも活躍する実力を持ったデッキであり、練習すればするほど着実に上達していくデッキです。
ぜひ、皆さんも緑トロンを一緒にプレイしましょう!デッキに愛をこめてマリガンしましょう!
記事に対しての意見や反論、疑問点などをコメントやメッセージでいただけると、私の上達にもつながりますので幸いです。よろしくお願いいたします。
6.参考文献
井川 良彦、「トロンのすべて ~3ヶ月の集大成~」、2018年
酒井達也、「緑トロンプレイヤーのための緑トロン解説(2019年4月執筆)」、2019年
緑トロンプレイヤーのための緑トロン解説(2019年4月執筆)|おたっくん/Sakai Tatsuya|note
Jim Davis、「The Ultimate Tron Sideboard Guide」、2019年
The Ultimate Tron Sideboard Guide | Article by Jim Davis (coolstuffinc.com)
Cristian Ortiz Ros、「トロン王国物語 ~むかしと今~」、2019年
トロン王国物語 ~むかしと今~ | 【晴れる屋】記事|MTGに関する読み物を毎日更新 (hareruyamtg.com)
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