西川の布団
何気なく使っているものがある。
車でひざかけの代わりに使っているハーフ毛布。
押し入れにあったものを適当に引っ張り出して使っていた。
先日母が車に乗った時「西川の毛布はやっぱあったかいんだよね」と言った。
どうやらこの毛布は「西川」というメーカーのものらしい。
確かにこの毛布はあったかい。
朝が寒くなってきた時期でもすぐに暖まるし、保温性も抜群。それにほつれもあまりない。
何年も前に長野東急で買ったもののようだ。
思えばもう何年も長野東急の上の階には行っていない。
昔は良く祖母に連れられて行ったものだったけど。
「ハイカラ」な祖母だった。
東急に行くと必ず、竹風堂のカフェでクリーム栗あんみつを食べていた。
上田に西武があった時も良く一緒に行った。
飲食店はチェーン店にはほとんど行かず(むしろ毛嫌いしていた)少し高めの個人経営のお店を好んだ。
そして良いものを長く使っていた。
モノを見る目は確かにあったのだと思う。
思えば、安くていいものが出てきてから、いわゆる高級品、ブランド品というものをに触れなくなった。
ニトリや無印、カインズ、ユニクロ。
機能性、デザイン、流行。
これらを加味した商品にばかり目がいくようになっていた。
でも長い目で見ると、昔から続く「高くて良いもの」の方が使い勝手が良いものが多い気がする。
百貨店が姿を消すようになって久しい。
だからこそ、今度東急に行ったら、久しぶりに上の階に行ってみようと、そう感じた。
財布が口を開くことはないだろうけど。
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