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せんすい島とすうちゃん

小高い丘を走りながら下ると黄色いレンガの道に出た。
「うわーとっ!…良かった!道だー」
キョロキョロと辺りを見渡してホッとしてると
「へー?これ、道って言うんだ?」
帽子から声がして
「うわ!ビックリした!そうだった…」
「うん?どうしたの?すうちゃん」
「ううん、なんでもない…あ!」
誤魔化そうとした時、視界の角に青いランドセルが見えた。
「人だ!」
慌ててランドセルが見えた方に駆け出した。少しだけ見えた青いランドセルは角を曲がってしまったようで私は必死に大声で
「あの、ちょっと待って!」
叫びながら角を曲がると、青いランドセルを背負った子供がこっちを振り向いた。
振り向いた子供を見てビックリした。
だって…そこに居たには…青いランドセルを背負ったウサギの男の子と赤い手提げを持った亀の女の子が私を見ていたから。
私は咄嗟に声が出なくて口をパクパクさせていると、それをみたウサギの男の子が亀の女の子を庇うようにして、ズイっと前に出て来て、私を睨みながら
「誰だ!」
ウサギが喋った!それに服着てるし…二足歩行してる…どうなってるのこれ?ビックリし過ぎて何も言えずにいると、今度は亀の女の子がウサギの男の子に
「もう!うーちゃん!そんな言い方したらダメだよ…ほら怖がってるじゃないの!」
「何言ってんだよカメ!こいつきっとクマ先生が言ってた変質者だぞ!きっと!」
うーちゃんと呼ばれたウサギの男の子は必死に私が変質者に違いないと力説しているが亀の女の子は私をじっと見て首を傾げ
「そうかな?私にはそう見ないけど…普通の女の子に見えるけど?」
それでもウサギの男の子は疑惑の目で私を睨み
「さっきから何も喋らないのは、そうに違い無い!そうだろ?変質者!」
其処まで言われてようやく
「変質者じゃないよ!」
慌てて言うと亀の女の子がうんうんと頷き
「ほらー!違うじゃない、うーちゃん!謝らないと」
「は?だったら一体何の用で俺達に声かけたんだよ」
ウサギの男の子はまだ私を疑っているのかジーと見てくる私は必死に2人に目が覚めたら此処に居た事を説明すると、
「なんじゃそりゃ?嘘付くのも大概にしろよ?そんな馬鹿みたいな話が有るわけないだろう?…てっ事は、やっぱり変質者か!」
話が進まない…いい加減私も怒りながら
「違うって!私も上手く説明出来ないんだけど…」
上手く説明出来ない不安に亀の女の子が
「もしかして…迷子って事?」
「迷子?ううん…わかんないの…自分の部屋でベットで寝て起きたら知らない所で…」
うつむき困っているとウサギの男の子がポンと手を叩き
「分かった!お前…迷子だ!」
「……。」
亀の女の子とわたしが顔を見合わせて
「…うーちゃん、話聞いてた?」
「いや…私迷子じゃあない…」
私がうーちゃんに反論すると、ウサギの男の子は投げやりに
「もう、迷子でいいだろ!んで?」
話も進まないし…もう迷子で良いかと私は2人に
「もう、迷子でもいいけど…私お家に帰りたいの」
亀の女の子が私をじっと見て
「本当に帰りたいの?」
何いってるんだろうこの子
「そりゃ、帰りたいに決まってるよ!」
そう言うとウサギの男の子が不思議そうに
「何が決まってるんだ?」
咄嗟に詰まってしまった。
私は本当に帰りたい?それは帰りたい…はず…それに一人は寂しいし…
「…だってここには、私を知ってる人が居ないし一人は嫌!寂しいもん!」
大声で言うとウサギの男の子が
「もう俺達はお前の事知ってるぞ?だったらもう一人じゃないぞ!」
ウサギの男の子が言うと亀の女の子も頷き
「そうだわ!良かったら私達とお友達になりましょう?私の名前はカメ。皆からはカメちゃんて呼ばれてるのよろしくね?…そしてこっちは、うーちゃんって言うの」
「おう!うーちゃんだ!」
どうだと胸を張ってるうーちゃんに何でこんなに自信満々何だろうと思っていると
「それで?あなたのお名前は?」
カメちゃんに聞かれ
「私?私の名前は菫。でも皆からは、すうちゃんって呼ばれてるよ」
「すうちゃん?いいお名前ね」
「おう!よろしくな!すう!」
こっちで友達が出来た。早速うーちゃんがワクワクとした顔で
「ところで、すうのベットは何処にあるんだよ?」
私は丘を指さし
「あそこだよ」
カメちゃんが
「ベットの他には何かあるの?」
私は首を振り
「ベットしかないよ」
カメちゃんは唖然とした顔で
「え?それだけ?」
「うん、それだけ」
「おー!それはスゲーな!」
うーちゃんの言葉にカメちゃんが
「スゲーな!じゃないよ!色々駄目じゃないの!」
「そうかー?かっけーじゃん!な!すう!」
喋ろうと口を開こうとすると、
「ぐるる」
…お腹が鳴った。
恥ずかしい…お腹に手を当てて2人を見るとカメちゃんが青い顔で
「もしかして…何も食べて無いの?」
頷いて
「少しだけチョコと飴を食べたんだけど…足りなくて」
うーちゃんが不思議そうに
「ちょことかあめってなんだ?美味いのか?カメは知ってるか?」
「ううん?私も聞いた事無い」
まだ有ったかなとポケットを探ると、飴が2つ出て来た。それを2人に
「これが飴だよ?食べてみる?」
2人に差し出すと、うーちゃんは一つを手に取って
「これが食い物?ガサガサして不味そうだなー」
そう言ってうーちゃんは口の中に入れようとした、私は慌てて
「袋のままじゃ食べれないよ!飴はその中に入ってるの」
カメちゃんも飴を手に取って器用に袋から飴を出して
「うわー綺麗な色のガラス玉みたい…食べちゃうのもったいないね」
その言葉にうーちゃんも飴の包みを剥がして
「なんか固いなこれ?本当に食い物なのか?」
…そう言えば…ウサギと亀に飴って大丈夫なんだろうか?いやそもそもアッチのウサギと亀とは違うみたいだし…そもそもあっちのウサギと亀は喋らない…から大丈夫か?分かんないけど…2人が嫌がってないしな…そう悩んでいると、頭のキノコが
「飴だ…」
ビックリした…うーちゃんとカメちゃんには聞こえていないようだけど、相当敵視しているようだ…
「すう!聞いてんのか!」
うーちゃんの声にハッとし
「え!何か言った?」
「これ食っていいのか?」
「いいよ、うーちゃんのはブドウ味でカメちゃんのはイチゴ味だよ」
2人は恐る恐る飴を口の中に入れると驚いた顔で
「うわ!何だこれ?口の中が上手いぞ!」
…おいしい事は伝わった。
カメちゃんもホッペに手を当てて
「うん!口の中が甘くてすっぱい!でもそれがとても美味しい!これがあめなのね!」
2人は興奮したように
「すう!お前こんな美味いもん持ってるなんて!スゲーな!」
「うんでも…これだけじゃお腹一杯にはなんないね…ねぇ、うーちゃん…」
カメちゃんはうーちゃんと相談し始めた。
そしてうーちゃんがポンと手を叩いて
「よし!それじゃ俺皆の所行ってくるわ!後はカメよろしくなー!」
そう言うなり手を振って走り出した。
そしてアッと言う間に姿が見えなくなり
「え!足速!もう見えなくなっちゃった!」
私がビックリしているとカメちゃんがのんびりとした口調で
「うーちゃんはクラスで一番足が速いの、それじゃ私達はすうちゃんのベットの所まで戻ろうか?」
「え、でもうーちゃんはいいの?」
聞くとカメちゃんはうんと
「うーちゃんの事なら大丈夫だよ、うーちゃんは鼻も利くから私達の所も直ぐわかるの、さ、すうちゃん行こ?」
そう言われて私はカメちゃんと元に居た場所に帰ろとして、
「…あれ?どっちから来たっけ?こっちだっけ?」
キノコに話かけると
「ううん、そっちじゃないよ?あっちだよ!すうちゃん!」
その言葉にカメちゃんが目を丸くして
「え!帽子がしゃべった?」
そうだったと、私は帽子を手に持って
「これ、帽子じゃ無くて…」
そこまで言いかけて…止まった。帽子じゃなくてキノコなのって言ってもいいのかな…
いやでも喋るウサギと亀がいるんだし大丈夫か?うんと頷き
「実はこれキノコなの!」
カメちゃんを見ると固まってる…そして私の帽子と私を何回か往復して
「え…キノコって喋るの?」
カメちゃんの言葉に、こっちがえっ?となった。
こっちで色々有りすぎて、当たり前だと思っていたが、そうじゃないらしい…やっぱり…頭にキノコを乗せた変な子だと思われた!
「…え、キノコって喋れないの?」
「キノコは…喋らないと思うよ…?」
キノコはカメちゃんの言葉を誉められたと勘違いしたのか
「僕は!喋れる美味しいキノコなの!」
元気よく答えた。
…私はショックで言葉が出ずにいると
カメちゃんが私の帽子に興味津々に
「…君は美味しいの?」
えー?何その質問…
「うん!僕とっても美味しいにきまってる!」
「そうなんだー!凄い自信だね!」
…何だろうこの会話は…それに美味しいに決まってるって何だろう?
最初はカメちゃんもキノコの事ビックリしていたのに…慣れたのか普通に会話をしてる…慣れるの早くない?
色々考えていると、いつの間にかベットの所迄帰って来たようで他のキノコ達が一斉に
「お帰りー」
「早かったねー」
と言うと帽子だったキノコが
「ただいまー!よっと!」
そう言いポンと音をたてて私の頭からベットの元の位置に戻った。
「ビックリした!頭が爆発したかと思ったじゃん!戻るなら戻るって言ってよ!」
キノコに文句を言うとキノコが
「あーごめん!」
それを見たカメちゃんが感心したように
「本当に…キノコだったんだね…」
私はハッとして
「うん…なんかビックリさせちゃってごめんね?ほら、キノコ達も謝って!」
「ごめんなさいー」
「あ、それは大丈夫だよ!それよりもすうちゃん…あのキノコさん達は食べれるの?」
「…みたいだけど、私キノコ嫌いで食べた事ないの…だから大丈夫かは、わかんない」
「そうなんだ…このキノコさん達って抜くともう生えない?」
「それは大丈夫だよ、さっき抜いても直ぐに生えてきたし」
さっき抜いたキノコを見ると
「うん?どうしたの?食べる?」
そう聞かれ首を振り
「要らない」
そう言うとカメちゃんはキノコ達に
「キノコさん達抜いもいい?」
キノコ達が
「いいよー」
カメちゃんがい一本抜いてみると直ぐに新しいキノコが
「生まれた!」
カメちゃんがまた抜くと
「はじめまして!」
抜いても抜いても生えてくるキノコ…これどうするんだろう…
「カメちゃん、キノコそんなに取ってどうするの?」
カメちゃんに聞くと
「これ?交換するの」
「交換?」
「うん、今うーちゃんが村の人達を呼びに行って…あ、ほら!」
カメちゃんが見た方を見ると、村の人達らしい集団が見えた。その先頭にはうーちゃんが居た。そしてうーちゃんは私達を見るなり凄い速さで駆け寄り、あっと言う間に側まで…やっぱり速い…速過ぎるでしょ!え?ウサギだから?だからカメちゃん普通にしてるんだろうか?これって聞いても良いのかな…わかんないー頭の中ぐるぐるしてると、うーちゃんが何食わぬ顔で
「結構人集まったけど、何と交換するか決まったか?」
そう聞かれたけど、ビックリし過ぎて何も言えずにいると、私の代わりにカメちゃんが手に持っていたキノコを見せて
「うん、このキノコさんにしようと思って」
うーちゃんはキノコを見て
「へぇー、旨そうじゃん!これで決定だな!」
そう言う、うーちゃんの後ろから
「おーい、うーちゃん置俺達をいていくなよー!」
手に荷物を持った人達がうーちゃんに
「俺達うーちゃんみたいに速く走れないんだから先に行くなよ…はぁはぁ」
「そうよ…案内のうーちゃんが走ったらもう私らじゃ無理なんだから…うーちゃんの足の速さは村一番なんだから…もう付いて行くの大変だった…」
村一番なんだ…私はうーちゃんに道案内は絶対頼まないと心に誓った。
皆それぞれ息を切らせながら、うーちゃんに追い付き文句を言ってる…
「あー、ごめん!ごめん!つい走っちゃった!皆大丈夫か?」
うーちゃんが皆に謝ると皆も大分落ち着いたのか
「もう、大丈夫だよ、それで?どうしたらいいんだ?」
するとカメちゃんが村の人達に頭を下げて
「ここまで来て貰ってありがとう御座います。ここに一列に並んで貰って良いですか?」
そう言いテキパキと私の前に村の人達が並んだ。そして
「すうちゃん、これ渡してあげて」
とキノコを渡された。
「あ、ありがとうカメちゃん、あの…これどうぞ?」
渡されたキノコを並んでくれたパンダのおばさんに渡すとおばさんはニコニコと
「おや、美味しそうなキノコだね、ありがとうね、あたしからは、これ」
そう言って差し出してきたのは、綺麗なボウルに赤い実が3つ入ってる、何の実だろう?
「あの…パンダさん?これは?」
聞くとパンダのおばさんは
「あたしの名前はパンだよ」
「パンさん?あの…私すうっていいます。」
「すうちゃんって言うのかい!今後ともよろしくね、何か困った事が有ればあたしの家に来な?いいね?あたしの家はうーちゃんが知ってるから!な!うーちゃん!」
うーちゃんを振り返るとオッケーとサインした。
「いいんですか、ありがとうございます。」頭を下げるとパンさんが
「それはそうと、まだそれの説明してなかったね、それはパンの実だよ」
パンの実?なんだろうとカメちゃんをみてもわからないのか首を振ってる、今度はうーちゃんを見ると、うーちゃんは私のベットのキノコを一心不乱に収穫してる…
「うーちゃん?」
話かけても
「ウリャウリャ!俺は!まけねー!」
とキノコを抜いていて気付いて無い…何に負けないんだろう…とキノコを見るとキノコも何故か意味ありげに笑いながら
「フフフ!無駄無駄!抜かれも!抜かれても!私達は生える!」
…どうこと?なんの戦い…?カメちゃんを見るとまた首を振ってる…
ボウルの中の赤い実を見て…多分何かの果物だろうと納得した。
「あの、パンさんありがとうございます!」
「いいんだよ!キノコありがとうね」
そう言いパンさんは手にキノコを持って帰って行った。私がジーと赤い実を見てるとカメちゃんが
「すうちゃん、それ預かるよ」
そう言ってベットの上に置いてくれた。
私がお礼を言おとすると
「おー!このキノコ美味しいなー」
振り返ると口一杯にキノコを食べている…うーちゃんが居た…えー食べてる…さっきまで戦っていたキノコを…
「もしかして…食べてるのって…」
「おう、だって、コイツらが美味いって言うからさぁ、どんなもんだろうって思ってさーそしたら結構美味いのな!すうがくれたアメの次に美味い」
アメの次って、チラッとキノコ達を見ると
「アメの次…!」
「ぐぬぬぬ!」
「負け…た。?」
うーちゃんの言葉にキノコ達がざわついている…なんだろうこれ…
「あの…僕の番いいかな?」
そうだったと振り返ると羊の男の人が手に持っていたビーカーを差し出した。
ビーカーを見ると蒼い液体が揺れていた。
首を傾げ
「これは何ですか?」
聞くと羊の男の人は自慢気に
「これは、海の水が入ってるんだよ!」
近くに海が在るんだろうか?私が居た所じゃ海まで遠かったから海には憧れてたんだよね…確か海の水はしょっぱいって言ってたけど本当かな?少しだけ飲んでみようとすると羊の男の人が慌てて
「うわ!駄目だよ!海の水なんか飲んだら溺れちゃうよ!それ…もう一度僕に渡してくれる?」
そう言われビーカーを渡すと羊の男の人はビーカーを逆さまにした。
次の瞬間物凄い勢いで水が流れ出た。
でもおかしい…ビーカーの水量を越えた水が出てるのに…一向に水が無くならない…そして羊の男の人がビーカーを元に戻すと、ビーカーの水はさっきと同じ量で変わってなかった。…これを貰って…一体どうすれば?困ったが、まあ…面白いしいいかと
「…ありがとうございます」
と言うとカメちゃんが羊の男の人にキノコを渡すと。嬉しそうに私に手を振り帰っていった。まあ、喜んでくれたしいいか…うん!
そして次は犬のおばさんで、おばさんは私の手に種を差し出した。私は首を傾げ
「これは、何の種ですか?」
聞くと犬のおばさんはニッコリと
「実の種だよ」
「実の種ですか?」
「そうだよ」
どうしょう…さっぱり分からない…種なんだし植えるんだよね?このまま食べるんじゃあないよね?取り敢えず…
「ありがとうございます」
言うと犬のおばさんは嬉しそうにキノコを抱え帰っていった。
その後も村の人達から色々な物を貰ったけど大半は分からない物だった。
そして全て列に並んでくれた人達が帰ると
「だー!やっと!終わったー!」
うーちゃんが伸びをしながら言うとカメちゃんも頷き
「うんでも、楽しかったね!」
私は2人に
「あの、今日は本当にありがとう2人が居てくれて…本当に助かったよ!」
言うと
「キノコも頑張ったー」
「うんうん!キノコ普及活動!」
「これで、皆キノコの友達…フフフ!」
若干キノコに引きながら
「…うん…キノコ達もありがとうね…友達食べられちゃうけど…」
あれ程抜かれたのに…不思議なキノコ…と考えていると
「それじゃあ、そろそろ私達帰らないと」
カメちゃんがそう言うとうーちゃんも
「そうだなー母ちゃん達が心配してそうだから帰ろうぜ!」
2人が帰っちゃうのは寂しいけど…仕方ない2人にも待ってる家族が居るんだし…
「うん、今日はありがとう、気を付けてね」
そう言うとカメちゃんが心配そうに
「すうちゃん一人で大丈夫?私のお家に泊まる?」
咄嗟に頷きそうになったけど、そこまで甘えられない…私はううんと首を振り
「大丈夫だよ!キノコ達もいるし寂しくないから!」
カメちゃんが私の手を握り
「これ、私のお家の地図なにかあったら来てね?何もなくても来てくれると嬉しいからね、すうちゃん…」
手の地図を見て心が温かい…嬉しい。
でも私は此処で頑張ろうと2人に
「うん、ありがとう」
伝えて2人に私が取ったキノコをたくさん渡した。2人は
「すうちゃん!また明日ね」
「じゃーな!また明日くるぜー!」
私は2人に手を振り
「バイバイ!」
私は一人バタンとベットに背中から倒れると夜空に輝く無数の星が見えた。
生まれてこのかたこんな星空見た事がない…
「うわー!きれー」
ボソッと言うと同時にお腹が鳴った。
「……。」
2人が帰っててよかった…恥ずかしいと横を見るとパンダのパンさんから貰ったパンの実…起きてカゴから赤い実を取ってカブリと食べると
「…何これ…?」
パンの味がする…それも美味しい…不思議だ
私はパンの実を食べて帰り際カメちゃんから貰った飲み物を飲んで
「お腹一杯だー」
またベットに寝転んでいると少し風が出てきた。私は焦って
「うわ!よく考えたら…ここ大丈夫なのかな?」
するとキノコ達が
「どうしたの?すうちゃん」
「ここ寒くない?」
するとキノコ達が急にザワザワと相談し始めた。
「すうちゃん寒いんだって!」
「寒いのダメ!」
「よし!歌おう!」
いきなり大きな声で合唱し始めた。咄嗟の事に戸惑ってると
「キノコ大きくなるよー」
「どのくらい?」
「すうちゃんぐらい?」
「ううん?もっと大きくなるよ!」
そう言いながらベットのキノコはドンドン大きくなってベットも飲み込んで大きくなっていく…そして
「このぐらいでいいかな?すうちゃん?」
上を見て横を見て
「お家だ…凄い!窓もドアもちゃんとある…かわいい!」
可愛いキノコのお家に感激してると後のキノコ達も一斉に
「僕はーすうちゃんが使う椅子とテーブルになるねー」
「じゃあ、私はランプになるよー」
今度はキノコ達がキノコ家具になっていく、これも可愛い!
「すうちゃん?これでいい?」
キノコのお家が出来上がった。
キノコのキッチン、キノコのトイレ、キノコのお風呂…キノコ凄い!
「キノコ頑張ったよー」
「凄い?」
「機能性キノコー」
思わず
「凄い!嬉しいありがとうね!」
お礼を言うとキノコ達は
「じゃあ、食べる?」
即座に首を振り
「それはいい!」
断ると
「ちぇ!」
と言われ笑うとキノコ達も笑った。これで少しは安心かなっと、そして貰った物をキノコのチェスにしまおうとパンのカゴを見るとさっき一個食べてパンの実は後二つの筈なのに…カゴにはパンの実は3つ並んでいた…目を擦りながら、見間違えたかな?
「…眠い?すうちゃん?」
「うん、流石につかれたかも…もう寝るよ」
私はパジャマに着替えてキノコの洗面所に行くとキノコ柄の歯ブラシを取って歯を磨いてベットにもぐり込みキノコ達に
「お休みなさい」
言うと
「お休みすうちゃん」
「いい夢を」
「いいキノコを」
もう眠くて…考えられないけど
きっとキノコの夢をみるんだろう
おやすみなさい