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非日常が教えてくれたこと(119)

エピローグ

1/9の夜
ペットのセキセイインコのそらが異様な行動をし始めた。

母と父はほっとけば治るんじゃない?様子を見ようとの一点張りだった。だけど、そらの様子があまりにも変だったので、私は病院に連れて行くべきだと主張。病院に行ったとしても何もなかったらそれでいいし、何かあったらあったで病院でみてもらうに越したことがない。普通に生活をしていたらこんな行動しないだろうと真剣に伝えた結果、明日朝に仙台市内の鳥の病院に行くことに決まった。ちなみに、両親が病院に行くことをはじめしぶった理由は、私が住む福島県内には鳥専門病院がないため、高速道路を片道2時間かけて仙台へ行かなければならないからだ。)

1/10

病院で母が診察を終えて戻ってきたが、そらの姿は母の手元にない。

一晩病院で様子を見ることになったようだ。つまり、そらは病院に一泊。先生は糞を検査したいのに、そらの腸の調子が悪いのか糞が採取できないため一泊する結果に。私たちは、次の日また出直すことにした。

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再び片道2時間かけて仙台にやってきた。そらを連れて帰ることを信じて。母が診察室にいる時、私は待合室にいた。すると、受付の女の人が私を呼んで、「入院の手続きをするので、同意書を書いてください。」と伝えてきた。



非日常が教えてくれたこと1:飼い主だと認めてくれている

日頃、そらと遊ぶことはかなり少ない。なぜなら、仲の良い兄弟のひなちゃんといつも遊んでいるので、飼い主が入る余地がないから。私のところまで飛んできてくれるが、そらは臆病でビビリなので、すぐ飛んでいってしまう。1年半も飼っているのに、このそらの性格は変わらない。だから、正直そらと自分の関係性が不安だった。

一泊したそらを引き取るつもりで病院にきた1/11。急遽「面会」という名で一晩ぶりの再開を果たした。


そらは、全く動かず固まっていた。ここがどこかもわからないし、知らない人に無理やり食事を与えられ注射もされたから怯えていたのだろう。だから、人が来ても怖がって動けないに違いない。

しかし、私がマスクをとって「そらちゃん!そらちゃん!」と笑顔で言うと、表情を変え始めた。「ママが来た!」と小さい頭で認知したのであろう。そして、先ほどからは考えられないほど、籠の中をトコトコと歩き回って嬉しがっていた。そらは、感染症にかかっているため透明の大きな機械に入れられている。その機械の中の籠の中で、全身で自分の感情を表現してくれていた。

マスクをとって名前を呼び始めた瞬間、そらの動きが変わったこと。
これが本当に嬉しかった。私は飼い主としてこの小さな子に認識されているんだなって。



非日常が教えてくれたこと2:家族の一員

少しドライなことをまず述べる。
そらのことは大大大好きだ。でも正直彼の存在は薄かった
私の家にはそらも含めて4羽のインコがいて、そらの他はそれぞれ主張が激しいのだ。他のインコに対して私はべったりなのだが、そらに対しては結構あっさり。他のインコに比べてちゃんとした時間をとっていなかったため、影が薄かったのだ。

しかし、そらが一晩いないだけで家の中の空気がまったく違う。さみしい・何か足りない、そんな感じだろうか。色で例えるならば、いつもは陽だまりのオレンジや黄色なのだが、今の状況はグレー

人間の私たちがそう感じるように他のインコたちもそう感じていたようだ。そらと兄弟のひなは、放鳥された時、いつもいるそらがいないので探していた。ずっとさみしい声を出したり、1人で遊ぶのがつまらなそうにしていたり。

影が薄かったそらだったが、やはり彼がいないとダメなんだなと。私も、家族も、インコたちもそう感じたのだ。


もっとそらとの時間を大切にしなきゃ。
とにかく早く一緒にお家でまた遊びたい。そう気づかされた。

早く治りますように・・・。


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