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恋花

 行くこともないだろう異国の山合いの集落で。
娘たちがまだ知らぬ恋の歌を唄っている。
茶葉を一片ずつを指にとり、撚って、小さな塊にして。

彼女たちが行くこともないだろう異国のとあるテーブルの上。

娘たちが恋を知った頃、静かに大きな花を咲かせている。
芳しい香りを放って、娘たちの喜びを伝え、永遠に逢うこともないわたしを慰める。

だから大抵。
わたしは開いた花に娘たちの幼い恋を思い、冷める頃まで飲めないでいるのだ。

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