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ナンじゃないのよ、スリランカでは
小麦文化と、米文化
スリランカカレーは、日本ではまだまだ馴染みが薄い。
「スリランカカレーにハマってます」というと、
「スリランカカレー?やっぱりナンで??」
決まってこう聞かれます。
「いいえ。スリランカでは、ナンは食べません」
このやりとりを、もう何度繰り返したことか。
あー、めんどくさい。
日本でインド料理と看板を上げている店の多くが、ナンを提供します。
しかし、本来はナンを食べる文化があるのは小麦文化の北インドで、そもそもが王様や貴族だけが口にできる食べ物で一般庶民の口に入ることはないとか。
そうだよねー、見るからにバターたっぷりで贅沢な感じだもの。
そもそも、ナンを焼くタンドール窯がなくてはいけないそうですから。
パラパラがカレーに馴染む
隣国の話題はさておき。
スリランカの主食は、日本と同じ米。
熱帯のスリランカでは、勢いよく稲が育ち、場所によっては三期作が可能なところもあるとか。
品種も多様で、小粒で粘り気がまったくないパラパラとした高級米のサンバ(写真左)をはじめコーラ、ミルチャード、カクル・ハールなど豊富。
これに複数のカレー(おかず)を合わせるライス&カレーが当地の基本スタイル。この水分・粘り気が感じられないパラパラ感がスリランカカレーにマッチしていて、いくらでも欲してしまうんですよね。ちなみに写真右がパキスタン産のバスマティライス。
最近は健康志向の高まりからか、赤米も食べられます。血糖値を下げる効果があり、アーユルヴェーダの施設でも供されました。
祭事にも欠かせない、毎日の味
米料理を語る上で、忘れてはならないのが、
ココナッツミルクで炊いた米料理、キリバット。
シンハラ語でキリはミルク、バットはライスを指します。
「ミルクライス〜?何だか気持ち悪そう」
口にする前は思っていました。
しかし。食べず嫌いは百味の損(筆者造語)、敬遠するなかれ。
けっして嫌な甘味はなく、優しい味わいが特徴。
ほんのり甘いこのライスに、唐辛子と玉ねぎを和えたペースト、「ルヌ・ミリス」を合わせれば、はい、簡単で美味しいスリランカ式朝食のできあがり。
これ、日本で言うところの炊き立てご飯にお漬物のイメージでしょうか。
余計なものは、何もいらない美味しさ。
縁起物としてお正月や誕生日などお祝い事にも欠かせず、菱型などにかたどって供されることも多いです。
現地ではぜひ、さまざまなお米文化を堪能してくださいね。